インフィニット・ストラトス 黒剣の死神と謳われた天才
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スカウトテスト 前編
Side:真理
刀奈とのデートから1ヶ月が経ち、今は8月2日。エアコンが効いた社長室で俺は仕事をしている。明日来る2人のスカウト対象の準備だ。
「あ~何でたった2人のスカウトだけでこんなに書類が有るんだよ!」
「しょうがないですよ。企業のテストパイロット手続きは一人分でもかなりの量がありますから」
モニカさんが明日使う書類をまとめてながら冷静な顔をしながら言ってくる。
「それと社長」
「何ですか、モニカさん?」
「明日来る。スカウト対象の一人、神倉天緋は社長の妹さんと聞きましたが、なぜ妹さんをスカウトしたのですか?」
モニカさんがさっきと同じ冷静な顔で聞いてきた。
「なぜって言われてもな…アイツは結構強いし、協調性があります。だから選んだんです」
「そうですか。分かりました。」
モニカさんの言葉を最後に俺達は仕事に戻った。
8月3日
Side:蘭
私は今、ジークフリード社のテストパイロットの手続きの為にジークフリード社の人が迎えに来る待ち合わせのバス停でジークフリード社から送られてきた一枚の紙を見ていた。
「ジークフリード社でIsの一通りの知識に関するペーパーテストと、Isを実際に動かす実戦テストがあるって書いてあるけど、Isの実戦テスト何て私大丈夫かな」
私は不安になってきて、頭を抱えて下を眺めていると、私の横に一人の女の子がやってきて、
「あの~、大丈夫ですか?」
女の子は私位の年で、肩まで伸びたキレイな銀髪(もしくは灰色)の髪で、赤い瞳の美少女だった。
「大丈夫です。これから試験があるから不安になって」
「もしかして、ジークフリード社のテストパイロットの試験ですか!?」
女の子はこちらをのぞきこみながら聞いてきた。
「ハイ。そうですけど。…もしかして、アナタもですか?」
「ハイ。私もなんです!あ、自己紹介がまだでしたね、私は神倉天緋っていいます。年は15歳です!」
「私は五反田蘭です。年は15歳です!よろしくお願いします!」
私達は同じように頭を下げながら自己紹介
「同い年だから敬語はいいよ、五反田さん」
「うん、分かった。神倉さん」
「天緋でいいよ。こっちのほうが呼びやすいだろうし。私もアナタのこと下の名前で呼ぶから!」
「うん、天緋ちゃん!」
私達は会って数分で仲良くなった。それからしばらくして迎えの車が来て私達は車に乗り込んだ。
Side:真理
俺は今、今回試験官を務める満月さんといっしょに一階のホールでスカウトした2人を待っていた。
「真理、聞いたぞ。何で天緋にやるIWSに“雷刀”牙を積んだ?」
満月さんが真剣な顔で聞いてきた。
「忘れましたか満月さん。天緋は俺以上の、神倉流二刀流の使い手だってことを。なら二刀一対の牙を与えてやるのはあたりまえでしょ?」
「“雷刀”牙は『七刀使い七人集』の証の一つだ!七刀使い七人集でもない天緋になぜ…何が狙いだ!?」
「…俺の狙いが知りたいなら、ヒントをあげますよ」
「ヒントだと?」
満月さんは不思議そうな顔でこっちを見てくる。
「7月7日。束さんが篠ノ乃箒にしたことと、天緋の誕生日です」
俺がそう言うとスカウト対象の2人がやってきた。
「来たか、2人とも!」
「ご無沙汰しています。社長さん」
五反田は丁寧に挨拶をして、天緋は
「久しぶり、兄さん、満月さん!」
家での話し方と同じで挨拶をしてきた。俺が呆れ顔になって
「ハァー、天緋お前ちっとは五反田さんを見習ったらどうだ!ちゃんと挨拶してるぞ!」
「兄さんだってあまり敬語とか使わないクセに」
「今は使ってる!」
俺達が口論していると、
「兄妹だってことは車の中で聞きましたけど、仲良いんですね」
五反田さんが満月さんに聞いていた。
「まぁ、かなり仲が良いほうだったからな」
「そんなことより、2人とも、これから試験だ。試験官はここにいる満月さん。何か質問はあるか?」
俺が2人に聞くと、2人とも聞いてこなかったので、満月さんにペーパーテストの会場に連れて行って貰った。それから一時間後満月さんが答え合わせを済まして、テスト紙を持ってきた。
「2人とも、基本はかなり出来てる。次はISを実戦テストだけど、天緋はまだしも、五反田は戦闘は無縁の一般市民だぞ。俺が相手でいいのか?」
「大丈夫です。俺はあの二人の可能性を信じますよ」
俺がそう言うと、
「Iwsが最初は、Isの第一世代の性能も無いのにか?…まぁ、お前のことだ何か考えているんだろう。もう時間だな、俺は準備をしにいく。…それと真理」
「何ですか?」
「“雷刀”牙に『七刀使い七人集』の残った一席は天緋の誕生日プレゼントだな?」
満月さんの問いに俺は大きく目を開けてビックリした。
「よく分かりしたね!何で分かったんですか?」
「お前のヒントだよ。7月7日篠ノ乃束は妹に最新型のIsをプレゼントした。それに今日は天緋の誕生日だしな」
「やっぱり、満月さんには、かないませんね」
俺が手をヤレヤレとすると、
「何年のつきあいだと思ってる。それ位分かる」
満月さんはそう言いながら、実戦テストの会場に向かって行った。
後書き
今日日付を見たらマジで箒の誕生日でした!
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