ヘタリア大帝国
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TURN79 天才の復活その九
グレシアはその中で自身もビールを飲みながらエルミーに囁いた。
「やっぱりレーティアはドクツの総統ね」
「はい、そうですね」
エルミーは場の中心でパスタを食べて苺ジュースを飲むレーティアを見ながらグレシアに対して応える。
「そしてその総統を支えるのは」
「私達ね、そうなのよね」
「これまで我々は総統を頼りにしているだけで」
「私達があの娘に何かすることはなかったわね」
「はい」
エルミーも過去を思い出しながら頷いた。
「私もこれまでは」
「私もよ。あの娘は確かにドクツを救って雄飛させてくれたわ」
「しかし私達はその総統を頼るだけで」
「支えることを忘れていたわ」
これまではそうだった、今気付いたことだった。
「だからドクツも敗れたのよ」
「そういうことですね」
「けれどこれからは違うわ」
グレシアはレーティアを見ながら話していく。
「あの娘がドクツを護るだけでなく」
「私達もその総統をお護りする」
「それがこれからの私達よ」
「そうなりますね」
「では今はね」
グレシアはソーセージをフォークで突き刺した、そして茹でられたそれを勢いよく食い千切ると小気味のいい音と肉汁が飛び散った。
その二つを出して今度言うことは。
「美味しいソーセージを食べましょう」
「そうですね。けれどこんな美味しいソーセージは久し振りです」
グレシアもそのソーセージを食べて言う。
「長い間何か」
「食べていなかったわね」
「そうでした」
笑顔でグレシアに返す。
「ですがこれからは違いますね」
「そうね。あの娘と共にね」
「それはそうと総統ですが」
エルミーはレーティア、今もパスタを食べている彼女を見てふと言った。
「あの方は元々菜食主義だったのでしょうか」
「最初は違ったのよ。レバーとかソーセージを食べていたわ」
「そうだったのですか」
「ハムが好きだったわ」
「それが何故菜食主義に」
「元々食べない駄目って好きじゃなかったし」
それにだった。
「肉食はどうしても太るからね」
「アイドルとしてのスタイルの維持ですか」
「それを考えて私が勧めたのよ」
菜食主義をだというのだ。
「そうしたのよ」
「そうだったのですか」
「成功かしら」
「そう思います」
エルミーは微笑んでレーティアに答えた。
「総統のスタイルを維持するには」
「そうね、やっぱりスタイルや健康の為には菜食ね」
「はい」
「ただね。あの娘はね」
レーティアが苺ジュースを美味そうに飲むのも見て言う。
「わかるでしょ。実はね」
「甘いものもお好きですね」
「チョコレートが特にね」
大好きだというのだ。
「ないともう駄目っていう位ね」
「ケーキもお好きですよね」
「甘いものはお肉と同じだけ厄介なのよ」
「太りますね」
「虫歯もあるし」
それにだった。
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