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真剣で武神の姉に恋しなさい!

作者:炎狼
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屋上にて

 
前書き
はいサブタイが思いつきませんでしたのでこんな感じで

ではどうぞ 

 
 月曜日瑠奈を抱いて眠っていた千李は朝特有の雀のさえずりで目を覚ました。
 
 千李が瑠奈を見るとまだ穏やかに寝息をたてていたが、千李の寝巻きをしっかりと掴んだまま離す様子がなかった。

 その様子を見ながら苦笑する千李だったがそろそろ時間なので瑠奈を起こすため方をゆすった。

「瑠奈。そろそろ起きなさい」

 すると瑠奈は大きくあくびをしながら目覚めた。

「んぅ……。ふぁ~あ、おはようお母さん」

「ええおはよう。じゃあ起きて着替えましょうか」

「うん」

 瑠奈はいまだに寝ぼけていたようすだったが千李が服を用意するとそれを素直に着始めた。

 千李が制服を着終えた同時に瑠奈も服を着終わったようで、そのまま二人は朝食に向かった。



 朝食を終えた瑠奈と千李そして百代と一子は川神院の門の前にいた。千李は瑠奈の前にしゃがむと笑顔で言った。

「じゃあ瑠奈。お母さんこれから学校に行って来るから朝ごはんの時に言ったとおり、私が帰ってくるまでちゃんと立てた鍛錬のメニューをこなしておいてね?」

「うん!ちゃんとやっておくね!」

 千李が夕方までいなくなると言うのに瑠奈はとても元気に答えた。

 瑠奈の様子を見て千李は頷きながら頭をなるとそのまま立ち上がり後ろに控えていた修行僧達に言った。

「お前ら瑠奈のこと頼んだわ」

「はい。瑠奈様のことは我々にお任せください」

 修行僧の一人が言うと千李は瑠奈に言った。

「じゃあいってきます」

「いってらっしゃ~い!」

 瑠奈の見送りの声に千李は笑顔で答えながら学校へ向かった。



 途中でいつものようにメンバーと合流した。メンバーの中には由紀江とクリスも混じっていた。

 そこで千李がクリスと由紀江に声をかける。

「クリスとまゆっちはもう慣れた?」

「ああ」「はっはい!」

 きわめて冷静なクリスとは裏腹に由紀江の方はいまだに緊張した様子だ。

 その様子を見ていた百代が由紀江に抱きついた。

「いや~クリスもいいが、まゆまゆもかわゆいよなぁ」

「わひゃぁ!?」
 
 唐突に抱きつかれたことにより名状しがたい声を上げた由紀江だったが千李が百代の頭に軽めの手刀を放つ。

「まったく……」

 あきれていると大和が声をかけてきた。

「千李姉さん。あれ」

「あん?」
 
 千李が目を向けるとそこにいたのは見覚えのある男だった。

 その男は足やら頭やらいたるところに包帯を巻いていて表情までははっきりとはわからなかったが、その目は憎しみに満ちていた。

「なんだアイツ?」
 
 由紀江に抱きついていた百代が顔を向けるがそれを千李がさえぎる。

「姉さん?」

「どうやらアイツが用があるのは私だけみたい。だからお前らはここで待ってて」

 千李は言うと持っていた鞄を大和にほおった。

「千李姉さんギャラリーは?」

「はけさせなくていいわ。今度こそ精神的にも肉体的にもへし折ってやるから」

 そういった千李の瞳には残虐な光が浮かんでいた。

 男の前まで来た千李は声をかける。

「やぁ傷の調子はどうだい?五流格闘家さん」

「てめぇ……!」

 千李のあまりの軽々しい声に苛立った声を男は上げた。

 だがそこで千李が笑い始めた。

「それにしても、回復力だけは褒めてあげるわ。ねぇ陰山さん?」

 にやりと笑いながら千李があおると陰山はついにキレたのか懐に手を突っ込みナイフを取り出した。

 それを見た千李は大きくため息をついた。

 ため息を聞いた千李に陰山は怒声を浴びせる。

「もう武道だなんだ関係ねぇ!!てめぇはここでぶっ殺してやる!!!」

「まったく。まだ拳で挑んでくるならよかったけどついにそれだしちゃうとわね」

「うるせぇ!!!」

 叫びながら陰山は千李に突っ込むがそこで唐突に陰山の動きが止まった。

 千李が睨んでいたのだ。

 その瞳には光が宿っておらず後ろにいた百代たちにまで悪寒を走らせた。

 千李の前にいて直に睨まれている陰山は震えだした。

「どうした?殺すんだろう私を」

 いいながら千李はゆっくりと陰山に近づいていく。

 陰山のは自分の頭で警鐘が鳴っているのを感じていた。

 ……やばい!コイツは本当にヤバイ!!逃げなくては逃げなくては!!

 もはや自分で動くこともままならなくなっていた陰山の眼前にまるで幽鬼のような眼をした千李がゆらりと現れた。

「た、たすけ……て」

 振り絞ったのは助けを求める声だった。

 だが千李はそれに残虐な笑みを浮かべた。

「おいおい。自分で私の事ぶっ殺すとか言っときながら今更命乞いはないでしょう?」

 いいながら千李は指を鳴らす。

 そして次の瞬間陰山を前とは比べ物にもならない衝撃が襲った。

「っっ!!!???」

 声にならない悲鳴を上げ陰山は吹っ飛ばされ、何回もバウンドしたあと動かなくなった。

「だから二度と私の前に顔見せんなって言ったろ……クソッタレが」

 そういい残し千李は大和たちのもとへと帰っていった。

 帰った千李に大和が聞いた。

「千李姉さん……ちょっとやりすぎじゃ」

「あっちが殺意むき出しできてなおかつナイフ持ってんだから正当防衛よ」

 その返答にその場にいた全員が「えー……」と言った顔をした。

 すると京が口を開く。

「千李先輩の正当防衛は正当防衛じゃない」

 その声にまたもその場にいた全員が頷いた。

「まぁそうだよなぁ。さすがの俺様でもあんなんくらったらひとたまりもないぜ」

「くらいたいとも思わないけどねー」

 岳人と卓也が言うがそれに対し千李は軽く返答する。

「まぁ全然本気出してないけどね~」

 そのあとに「殺気は結構出したけど」と加えたがその前の発言にみんなの口が開いたのは言うまでもない。

 そのあとはまたいつものように登校する一同だったが千李の頭の中はおいてきた瑠奈のことでいっぱいだった。



 時間はたって昼休み。

 千李は一人屋上で朝瑠奈が作ってくれたおにぎりを食べていた。かなり大きくて塩がちょっとしょっぱいぐらいだが千李はそれを美味しそうにほおばっていた。

 食べ終え千李はゴロンと寝転がると空を眺めた。

「瑠奈はちゃんとやってるかしらね~」

 一人ごちているとドアが開く音が聞こえ、千李はそちらを見やる。

 そこにいたのは白髪の少女だった。

 少女は少しの間ボーっとしていたが蝶を見つけるとそれを追いかけ始めた。

「チョウチョー」

 千李はそれを不思議そうに見つめていると少女に話しかけた。

「蝶すきなの?」

「んー?」

 ふと聞こえた声に少女は振り返ると答えた。

「別にー」

 そう答えた少女は千李に聞いた。

「あなただれー?」

「私は川神千李。武神の姉よ」

 答えに対し少女は納得したのか頷いた。

 それを見た千李が少女に聞く。

「そういうあなたは?」

「僕は榊原小雪だよー。トーマたちからはユキって呼ばれてるー」

「そう」

 ……トーマっていうと2-Sの葵冬馬かしらね。

 千李が考えていると小雪が近寄り千李のにおいを嗅いでいた。

「スンスン……。いいにおいがするー」

 小雪はそういうと千李にぴとっとくっついてきた。

 くっついてきた小雪を千李は軽くなでる。

 ……なんか妙に気に入られたっぽいけど。

 においといわれたので千李は自分で嗅いでみたがあまり変わった匂いはしない。

 するとまた扉が開き今度はめがねをかけた少年がやってきた。

 ……この子がたしか葵冬馬だっけ?2-Sの大和ポジだったか。

「こんなところにいましたかユキ。おや?貴女は確か川神千李先輩ですね」

「ええ。そういう君は葵冬馬くんだっけ?」

 千李が聞くと冬馬は小さく頷いた。

「はい。ですがなぜ貴女が私の名前を?」

「そりゃあ、あの葵紋病院の跡継ぎでしょ?知ってるわよ」

 そういった瞬間冬馬の顔にかげりが見えたが冬馬はすぐに返した。

「そうですね。そう思ってみれば納得がいきます。では私はそろそろ……ユキいきますよ」

「うーん。じゃあまたねー」

 千李の腕から離れた小雪は冬馬のもとへ小走りに駆けて行き先に校舎に戻った。そこで千李が冬馬に声をかけた。

「葵くん」

「はい?」

 不意に声をかけらたのにもかかわらず冬馬は笑みで答える。

 千李はそれを確認すると冬馬に聞いた。

「なにか悩んでることがあるなら相談に乗るけど?」

 その問いにも冬馬は笑顔を絶やさずに答えた。

「ではそのときは頼らせていただきます」

 いいながら冬馬は校舎の中に消えていった。

「ふむ」

 誰もいなくなた屋上で千李は唇に指を当てながら思った。

 ……やっぱりあの子確実に何か隠してるわね。

「一応要注意って感じかしらね」

 千李が言うと同時に5限を知らせる予鈴が鳴り響き千李は教室に帰っていった。



 放課後千李たちはいつものようにみんなで下校するため学園の門まで来ると、通学路の先から青い髪を揺らした瑠奈が千李に手を振りながらやってきた。

「お母さ~ん」

 その声にその場にいた千李、百代、一子を抜いた全員がはてなという顔をする。

「お母さんってだれ?」

「誰かと勘違いしてんじゃねーの?」

「かもな。なぁ千李姉さん達はあの子知って……」

 大和が千李に声をかけると同時に千李は瑠奈に駆け寄ると抱き上げる。

「迎えに来てくれたのね。えらいわ~。さすが私の娘!」

「えへへ~」

 抱き上げた瑠奈の頭をワシャワシャとなでると瑠奈は嬉しそうに目を細める。

 が、その様子を見ていた百代と一子を除いた全員が口をあんぐりと開けたまま千李たちを見ていた。
 
 するとそこでやっと大和が声をかけた。

「え、え~と……。せ、千李姉さん?今その子のこと私の娘って言った……?」

「ええ。言ったわよあたりまえじゃない私の娘なんだから」

 どうだと言う風に鼻を鳴らす千李だったがそれを聞いた大和たちは言った。

「なんじゃそりゃーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!???」

 その声にまわりにいた生徒達もびくっとした様子だったが、一番ビクッとしたふしがあるのは瑠奈だった。

 それを感知した千李は瑠奈を百代に預けると岳人の頭を殴った。

「ガクトうっさい」

「……なんで俺様だ」

 岳人は崩れ落ちるがそれを無視し大和が聞いた。

「マジであの子が千李姉さんの娘なの!?」

「だから何度もいってるでしょ」

「マジなのか」

 答えに対しその場にいた全員がまたも硬直する。

 千李は固まった全員に軽く手刀を浴びせると昨日百代と一子にしたようにみんなに説明した。説明している間瑠奈は一子、百代と一緒に遊んでいた。

 説明を終えるとみんなは納得したのかそれぞれが深く頷いた。

 すると千李の足元に瑠奈がやってきて千李を見上げる。その目は何かを懇願しているようだった。

 千李はそれが何かわかったのか瑠奈をそっと抱き上げると肩車をした。

 ……やっぱりああいう顔をするときは肩車か抱っこのどっちかだからね~。

 内心で瑠奈の行動を理解していると翔一が声をかけてきた。

「千李先輩の娘ってことはやっぱ強いのかその子」

「んん~。まだまだだけどそのうち強くなるわ」

 言うと納得したように翔一はうなずいた。

 と、そこで由紀江が千李に聞いた。

「あの、千李先輩にお聞きしたいんですけどその子。瑠奈ちゃんの眼帯って」

「ああそっか。眼帯の説明はしてなかったわね。決して目に傷があるとかそういうんじゃなくてね?瑠奈は生まれつき気の量が多くてねそれを抑制するためにつけてるのよ」

 ……まぁ龍眼のことは言わない方がいいわね。

 由紀江も納得した様子だったのを確認すると千李は皆に聞いた。

「他に何か質問のあるやつはいる?」

 千李の問いに皆は首を横に振った。

 と、そこで翔一が提案した。

「ようし!!じゃあ瑠奈に俺達のこと紹介しとこうぜ!あと千李先輩の娘なら風間ファミリーにも絶対に入れるからな!いいよな千李先輩?」

「私は構わないけど……。瑠奈はどう?仲間に入りたい?」

「うん!なんかすっごくおもしろそうだね」

 瑠奈の返答に千李は「そう」と言うと翔一に言う。

「じゃあ瑠奈に自己紹介よろしくね」

「おう!まかせとけ!!」

 その後は千李に肩車されている瑠奈にみんなが自己紹介をしていた。

 瑠奈も嬉しかったのか大和たちをそれぞれ「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」付けで呼んでいた。

 ただ一人なぜか岳人だけは呼び捨てだったが。




 川神院についた千李は改めて瑠奈に聞いてみた。

「瑠奈?鍛錬メニュー全部できた?」

「うん!」
 
 そう答える瑠奈を見ながら千李は驚いていた。

 ……まさかあの量をこなせるなんて。まぁできてなくても褒めるつもりだったけど。

 千李が思っていると。

「すごいな瑠奈!あの量をちゃんとこなせるなんて。なぁワン子?」

「うん。まぁでも今の私なら余裕よモモ姉様!」

 ……負けず嫌いをここでも発動してどうすんのよ。

 一子の発言にあきれながらも千李は瑠奈を褒める。

「本当に凄いわね瑠奈」

「えへへ」

 瑠奈は顔を赤らめながらも笑顔でいた。それだけ千李に褒められたことがうれしいのだろう。

 その後は昨日と同じように瑠奈と千李、百代と一子の四人で風呂に入りそれぞれは眠りについた。  
 

 
後書き
以上です。

今回は瑠奈がきてはじめての日常回ですのでそこまで面白くなかったかもしれませんゴメンナサイ。

あと原作どおりならば翔一とあのハゲの競争がありましたがなくしました。

近いうちにはクリスとの一悶着回もやりますのでしばしお待ちを

感想、ダメだし、アドバイスありましたらお願いします。

PS 最近ISの方の二次創作もできそうなので近いうちにあげたいと思いますですハイ。
   そうなると一気に投稿数が三作になりますが基本はこちらを進めていきたいと思っています。 
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