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ヘタリア大帝国

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TURN74 合流する者達その一

               TURN74  合流する者達
 ベルリンを脱出した東郷達はローマに来た、ローマに入るとすぐにプロイセンは潜望鏡から周囲を見回してこう言った。
「何か妙だぜ」
「どうしたんだ、一体」
「エイリス軍がドクツ本土から撤退してきてるんだよ」
 潜望鏡で見えるものを見続けながらドイツに怪訝な顔で答える。
「それで国境に集まってるな」
「?ドクツ本土を占領しないのか」
「みたいだな。何があったんだろうな」
「おかしい、ドクツを倒せば後は占領に入る筈だ」
 ドイツもこの話には怪訝な顔になって言う。
「どういうことだ」
「何だろうな、それでそのエイリス軍だけれどな」
「こちらに来ているか?」
「いや、一隻も来ねえ」
 このことは安心していいというのだ。
「全艦ドクツの方を見てるぜ」
「余計にわからないな」
「まあとにかくこっちには気付いてないからな」
 プロイセンはこのことは大丈夫だと言う。
「今のうちに行くか?」
「そうだな、それがいいな」
 ドイツもプロイセンに対して言う。
「今のうちにローマに密かに入る」
「統領さんの場所はわかるよな」
「ええ、任せて」
 グレシアが出て来て二人に答える。
「統領さんの別邸の場所はルートまで頭の中に入れてるわ」
「じゃあ後はローマからこっそり行けばいいな」
「そういうことよ。じゃあ行くか」
「ええ、それじゃあね」
 グレシアはプロイセンに微笑んで応えた、そのグレシアに韓国が尋ねる。
「それで総統さんはどうなんだぜ?」
「レーテイアね」
「ああ、今はどうしてるんだぜ」
「相変わらずよ」 
 グレシアはこの話には表情を曇らせて言う。
「俯いて猫背でね」
「喋らないんだぜ?」
「寝起きみたいな顔と目でベッドに座ってるだけよ」
「そうなんだぜ・・・・・・」
「服もジャージのままで」
 レーティアの普段着と寝起きはこれである、
「眼鏡に三つ編みでね」
「地味なんだぜ」
「私が会った時のレーティアよ」
 あの冴えない風貌の彼女になっているというのだ。
「レーティアはレーティアだけれどね」
「虚脱状態になっておられるのですね」
「ええ、そうよ」
 グレシアもその通りだと今度は日本に話す。
「そうなってるわ」
「左様ですか」
「まずいわね、これは」 
 グレシアにしても困ったことだった、このことは。
「レーティアが立ち上がってくれないとね」
「脱出した意味がねえからな」
 プロイセンも言う。
「エルミーさん達が折角そうしてくれたのにな
「やっぱり負けたからね」
 敗北、その衝撃により虚脱状態になっていることはグレシアにしてもすぐに察したことである。彼女もそれを見たからだ。
「このことはね」
「何とかしたいが」
 ドイツも心配している顔である。 
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