なのは一途のはずがどうしてこうなった?
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三十五章 復帰と戦闘民族性
●
各、友人、部隊員の手厚い看病により、5日間で怪我は完治した。
失うモノもあれば、得たモノもあった。
イメージトレーニングで掴んだ感覚を、身体に染み込ませて運用する。
病み上がり状態だが、完璧だ。
機動六課は、ヴィヴィオ奪還及び、ジェイル・スカリエッティ一味逮捕の方向に向かった。
理想としては、地上本部との連携を考えていたが、やはりというか。
縦割り社会。協力は出来無い。そして、調査資料の提供もなし。
早い話、地上本部の援護は無し。
はやてが、後見人に根回ししてあり、色々と面倒な事は黙認されるようだ。
機動六課の本来のロストロギア関連の危険な任務を扱うを拡大解釈して、ロストロギア確保の先にジェイル・スカリエッティがいて、捕らわれたヴィヴィオがいる。
邪魔だから、ジェイル・スカリエッティ一味は逮捕する。
捕らわれたヴィヴィオは保護する。
建前上はそう言う事だ。
「退院祝いにケーキかよ……」
「甘いもの、好きでしょ?」
ヴェロッサ・アコースは、遅刻やサボリ癖のある甘党だ。
査察官としては優秀なのだが、お手製のケーキやらお菓子を作る優男を演じる役者である。
レアスキルで脳内を調査できるという変態だ。
男性局員からは気持ち悪い系として扱われているが、本人は気にしていない。
「ケーキはありがたく頂くが、顔が近いんだよ。気持ち悪い」
「ははは、ツレナイね。いつも通りだ」
「それで? ケーキ渡して終わりじゃ無いんだろ?」
「おや? どうしてそう思うのかな? ミウラくんは」
アコースは優秀だ。
どうしよもなく。
そして、お人好しだ。
「サボりは、はやてに協力して敵のアジト探しか?」
「うん。そうだよ」
ハッキリと応えた。
いつもそんな感じならモテるだろうに。
「シャッハさんも連れて行け。お前だけじゃ、不測の事態が起きたら捕まるぞ」
「ああ、そのつもりだよ。シャッハもノリ気だったからね……」
定期的に戦闘しないと変になるという病気を患っているからな。
シグナムも同じ病気だ。
……戦闘奇人……!
ギンガが伝染った。
「シャッハさんがノリ気とは、荒ぶるトンファーが見れるな」
「怒られるよ。ミウラくん」
トンファー武術に触れると強制的模擬戦だからな。
トンファー関係ないじゃんと突っ込んではダメだ。
●
死の淵から蘇ると強くなる戦闘民族の物語がある。
実際問題そんなものはフィクションであり、そうそう簡単に強くなるわけがない。
しかし、人体の構造的に骨が折れて治ったら折れた部分の骨は太くなると言う。
魔力も同じで、限界近くまで使うと次は枯渇しない様にと容量値が上がる事がある。
機動六課の訓練にも反映されている魔力量の容量値アップにも使われている。
それは、新人達の伸びしろがあるためであり、コレ以上容量値が上がらないという限界値が必ずある。
限界値は人それぞれであり、隊長格のなのは達は打ち止めだ。
俺はと言うと、魔力供給の役割がありいつ緊急任務が入ってもいいように調整していた為、魔力を限界まで使用することは無かった。
つまりは、端的に言えばどこぞの戦闘民族然り。
最大魔力量が増えた。
3%程。微妙だ。
クロノは言った。
「は? 最大魔力量が、まだ増えただと……? 自慢か? 自慢なんだな?」
復帰して、祝いがあるかと思いきやクロノと模擬戦だった。
指揮官なのに、実力は衰えていない。
数回手を合わせて気付く。
「ん? クロノ、手抜いてる?」
「ハァ! 全力なんですけどぉー!」
数十回手を合わせて、クロノがダウンした。
見てたモノは、戦闘の起こりだった。
「お前、入院して強くなって帰ってくるとか何者なんだよ」
「……、知るか。イメトレしまくったのは確かだけど……」
違和感を擦り合わせて結合する。
結論を述べるのなら、
「先の先、その先に在る行動の起こりが解かる様になった?」
「僕に聞くなよ。大体、先の先を取るのは元から出来てただろうが。その先に何があるっていうんだ? また自慢か? 聞いてやるから話せよ」
「命令口調かよ。まあ、話すけど。客観的意見が欲しい。簡単にいえば、魔法を使うぞってのが、解かる様になった? と思う。つまりは、魔法発動の為の"行動の起こり"が解かると言えばいいのか?」
それは、
「それは、相手の行動の先読みというか、これからこうやって動くぞってのがわかる、つまりは未来予知に近い洞察力を得た、と言いたいのか……、お前、どんどんチートキャラになっていくよな……」
未来予知だと、言い得て妙だと思う。
「管理局はとんでもない化物を生み出してしまったのかもしれないな……」
「化物って、俺のことかよ!?」
クロノは考えこむ姿勢に入った。
「先にどのような魔法を使用するかわかってしまうのならば、それに対抗する魔法を組み立てる事によって、相殺または反撃できるということか……、なら、僕が負けたのも頷ける。オールマイティーに魔法を使える上に、どれもそこそこ使える魔法を取得しているミウラに勝てる魔法となると、小手先の技術ではなく、強力な破壊力を持つ圧倒的な魔法攻撃が必要か?
いや、それこそミウラの思う壺だ。強力な魔法には溜めがある。その隙を狙われるか、無駄打ちさせられるか……。ならば、戦艦で挑めば勝てるということか。
人を超える存在で対抗すれば流石に無効化できるだろう。個人のレベルで手に負える相手じゃないな。そう、ならば僕が化物と称しても間違えではないわけだな。うん、そうに違いない。ならば、ミウラが敵に回った場合はクラウディアで対抗しよう。そうしよう」
「物騒なこと言ってんじゃねーよ。あと、なげぇ」
●
復帰。
戦闘にまさる経験はない。
配点:(戦闘民族)
●
ページ上へ戻る