ソードアート・オンライン ~時を越えたデスゲーム~
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第八話
前書き
クォーター・ポイントです。
ボスの名前から何まで意味不です。
今の最前線は50層。
丁度二回目のクォーター・ポイントだ。
最近は、剣士と生産職のプレイヤーが明確に分かれてきた。
自棄になってモンスターと戦い、あっけなくHPを散らす者も居なくなった。
そんな様子に、カズネとアキトは大きな安堵を覚えていた。
クォーター・ポイントには、強力なボスが配置されており、以前は25層が最初のクォーター・ポイントだった。
あのボス戦は、父と母から聞いた話で解ってはいたが、とても強力なボスだった。
そこでも、カズネとアキトは力を振るい、攻撃を続けた。
誰も死なせまい、と。
そんな悲劇が、また訪れるかもしれない、この50層。
ルースリス・ブリット。
これが、この層のボスの名前だ。
意味は 無慈悲な弾丸。
「無慈悲な弾丸・・・・か・・・」
「イヤな名前だな」
「うん」
言いながら、二人は転移門を使い目的の場所へと歩く。
48層のリンダース。
知り合いのマスタースミスが店を構えている街だ。
正確はさっぱりしていて、付き合いやすい。
アキトはともかく、カズネとはとても仲の良い女店主である。
「やっほーリズー!」
「よぅ」
二人は店のドアを勢い良く開け放ち、叫ぶように店主を呼ぶ。
ほかの客が居たら、営業妨害もいいところである。
「カズネ、アキト!・・・アンタたちねぇ、もうちょっと静かに入ってこれないのかしら?」
「うー・・・・ご、ごめんなさい・・・」
「悪い・・・って、俺じゃないぞ!?カズネがドア開けて叫んだんだろ!」
「なっ・・・・私だけ悪者扱いですかッ許さないぞー」
危うく兄妹喧嘩(?)が始まりそうになったとき。
「ほらストーップ!・・・用事があってきたのに、何でわざわざ私の前まで来て喧嘩する必要があるのよ」
「う・・・」
「・・・剣の強化、頼む」
「OK~ 200コルね。素材は?」
「「持込で」」
「解ったわ。どっちからやる?」
「私からで」
「了解 ちょっと待ってて」
リズベットはいそいそと動き始める。
カズネはその間に、アイテムウィンドウからレイピアと素材を取り出す。
「じゃあ、剣、預かるわね」
「お願い」
「ん?・・・もしかして、前と剣変わったの?キレーね」
「うん。一層ボスのドロップなんだ」
「一層?コレで?」
「ちょっと不思議だよね。アキトもそうだよ」
「へぇ・・・じゃあ、さっそくやるわね」
リズベットはレイピアを台に置き、ハンマーを振り上げる。
カン、カン・・・とリズム良くレイピアを叩く音が工房に響いた。
一定の時間打ち終わると、カズネのレイピアが光り、強化が完了する。
リズベットはレイピアを持ち上げ、カズネに返した。
「じゃあ次はアキトね。わ・・・そっちも綺麗!エメラルドグリーンなんだ・・・」
「ああ。で、問題なんだけど・・・ コレ、持てるか?」
「何よ!持てるわよそれくらい!私、マスタースミスですからね!」
「す、すみません」
「フンッ」
リズベットは言うと、アキトの剣に手を伸ばす。
柄と刀身をを支え、持ち上げる。・・・が。
「・・・・。持てないわね。何よこの剣!重すぎでしょ!」
「だから聞いたんだよ、持てるか?って!」
「先に言いなさいよ!」
「言ったわ!!」
リズベットはさっきと同じように台に剣を置き、ハンマーで打ち始める。
カズネのレイピアよりも少し時間がかかったが、強化は成功。
リズベットに剣を返され、重さなど物ともせずに片手で鞘に戻す。
「ホント・・・アンタのステータス、一体どうなってるのか・・・」
「ちゃんと公平に上げてるぞ、コレでも。まあ敏捷だとカズネには勝てないんだけど・・・」
「それだけは譲れませーん」
三人は声を上げて笑った。
「じゃあリズ、有難う!また来るねー!」
「じゃあな」
「この層の攻略が終わったら、来なさいよね!」
「「わかった!」」
手を振り合いながら別れ、カズネとアキトは再び街を歩く。
「ふふ、もしかしたら、ここの層のボスでまた、剣がドロップしちゃうかもね」
「魔剣だったり」
「聖剣だったり?」
「なんにせよ、難航するのには変わりないけどな。」
「剣が折れちゃったらどーしよ・・・」
「無いだろ。レイピアのクセにありえないくらいの耐久値あるんだから」
「まーね」
二人は話しながら、歩く。
50層の悲劇を目の当たりにすることも、知らずに―――。
後書き
48層リンダースって・・・・
黒の妖精にも出ましたよね・・・
まあ、時期がかぶったって事で。。
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