仮面ライダー エターナルインフィニティ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第八十六話 Anotherworld(もう一つの世界)その二
「今は」
「そうですね、それじゃあ」
「これも食いながらだな」
アンクはアイスキャンデーを出しながら言う。
「待つか」
「それ何処から出して来たんだよ」
「最初から持っていた」
「よく溶けなかったな」
「溶かさないコツがある、よかったら御前も食うか」
言いながら火野にもう一本差し出す。
「何本でもあるぞ」
「あっ、くれるんだ」
「好きなだけやる」
意外と気前のいい感じである。
「何本でもあるけれどな」
「悪いな、じゃあ一本な」
「一本だけか」
「だってな、会長だからな」
鴻上だからだというのだ。
「あの人いつもケーキ出して来るからさ」
「そのケーキに備えてか」
「一本だけでいいよ」
「わかった、じゃあ俺もだ」
アンク自身もだとだ、彼も言う。
「この一本で止めておこう」
「わかった、じゃあな」
「さてと、まあ立っておこうか」
ここでまた伊達が火野達に話す。
「会長さんが来るまでな」
「そうですね、それが礼儀ですから」
後藤は伊達の言葉に頷く、二人の絆は今も健在だ。
「もうすぐ戻られるでしょうし」
「そうですね、じゃあ俺も」
火野も微笑んで頷く、だがアンクは。
部屋のソファーのところに来て脚を組んで座る、そのうえでぞんざいな態度でアイスをかじりながらこう言った。
「下らん、俺はこうして待つ」
「おい、立たないのか」
「立つ義理もない」
アンクはこう言ってアイスをかじりながら待っていた、すると。
すぐにその鴻上が来た、里中エリカに湊も一緒だ。
鴻上は事務所に入るとすぐに満面の笑顔で叫んだ。
「諸君ハッピーバスデーーー!!」
「またいきなりだね」
伊達はその鴻上に屈託のないその飄々とした笑顔で返した。
「何かあったんだな」
「その通りだよ、まずはだ」
エリカは何かを引いてきていた、それは上にケーキを置いた台車だ。
ケーキは白い見事なデコレーションだ、それをライダー達の前に持って来たのだ。
そしてだ、鴻上は今度はこう言ったのだった。
「このケーキは君達とだ」
「そこから先はわかっている」
アンクはソファーに座り鴻上達から目を離したまま言う。
「誰が来た」
「君達の新しい仲間がだ」
「どんな奴だ、それは」
「中学生の子です」
エリカは鴻上の左隣に来てからライダー達を前にして答える。
「その子が来ました」
「その子は俺が会った子で」
今度は湊が話す。
「悪い子じゃないよ」
「それでどんな子なんだい?」
火野は湊にも問うた、港は彼の右隣に来ている。
「中学生っていうけれど」
「わかった、ではこの部屋の中に来てもらおう」
鴻上は己の席でにやりと笑った、そのうえで扉の向こうに顔を向けて言った。
ページ上へ戻る