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ソードアート・オンライン~黒の妖精~

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2

 
前書き
この小説、続くのかさえ危ういような。
 

 
アスナさんの家は・・・簡潔に言おう、めちゃくちゃ豪華だった。
「なぁこれ・・・一体何k掛かってるんだ・・・?」
「んー、大体四千kくらいかな?適当に座ってて 着替えてくるから」
「「四千・・・・」」
攻略組みであれば軽く貯まる金額だけど・・・
「「無理だよなぁ・・・」」
私と兄は揃いも揃って無駄遣いのしすぎなのである。
「お待たせー・・・・君たちも何時までそんな格好してるの」
私と兄はハッとして、コートなど武装の類を解除した。
兄の目がアスナさんの・・・・どこに向いてたなんて・・・後で聞いてやろう。
「さて・・・・どんな料理にする?」
「シェフお任せコースで」
「・・・同じく・・・」
「じゃあシチューにしましょうラグー(煮込み)って言うくらいだし」
アスナさんは言うと、張り切って料理を始めた。
悔しいけど、すごい腕前だった・・・。
「完成!」
「「「いただきます」」」
一斉にシチューをかき込む。ちょっと行儀がわるいのは知っているが。
「おいしい!」
「ホント・・・凄い!」
「うん・・・・・」
私たちはシチューのおいしさに感激していた。

「ふぅ・・・・」
「今まで頑張って生きててよかった・・・」
「同感・・・」
シチューの皿はすぐに空になり、私たちは一息ついていた。
「そういえば・・・キリトくんとキリアちゃんって、どこで会ったの?」
「え・・・え・・・?」
「ああ・・・・どこ・・・って言われても」
どう答えたものか。
この際、言ってしまってもいいか。
「えーっと、俺たち、兄妹なんだ」
「双子の・・・」
アスナさんが固まって、復活した。
「双子なんだ!言われて見れば、似てるわね。へぇーっ、キリト君に妹かぁ・・・なんか変な感じ」
「リアルに1個したの従妹が居るけどな」
「うん・・・」
1個下の従妹・・・・直葉のことだ。
途端、胸が締め付けられたように苦しくなる。
でも、それは兄の痛みのほうが酷いはずだ。


私は直葉と兄と共に、剣道をやっていた。正確にはやっている。
この世界に囚われるまでは、行ったり行かなかったりを繰り返し、それは怒られたものだ。
兄は剣道をすぐにやめ、叔父に殴られていた。
私はそれを、泣きながら見ていることしか出来なかった。
従妹の直葉は、それをどうにかしてやめさせようとして、一人で自分が剣道をもっと頑張る、という”約束”を背負った。
私は”約束”を全て直葉に押し付け、私は時々道場へいくだけの不良生になっていて。
”約束”を押し付けた罪悪感は酷いが、兄の心はもっと痛んだと思う。
そんな過去の苦い思い出を頭から振り払い、溜息をついた。
「キリアちゃん、なんか、今日はごめんね。いきなり、キリアちゃんがそういうのニガテって知らなくって・・・」
「だ・・・大丈夫です・・・私も、直さなきゃいけないのに・・・」
「敬語はいいよ。同じくらいの年みたいだし」
「はぁ・・じゃあ・・」
正直兄を狙っている奴と仲良くする気は毛頭ない。しつこいけどブラコンじゃありません。
「へぇ、キリアが半日でここまで話せるとは・・・」
「わ、私だってこれくらい出来るよ・・・」
「戦闘時のキリアを見たらアスナの顔がどうなるふぐっ・・・・!」
「私を見て・・・・何?」
正直、戦闘時の私はヤバイ。
いつか見せることにはなるだろうけど少なくとも今はその時じゃない。
「私が・・・・何?」
「ごめん!悪かった!悪かったって!!」
私はちょっと珍しいけど兄にたっぷり睨みを利かせ、フン、と顔を反らし椅子に座りなおした。
「ふふ・・・仲がいいんだね、二人共」
「「よくない!」」
いや、私は兄が好きだけど、今はキライ。
「いいじゃない。私、キリト君が女の子と仲良く話してるところなんか見たこと無いわよ?」
「キリアは妹だ!」
「動揺するところから、君、ほかに仲いい子とかいないでしょ」
「あたり・・・」
私はボソリと呟いてみる。
人のことは言えないけど、兄のフレンドリストは泣きたくなるほど寂しい。
「別に良いだろ。ソロなんだし。キリアも少ないよな?」
「・・・うん。少ない。でもお兄ちゃんよりは多いと思いたい・・・」
「何だよソレ・・・」

それから、何でギルドにはいらないの?とか、70層あたりからモンスターのアルゴリズムがイレギュラー性が増してる、とか、そんな話になった。
私は薄々感づいていたのかもしれない。
この人が次に何を言うのか、ということを。
「そうだ。しばらく私と、パーティー組なさい。君たちが噂ほど強い人か確かめたいし、私の実力もちゃんと教えて差し上げたいし。あと今週のラッキーカラー黒だし。」
く・・・黒い装備が裏目にでたああああ!!
私は兄と同じで真っ黒な装備だけど、ところどころに白が入ってる。
でも黒だ!全体が黒い!兄!どうするの~・・・!?
「な・・・んだそりゃ!」
「そうだよ!」
「ウチはノルマとか無いし。」
「護衛は!」
「置いてくるし。」
「そんなぁ・・・・」
アスナさん。   強いです。
   食事中にアスナさんがナイフ振り回すなんて物騒な真似をしたということは、また別のお話。

私たちは結局、ラッキーカラーのせいでパーティーを組むことになった。
もちろん私は、ラッキーカラーがただの言い訳って事を知ってる。
だって兄が、「仕方ない」って了承したとき、目にこれでもかってほどの歓喜が見えたから。
明日・・・兄に何かしたら・・・。
∮∮∮
翌日、私たちは約束どおりに転移門前に集まった。
ちなみにまだアスナさんは来ていない。
ああ・・・ゲームかなんか無いかな・・・ってゲームのなかで思わされてしまうなんて。
兄も同じようなことを考えているだろう。
そのとき。
「キャアア!どいて!!」
転移門が光、誰かが吹っ飛んでくる。
この人は多分きっと、いや絶対、ジャンプしてどこかの転移門に入ったのだろう。
私は持ち前の敏捷度を生かして――兄は筋力系だが、私は敏捷系だ――その飛んできた人物をよける。
兄はその人物に押し倒されていた。
そしてその人物は・・・
「あ、アスナさん・・・だ・・・」
自分の上に乗っているのがアスナということ以前に、女だと言うことにも気づいていない兄は。
「!?」
「や、やーー!!」
触ったな。
確実に・・・触ってから揉んだな。
よし後で・・・・・・・・・昨日の分も返さないと。そして兄を土に還さないと。
やあこんにちは、なんていってる場合じゃないんだよ!
私が兄とアスナさんに近づいていくと、アスナさんが転移門のほうを向いて一瞬怯えた顔をすると、兄の後ろに隠れた。
そこ、私の指定位置なんだけどな・・・・
  転移門が光り、そこからまぶしい純白の布地に真紅の十字架が描かれたマントを羽織った、三白眼気味の男がこちらに向かってきた。
「アスナさま!勝手なことをしてもらっては困ります!さあギルドに帰りましょう!」
てめえが還れよ・・・
おっと、性格が・・・・・。
「悪いな、お前んトコの副団長さんは今日は俺たちの貸切なんだ。」
なんて・・・気障な言葉。
でも私も乗ろうかな。こういうときは人見知りなんて、出てこない。出しもしない。
「うん、そうだね。アスナさんは今日は貸してもらうよ。君が一人で・・・・ギルド(あの世)に逝けよ」
アスナさんが目を見開いて私を見てる。
兄が苦笑してる。
まあそうだよね。当然だよね。
「あの世・・・って・・・キリア言い過ぎだろ」
「いいの。こういうストーカーっぽい人には丁度いいでしょ」
「貴様らぁああ・・・・お前らみたいなガキにアスナ様の護衛が務まるかぁあ!!」
「「お前よりはマトモに勤まるよ」」
「な・・・!」
その時、私の視界にこんなウィンドウが現れる。

 クラディールから一対一の決闘を申し込まれました 受諾しますか?

「クラディールさんって言うんだー・・・さっさと逝かせてやるよ。もちろんYes」

 クラディールとの対決を受諾しました。 初撃決着モード

10・・・
9・・・
8・・・
7・・・
6・・・
5・・・
4・・・
3・・・
2・・・
1・・・


「はぁあっ!!!」
私は両手剣を振りかざし、間合いをつめる。
クラディールも両手剣だ。
発する光から見て、相手はおそらく「アバランシュ」。
その程度のソードスキルなら、私は使わない。
素の攻撃で行く!!
「っ!」
果たして、私はクラディールのソードスキルを紙一重で交わして見せ、ソードスキルでも何でもない”ただの斬撃”をクラディールにくらわせた。
「!!?」
HPは大きく4割減った。
ただの斬撃でこれは多いだろうが、簡単なことだ。
でも種明かしをするのは・・・もう少し先。

デュエルは言うまでもなく私の勝ち。クラディールは私を寒気がするほど睨みつけると。
「アイ・リザイン」
と呟いた。
どこまでカッコつける気なのかな~・・・
ウィナー表示を見てから、私は兄たちの元へ戻っていく。
「キ・・・・キリアちゃん、強いね・・・・ソードスキル、つかってなかったのに・・・」
「あれがコイツのバーサーカーモードだな。」
「お兄ちゃん、後でアスナさんの胸揉んだのと昨日私の性格ばらそうとした事のお仕置き、だからね・・・?」
黒いオーラを漂わせながら私が言うと。
「う・・・」
兄はずどーんと音がしそうなほど落ち込んだ。


・・・・その後私は、周りの人たちの多さに気を失う寸前までパニクった。 
 

 
後書き
アスナが最初からなんだかフレンドリーなんです。
キリアのキャラが崩れてきています。
逝けとか還れとか言ってます。 
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