ヘタリア大帝国
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TURN68 連合軍の反撃その十
「ですからそれは」
「ああ、そういえばそうか」
「はい、既にです」
「何か俺今回の戦争滅茶苦茶なことになってるな」
「まさに流転ですね」
フランス妹はこうも言った。
「そうなっていますね」
「全くだな。マダガスカルまで逃げて今ここにいるからな」
丁度USJを陥落させてアメリカも入ったところだ。今度はテキサス、シカゴに入ろうとしている状況である。
「流転だよな」
「はい、まさにそうですね」
「それでも生きてるからな」
確かに流転はしているが生きている、このことは確かだった。
「じゃあ最後の最後まで生き抜いてやるか」
「それではですね」
シャルロットは顔を上げて己の祖国に言った。
「これから私達も」
「シカゴに行ってな」
彼等の受け持ちはそちらになっている。
「それで攻略するか」
「ガメリカもそろそろ終わりですね」
シャルロットは冷静に述べた。
「最早これといった戦力も残っていませんし」
「ワシントンで最後の決戦だろうな」
フランスもこうシャルロットに返す。
「それで終わりだよ」
「ですね」
「まあ。こっちはあと三ヶ月だな」
それで終わるというのだ。
「思ったより早く済んだな」
「意外だったのはガメリカ側の内部分裂でした」
フランス妹はここでは参謀的な立場から自身の兄とシャルロットに話す。
「大統領と国家の間で分かれるとは」
「あれな。あの大統領も切れたな」
「これまでは特に波風を立てないいささかリーダーシップに欠けるところがありましたが」
「それが強権的にさえなってるからな」
「そこがかなり変わりましたね」
「今じゃ向こうにいるアメリカの妹もハンナ=ロックもいるだけになってるしな」
これまでは実質的にガメリカを動かしていた彼女達もそうなっていたのがこの時のガメリカだった。まさにルースの強権政治の時だったのだ。
「アメリカにクー=ロスチャがこっちに来てな」
「キャロル=キリングも来ました」
フランス妹は彼女の名前も出した。
「ですからガメリカは完全に分裂状態です」
「どうなんだろうな、これってな」
「褒められる状況ではないですが我々にとってはいいことです」
フランス妹はここでも参謀的である。
「一気にワシントンまで進みましょう」
「それで太平洋の戦いは終わりか」
「そうなります」
「じゃあやるか。戦争よい平和の方がいいからな」
フランスも決して好戦的ではない。戦う必要がなければそれでいいという考えの持ち主だ、それで今は確かな顔で言うのだった。
「平和にするか、太平洋だけでも」
「そうする為にも今は進みましょう」
「ああ、まあ何時かは帰ることもできるしな」
オフランス本国にだというのだ。
「その時までこっちで頑張るか」
「あの。叔父様ですが」
シャルロットはここではそっとした感じで自分の祖国に言ってきた。
「どうもエイリスにおられて」
「あの人生きてたんだな、そういえば」
「国王に戻られたいそうです」
「じゃあいいんじゃないか?姫さんは国王になりたいか?」
「いえ、別に」
シャルロットにそうした野心はない。
「思わないです」
「だよな。だったらな」
「特に気にすることなくですね」
「俺がこっちにいるからあの人も処罰はできないさ」
シャルロットが枢軸側にいることも問われないというのだ。
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