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生還者†無双

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成り行き

 
前書き
お盆休みなのに・・仕事だと? 

 
まさに一進一退
目にも留まらぬ槍さばきと
岩おも砕く様な一撃必殺の体術
野次馬の兵士や給仕がざわめき始めた
間抜けな男が将軍に殺される
皆、そう思っていた
しかし現実は違った・・
素手の男が常山の昇り竜と言われた趙雲と互角に戦っている
ありえない
一体、あの男は何者だ?
あんな武術見たことない!
いつの間にか2人の決闘に皆釘づけになっていた

ガキィイと槍と腕がかち合い鍔迫り合いの状態になった

「楽しいぜ、こんなにゾクゾクしたのは久しぶりだ!!」
「おや?それは私に惚れたのではないですかな?」
「そうゆう事は後で個人的に聞きたいもんだっ」

前蹴りをして距離をとった暁
本当に楽しい時間だがそろそろケリをつけさして貰うぜ
ギュッと拳を握り自然体に構えた
この一撃で勝負を付ける・・
ただならぬ闘気が辺り一面を支配する
野次馬も呼吸も出来ぬ雰囲気に冷や汗をかいた


尋常ではないこの闘気!!
次の一手で雌雄を決するつもりかっ
なれば私も次で決めさせて貰う!!
槍を大きく引き構える
まさに乾坤一擲
必殺の一撃を放たんと暁を睨む
我が最速の槍・・受けるが良いっ!!

ほぼ同時に2人は動いた
間合いは槍の方が断然有利
暁の喉を目掛けて趙雲の最速の槍が一直線に迫る

「ハイヤー!!」

掛け声と共に力の限り刺突した
人生最高の一撃
胸を張って言える最高の突きだった・・
しかし・・矛先は空を切っていた

「最高だったぜ・・だがまだ甘ぇ」

バシっと音がした同時に
目の前が歪む
薄れゆく意識の中趙雲はそう聞こえた
常人では目で追えぬほどの槍だが
異常な動体視力と勘と体捌きでいなして
後頭部に手刀の一撃
あぶねぇあぶねぇ・・なんて女だ
眉間の血をぬぐいならがら思った
あのスピードに対応出来たのはかつての好敵手
御神苗 優との戦闘経験があってこその勝利だった

「おい、嬢ちゃん大丈夫か?」
「頭がクラクラしますが・・大丈夫です」
「すまねぇな、ちっとやり過ぎたぜ」
「私から挑発したのです、お気になさらず・・」
「あぁ・・まだ眩暈が・・」

凄いわざとらしく暁に寄りかかる
後頭部をかきながらバツが悪そうに支えなが暁は歩いている
趙雲は桃香達の方を見ると
ニヤリとゲス顔する

「ご・・ご主人様!!騙されちゃ駄目だよー!!」
「そうです!!その女狐は危険です!!」

あわてて2人は後を追う
そのころ鈴々は厨房でつまみ食いをしていた
白蓮は・・

「誰も私に気が付いていないのか・・?」

練兵場にしばらく取り残されていた


「改めて自己紹介するぜ、俺の名前は暁 巌だ 真名は無ぇ」
「先ほどは失礼した、私は趙子龍と申す」

まじかよ
どうりで強い訳だわな
趙雲と戦っていたのか俺は
AMスーツ無しじゃあきつかったな
しかし・・何か変な世界観だな
俺の知る歴史上の人物が女になっている・・
タイムトラベルだけじゃない
ここは過去であって過去じゃあない世界
一筋縄ではないな・・

「暁殿?如何いたした?私に見惚れていたのですかな?」

目の前に趙雲の顔があった
すげぇ美人だ
だが・・俺はそんな事では動じない
動じない・・
動じない?
グイッと首元を引っ張られた
桃香と愛紗が怒っている
顔は笑っているが怒っている
何故だ?

「冗談ですよ暁殿、私の真名を預かって貰いたい」

今までの軽い態度とは真面目な顔で暁を見つめる

「私の真名は 星 以後お見知りおきを」
「そろそろ・・私も自己紹介してもいいか?」

遠慮気味に公孫賛が言っている
しかし・・なんて普通なんだ
普通が悪い訳ではないが・・
存在感がないね・・

一通り自己紹介が終わり
賊についての説明を受けた
この幽州?には最近賊が蔓延っているらしい
その賊が一箇所に集結して大規模な襲撃を企んでいる・・らしい
で?だからなんだ?
ピュ~と口笛を吹いていた
俺には関係ない話だ

「大丈夫!白蓮ちゃん!ご主人様は天の御使い様だから♪」
「桃香!それは本当かっ!」
「うん♪」

固まった
桃香の奴め・・あれ程俺は天のなんちゃらじゃあねぇと言ったのに・・
ギリギリと歯を噛み締める
何とかしねぇとな、巻き込まれるのはごめんだぜ

「言っとくがな、俺は天の御使いじゃあねぇぞ」
「桃香?暁はこう言ってるぞ・・?」
「恥ずかしいんだよ♪ご主人様は♪」

押し問答の末、俺達は兵隊を率いて賊の討伐をする羽目になった
ちきしょう・・面倒な事になっちまった
ハァと溜め息をつく
賊の数は大体1万弱、俺たちの兵は6千位だ
この時代の戦争は人海戦術だ
要するに俺たちの方が不利って事だ
こんな所で俺は死にたくねぇぜ・・

「ご主人様?どうかされましたか?」
「愛紗か?何でもねぇよ」
「しかしお顔があまり優れぬ様子です」
「愛紗・・先に行くぞ」

馬に蹴りを入れて速度を増す
この嗅ぎ慣れた匂い
血の匂い・・戦場の匂いがした
案の定、小高い丘の稜線を超えると
黒煙を上げる焼け焦げた村が見える
近づくにつれて村の惨状がはっきり見えてきた
ひでぇもんだ
女子供も容赦なしの皆殺しか
胸糞わりぃな
横たわる子供の遺体の手を組ませる

「仇はとってやるぜ・・坊主」

バキバキバキバキ
黒い鎧の音がする
ご主人様がしゃがんでいる
何をしているのだろうか?
急に一人で先行してしまうのだから・・
よく見ると子供が横たわっている
なんと酷い、この様な子供までも殺すとは
激しい怒りがこみ上げる

「・・・やるぜ・・」

ご主人様が立ち上がる
声をかけようと近づくと
!!
決闘の時に感じた殺気
足がすくむ・・
ご主人様の横顔がチラッと見えた
その顔はいつも顔ではなかった
憤怒の表情
背筋が凍りつく
ご主人様はそのまま何処かに行ってしまった
あんな表情見た事ない

「ご主人様・・怒っていたね・・」
「おじちゃん凄く怖かったのだ」
「そうですね・・でも・・」

(仇はとってやるぜ・・坊主)
子供の亡骸に向かいご主人様が言っていた
貴方はやさしい人だ・・
ときどき何を考えているのか解らないけど
他人の為に戦う事を選んでくれた・・
ご主人様はやり天の御使い様です
愛紗はそう思っていた



 
 

 
後書き
急いで書いてしまった・・
 
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