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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?

作者:海戦型
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龍を召喚せしめたる男の御話・Ⅲ

 
前書き
寝て起きたら評価が400に届いてた。続き書いてたら500になってた。なんでさ。

2/1 ミスって言えるほどの事かは不明だけど修正 

 
やあ、全国の皆さんコンニチワ!光龍だYO!
・・・はい、真面目にやります。

えー前回で説明した例のアレ・・・”念動力”が敵を呼び寄せるって話なんだけど、オレちょっと気付いた。そもそも念で敵を呼び寄せるという性質を増大させているのは真・五行器なわけだから五行器自体を通さずに力を使えばこれを改善できるんじゃないか。
つまりは念動力の力をあまり使わなけりゃトラブル吸引機能は多少なりとも抑えられるんじゃないかと!

というわけで念無しで使えそうなもの検索中・・・


ジャマダイの魔術・・・占い特化だなぁ。却下で。
薩摩示現流・・・人外じゃん。その理念だけは買うけど却下。
KARATE・・・うん、俺の知ってる空手とは似て非なる物みたいだ。却下。
A.T.フィールド・・・エネルギーはどうにかなりそうだが原理が分からん。ラムダ・ドライバみたいなもん?
バルマー式強念術・・・思いっきり念動力使ってますやん。却下。
仙術・・・肉体捨てなきゃなんないの?・・・・・・え?捨てんでも使えるのがある?じゃ、それで。


という訳で現在仙術の修行中。取り敢えず便利そうな符術っていうのを試してます。
データベースに何故か水滸伝の「公孫勝」が使ってたらしい符術が載ってた。・・・あの坊主こんな術使ってたっけ?と疑問に思いながらも札を操る。
↑、←、↓、→、A!・・・ああっ札が自爆した!?なんでや!エネコン関係ないやろ!

「ふぬっ・・・これっ・・・意外と・・・むずい・・・ああ、また爆発した!?」

幸い室内はいつでも修復可能だし札は無限に生産できる。とは言っても札一枚のコントロールでこれでは先が思いやられる。そもそもこの力は生命エネルギー・・・つまり気のようなもので操っているらしい。俺はそういうのに造詣が深い訳ではないので当然のごとく難航している。

・・・そうだ。取り敢えず念で補助しながら札を動かしてみて、その時の感覚を糧に出来んだろうか?
思い立ったが吉日とさっそくテレキネシスを使ってみる。

「サイコパゥワー全開!てーゐ!!」

おお、見事イメージ通りに飛んでる!ねんのちからってすげー!試しに札を増やしてみるが20枚くらいなら楽勝で操れるみたいだ。・・・俺の脳味噌どんな処理してんだろ?処理落ちとか起きてないし大丈夫だよな?




練習中・・・・・・




「あ。」

練習に夢中になってすっかり忘れていたが、昨日応龍皇の角に引っかかったのがなんなのか調べ忘れてた。ちょっと応龍コンピューターで調べてみよう。・・・ひょっとしたら真のチートはこのコンピューターの方なんじゃないかと最近疑っている。

「ええっと、人工物。全長約3キロで・・・遺跡か何かを改造したものと思われる、ねぇ?動力は・・・極々限定的に次元力(オリジン・ロー)を時空から取り出す動力機関か。その次元力ってので平行世界を行き来してるってことかねぇ?良く分からんな。・・・で、内部に生命反応1か」

・・・何か住んでるじゃねーか!!誰だよお前!!
いや、待て!待てよ俺・・・こいつはあれじゃないのか?うろ覚えだけどプレセア・コンバティールとかいうリリなの無印編ラスボスがこんな感じの建物に住んでなかったか?(※名前を盛大に覚え間違えてます)
そうそう、たしかここで娘のアリシア・コンバティールを生き返らせるためになんかしてたんだった。(※名前は合ってます)

と、い、う、こ、と、は・・・

「このまま原作が進めば・・・応龍皇の存在が露見するじゃねえか!!」

お、お、お、落ち着けれれれ冷静になれ。引っかかってるんなら取ってしまえば何の問題もないはず!レッツ取り外し!


・・・あれ?どうやって?

雷ずばーんとかやったら真っ黒焦げであの建造物丸ごと吹き飛ばしちゃうし念動フィールドだと盛大に弾き飛ばして粉々にしちゃうし、力尽くでも結果は同じ。竜巻でとろうにも結構がっちり挟まっちゃってるせいで難しそうだ。そしてどれを選んでも中の人は死ぬような気がする。念動力使え?無茶言わないでくださいどう見ても無理な質量です。
流石にラスボスが死んじゃってるってのはまずいっしょ。この後の物語に影響でそうだし、主にポンコツ願望機集めてるレオタード幼女と犬っころが可哀想なことになる、ような気がする。(幼女はともかく犬っころはむしろ喜びます)

こうなったらアレかなぁ。符術が形になり次第あちらさんにお邪魔して「外すの手伝いたいんだけど」って持ちかけてみよう。二人で頑張ればなんくるないさ!多分!きっと。おそらく・・・
最悪決着をつける場所を変えるよう説得しよう。
上手くいけばいいなぁ・・・



~その頃時の庭園内部、特設研究室~

「素晴らしい・・・これは、次元航行エネルギーと符合する部分もあるけど、本質的には全く別・・・これはあらゆるエネルギーの法則に当てはまらないにも関わらずあらゆるエネルギーの性質を同時に内包している・・・!!」

プレシアは”解析不能のエネルギー”のデータを食い入るように見つめていた。
ブツブツとつぶやくその姿には病的な物まで感じられる。

「ふふふ・・・最近は何だか調子がいいわぁ・・・」

ちなみに彼女は昨日から一睡もしていない。眼の舌には隈が出来、体も時々不規則に揺れているその様は控えめに見ても体調がいいとは思えない。だが、それでも彼女は今までより体の調子が良かった。一日に何十回と起こる発作も全く起きないし心臓を締め付けられるような苦しみもない。彼女からしたら十二分に絶好調の部類に入るコンディションである。

「ああ、これをもっと早く見つけてたら学会で盛大に発表してやったのに・・・なーんて、今更未練ね・・・」

自嘲気味に笑う。
プレシアは自分の死期を悟っている。もう養生したところで半年持つかも怪しいだろう。それでも亡き娘との再会というものを諦めきれずにこうして生きてきた。ミッドチルダを追放され、病魔に侵され、世捨て人同然になっても・・・頭のどこかで叶わないとわかっている夢想を求めて生き続けた。

「アリシアが深い眠りについてから、ずーっと忘れてたわ。この年甲斐もなく胸躍る探究心・・・死ぬ前にいいもの見つけたかしら?」

どうせフェイトがジュエルシードを集めるまで自分にやることなど無いのだ。ならばこの懐かしい感覚を出来るだけ長く・・・この若かりし日を思い出す探求を少しでも長、く・・・
そこで、彼女は不意に意識を失った。


~???~


「―――ママ」
「―――プレシア」
「―――マスター」

「アリシア・・・あなた・・・リニス・・・」

そこには懐かしい、そしてもう出会うことも出来ない大切な存在が佇んでいた。
それを、プレシアは何故かとても自然な事のように感じた。

「ママ。人はいつか死んじゃうよね。でも死んでしまっても、大切な人の心の中で生き続けるって言うでしょ?あれは、きれいごとの嘘なんかじゃないんだ」
「・・・ええ、分かるわ。人の意志は悠久・・・この宇宙という広い世界の中に果てなく広がりながら、私達に力を貸してくれてるのね・・・それは運命だったり、偶然だったり、奇跡だったり・・・」

アリシアの言いたいことが手に取るように理解できる。そうか、それが人の意志だったんだ。限りある営みの中で生まれては消える人の魂は、決して消滅してなどいなかったのだ。

「プレシア。人はいつも間違いを犯す。僕と君が袂を分かったのもアリシアを蘇らせようとしたのも、他人から見たら失敗だったんだろう。でも、それもすべて必然たり得るんだよ?」
「・・・分かっている。あなたと結ばれたからアリシアが・・・アリシアが死んだからフェイトが・・・フェイトが生まれたからアルフが・・・どこかで何かが必ず繋がっている。世界の見えないところで事象を回す意思と選択の導きを受けているのでしょ?」

もう二度と会わないと決めた、そしてあの後事故で死んだと風の噂で聞いたあの人が何を考えていたか理解できる。あの日あの時私たちがどうして解り合えなかったのかも。

「マスター・・・いえ、プレシア。人は選択することが出来ます。無限も絶望も不可能も、受け入れないことによって開かれる道はある。あなたはそれを選べるはずです」
「・・・分かったわ。私は道を選べる。今更遅いとか遅くないとか、それが問題なのではない。やりたいと思う心の強さこそが、いつかフェイトを導いてゆく。肉体が滅んでも、願いや望みは無限なる流れの一つとなってあの子を見守る」

もう消えてしまった自分のかつての使い魔、リニスの言葉に頷く。選択はやがて希望を生み出し、希望は次を生み出す。連鎖を起こすのは今を生きる者にしかできない。いや、してはならない。

「さあ、プレシア」「私たちは道を示したよ?」「選ぶのは貴方です」
「私は・・・」





「―――!―――さん!」
「あ、れ・・・」
「お母さん!しっかりして!私を置いていっちゃ嫌だよ!?」
「・・・私、そうか・・・」

目が覚めたら視界には床が広がっていた。どうも文字通り床に伏していたようだ。体を起こすと定期報告に来たのであろうアリシアのクローン・・・フェイトが涙目になりながらこちらを覗き込んでいた。何やら早とちりしているようで意識を取り戻した私を見てほっとしている。

「フェイト」
「は、はい!」

怒られるかもという恐怖と言う事を聞かなければという使命感に体を硬直させるフェイト。
ああ、今までの私はどうしてこんな簡単なことが出来なかったのか。どうしてこの子を・・・自分の娘と認められなかったのか。夢とも現実とも知れない場所で人の魂の本質を垣間見たプレシアは、自分の過去を「馬鹿をやったなぁ」と笑った。同時に何故自分がそう考えたのかも理解している。

―――道は示された。ならばあとは選択するだけ・・・そうよね?


「フェイト、貴方に大切な話があるわ・・・」
「大切な話・・・?」
「いい、良く聞くのよ私は――――――













昨日発見したこのエネルギー!!これを研究したい!猛烈に研究したいのよ!!謎が謎を呼ぶ何所までも底知れない奥深き力の奔流に私の魂が惹かれるのよ!DNAに刻まれた知識欲がこの未知を暴きつくせと疼くのよ!!絶対運命さえも打ち破る可能性の塊が私に力を与える!ゴーストがもっと私に研究しろと囁くのよ!!もうジュエルシードなんてどうでもいい!どうせあんなポンコツ不完全品でたどり着けるかなんて不確定要素多すぎで試してらんないしよしんばアルハザードに辿り着いたところで滅んだ文明にある技術なんて味噌っかす程度のモノしかないに決まってるわ!私たち人類は振り向かずに前だけ見つめていればいいというのが人類を人たらしめる根源的なるあり方!!限りある命をモンゴルの鬼火のように燃やしてこのエネルギーを隅から隅まで調べ尽くすわよ!!調べるぜぇ~超調べるぜぇ~!!ふふふふふ天才と呼ばれた研究者の血が騒ぐわぁ!!昔取った杵柄ってやつよ!さあフェイト!!あなたもジュエルシード集めなんて七面倒臭い事は切り上げて研究を手伝いなさい!!これは決定事項よ!ついでにアルフも呼び出してフル動員の総・力・決・戦!!これが燃えずにいられるかぁぁーーー!!!」

「え・・・えええええええええええええええええええええええええええええええええ!?!?」



もう50歳をとっくに過ぎたその身に宿した研究者魂を大爆発させたハッスルお母さんであった。




 ~無限力の中~

「・・・パパ。ママとの離婚の原因って・・・」
「何も言わないでくれないか。ついていけなかったのかなんて聞かないでくれ。それを聞かれると色々と気まずい」
「しかしこれ以上なく生き生きしてますね。さり気にフェイトとコミュニケーションを取れる場所に置いた辺り、趣味と目的を両立させる気のようです」
「病気の方はどうなんだい?」
「多分無意識にですが・・・私たちが貸した無限力を生命力に変換して猛烈なパワーで病魔を押さえつけています。放っておけば健常体に戻るのでは?」
「まったくゲンキンなんだから、お母さんったら・・・でもまぁ、これでいいか」
「そうだね。これでよかったんだよ」


『・・・あ、そうだ。この無限力を応用すれば死人は無理でも魔法生命体のリニス位なら引き寄せられるかも!魔法生命体の魂の半分は人造魂魄だからその辺の波長をちょちょいと変更して・・・”向こう”に自我を保って存在したんだからイケルイケル!』

「・・・え?ちょ、何それ怖い―――」

「あ、リニス居なくなっちゃった」
「これは・・・成功させたかな?」


『ちょ、ちょっとプレシア!これはどういう事ですか!?』
『いやーノリでやっちゃった♪あはははは!』
『何所の世界に無限力の一部になった存在を再び現世に定着させる人がいますか!!』
『リ・・・リニス?』
『あ、フェイト、そのあのこれはですね・・・』
『リニスゥーーーーーー!!!』


「・・・ある意味絶対運命捻じ曲げたね」
「アカシックレコードに残る珍事だよ、流石は元僕の妻」


次元世界は今日も平和です。たぶん、これでいい。



┌―――――――┘\
│To Be Continued? >
└―――――――┐/ 
 

 
後書き
プレシアさんの脳味噌がゲッター線に汚染されたかもしれません。バタフライエフェクト(死者蘇生)
主人公が何もしてないのに原作死亡キャラが生き返るってどういうことだ。何が起きている。主に俺の脳内で。

勝手に殺してごめんなさい夫さん。だって本編で話が出てこないってことはフェイト親権問題で遺伝上の親族が見つからなかった可能性が高い訳で、もう死んでたんじゃねーかと勝手に思ったんですよ。 
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