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FAIRY TAIL 友と恋の奇跡

作者:紺碧の海
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第1章 月の涙編
  第18話 チェンジリングで大パニック!?

 
前書き
紺碧の海でございます
今回はウェンディ&シャルル&トーヤのチームがバトルです。でも、バトルの最中に悲劇が―――――!?
ウェンディ目線で書きたいと思います。
それでは、第18話・・・スタート! 

 
ウェ「トーヤさ~ん、いましたか~?」

ト「こっちにはいませ~ん。シャルル()()は?」

シャ「こっちにもいないわ。ていうか、私を「()()」付けで呼ばないでちょうだい。」

トーヤさんは誰にでも敬語で話しますからね。因みに、私とシャルルとトーヤさんはギルドを出て森の中を捜索中です。でも、全く見つかりません。

シャ「森の中にいないんじゃない?」

ウェ「そうだね。戻りましょう、トーヤさん。」

ト「・・・・」

ウェ「トーヤさん?」

シャ「ちょっと、聞いてるの?」

トーヤさんは1本の大きな木の上を見つめています。

ト「木の上に、誰かいます。」

ウェ&シャ「えっ!?」

えぇっと、木の上に月の涙(ムーンティア)の魔道士さんが隠れているって事ですか?私が問う前に、トーヤさんは左腕を胸の前におくと、

ト「我と、心を通わせ、姿を現せ!出て来い!ろくろ首!」

トーヤさんの左手の甲に模様が浮かび上がり、同時に空中に紫色の魔法陣が浮かび上がると、そこからピンク色の着物を着た女の人が姿を現しました。

ト「ろくろ首、あの木の上にいる人をちょっと脅かしてきてくれないかな?」

ろ「お任せを~。」

ろくろ首さんは首だけを伸ばして木の上に行ってしまいました。私もシャルルも呆気に取られて声も出ません。
その時、

?「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」

ウェ&シャ「!?」

木の上から甲高い悲鳴が聞こえてきたかと思うと、ズサササササッ!ズドォォォン!と凄まじい音を立て、砂煙を巻き上げながら木の上から1人の女の子が落ちてきました。

ろ「久々に人間の子供を脅かす事が出来て、とても楽しかったです~。」

ト「ありがとうろくろ首。妖霊界に帰っていいよ。」

ろ「は~い~。」

ろくろ首さんは満足そうに頷きながら消えてしまいました。

?「あたたたた・・・い、今の、君の魔法?すごい魔法だね。」

落ちてきた女の子は打ち付けた腰を右手で摩りながら私達の方を振り返ります。女の子は15歳くらいで、黄緑色のおさげで、白雪姫に出てくる小人のような服を着ていました。

ミ「あっ!あなた達、月の涙(ムーンティア)を討伐しに来た妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔道士だね。私はミア・リトル。よろしくね♪出会ったからには、早速バトルだよ~♪」

なんだか、性格がマヤさんにそっくりです。でも、今はバトルです。私も頑張らなくちゃ!

ウェ「アーマー!」

まずはいっきに守備力を上げます。

ミ「わぁ!もしかして天空の巫女!?本物だぁ~!」

私の魔法に目を輝かせながら、ミアさんは嬉しそうにその場でピョンピョン跳ねます。

シャ「隙がありすぎるわね。」

ト「我と、心を通わせ、姿を現せ!出て来い!死神!」

紫色の魔法陣が再び浮かび上がり、紺色の長いローブを着て、大きな鎌を持った死神が姿を現しました。死神の姿を見たミアさんは、

ミ「ヒィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!私、お化け無理~!」

頭を抱え、私達に背を向けてその場にしゃがみ込んでしまいました。ここはマヤさんとは正反対です。

ミ「で、でも今はバトルの真っ最中。我慢、我慢・・・!」

ミアさんの額には冷や汗が浮かんでいます。我慢は体によくありませんよ。すると、ミアさんは両手を私達に突き出すと、

ミ「チェンジリング!発動ッ!」

辺りが虹色に輝く眩しい光に包まれて何も見えなくなりました。

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ようやく光が治まり目を開けると、変わった様子は一切ありません。

ウェ「トーヤさん、大丈・・え・・・?」

「大丈夫ですか?」と言おうとしたら、思考が止まってしまいました。
隣にいたのはトーヤさんではなく・・・わ、私ィ!?慌てて私は自分の姿を見ると、心臓が飛び出しそうになりました。藍色の長い髪の毛は銀色のくせ毛に、服装は黒いフード付のローブ・・・この格好、なぜかトーヤさんになっていますっ!!?

ト「あ、あれ?ぼ、僕・・飛んでるぅっ!?」

シャ「な、何よこれェ!?」

トーヤさんはシャルルに、シャルルは私に、私はトーヤさんに入れ替わっちゃいましたっ!

ミ「アハハハハハッ!」

ミアさんはお腹を抱えて笑っていました。笑いすぎたのか、薄っすらと涙が滲んでいました。

ミ「驚いた?これが私の魔法、チェンジリングだよ。もちろん、チェンジだから姿だけじゃなく魔法も入れ替わってるよ。」

そ、そんな・・・

ト「大丈夫です。」

シャル・・・じゃなくて、トーヤさんが、

ト「力を合わせれば魔法が違ってても大丈夫です。ウェンディさんは僕の指示通り死神に命令して下さい。」

こんな立場に陥っても慌てないトーヤさん・・・すごいです!

ウェ「そうですね。分かりました。」

シャ「あんた、結構良い事言うじゃない。」

この時、私は初めてシャルルがトーヤさんの事を褒めたところを目撃しました。

ミ「へぇ~、力ってすごいんだね。」

ミアさんがほぼ棒読み状態で感心します。
力よりも、もっとすごいものを妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔道士は持っているんですよ。

ト「ウェンディさん!死神に呪いの鎌の指示をして下さい。」

ウェ「はい!死神さん、呪いの鎌!」

死「ギリリ。」

死神さんは私の指示通りに持っていた大きな鎌をミアさん目掛けて振り下ろします。

ミ「よっと、危な」

シャ「天竜の・・・鉤爪ッ!!」

ミ「キャア!」

死神さんの鎌をかわしたミアさんの背後から、私と入れ替わったシャルルが攻撃します。

ウェ「シャルル!」

シャ「ふ~ん、戦うってこうゆう感じなのね。」

シャルルが拳を握り締めたり広げたりを繰り返します。

ト「お2人さん、前!」

トーヤさんの声で我に返り顔を上げると、

ミ「てェやァア!」

ウェ「わわっ!」

シャ「おっと!」

ミアさんが私とシャルルに飛び蹴りをしようとしていました。私とシャルルは間一髪の所でミアさんの飛び蹴りをかわしました。

ト「お2人さん、これで決めましょう!」

ウェ「はい!」

シャ「良いわよ。」

ミ「させないよっ!」

ト「ウェンディさん!死神に呪霊殺の指示をして下さい。」

ウェ「はい!死神さん、呪霊殺!」

死「ギリ!」

シャ「天竜の・・・砕牙ッ!!」

死神さんと私と入れ替わったシャルルが同時にミアさんに攻撃しました。

ミ「キャアァァアアァアアアアッ!」

バトルは私達の大勝利です!

ミ「つ、強いん、だね・・妖精の尻尾(フェアリーテイル)の・・・魔道士、は・・・・」

ふらふらボロボロになったミアさんが歩いてきます。

ウェ「シャルル、治療魔法をかけてあげて。」

シャ「仕方ないわね。」

私と入れ替わったシャルルがミアさんに手を翳し、治癒魔法をかけました。やりすぎちゃいましたかね?

ミ「す、すご~い・・・!魔力や体力、傷が回復してる。治療魔法ってすごいな~。」

ミアさんは治癒魔法を見て感嘆の声を漏らします。完全に治ったみたいですね。よかったぁ~。

ト「ところで、この魔法はいったいどうしたら?」

あぁ、そうでした。私達まだチェンジリングの魔法のせいで入れ替わったままでした。

ミ「大丈夫。時間がくれば、その内元通りになるよ。」

よかったぁ~。

ミ「それにしても、あなた達、運がよかったね。」

ウェ「えっ?」

シャ「?」

ト「どうゆう事ですか?」

ミアさんの言葉に私達3人は首を傾げます。

ミ「私は月の涙(ムーンティア)では一番弱い魔道士なの。私よりもっと強い魔道士が、あなた達の仲間と戦っているんだよ。」

そこまで言うと、ミアさんは一旦話を区切り、私達に不敵な笑みを向けると囁くように言葉を紡ぎました。

ミ「特にマスターは、強いよ。」

その瞬間、辺りが虹色に輝く眩しい光に包まれて何も見えなくなりました。

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目を開けると、無事に元の姿に戻っていました。トーヤさんもシャルルも元通りです。

シャ「ふぅ。一事はどうなるかと思ったわ。」

ト「でも、空を飛ぶのは楽しかったです。」

ウェ「私も、とても貴重な体験が出来ました。」

シャ「アンタ達って、いつもああやって戦ってるのね。」

初めて戦ったシャルルは今回の経験がかなり印象に残っているみたいです。風が吹いて、私の藍色の髪の毛をなびかせ、木から葉を落としました。

シャ「シャイン・スター。星の造形魔道士・・・」

シャルルが小さく呟くのが聞こえました。

ト「大丈夫ですよ。妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔道士は、皆強いんです。だから、きっと・・・」

トーヤさんは、私とシャルルを励ますように呟いたと思うんですが、私には、トーヤさんが自分に言い聞かせているように聞こえました。

ウェ「そうですよね。信じましょう。皆さんの事を・・・」

私は胸の前で祈るように強く手を、握り締めました。 
 

 
後書き
第18話終了!
チェンジリング、何だか懐かしいです。
次回はエルザ&ショールのバトルです!
それではまた次回! 
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