カンピオーネになってしまった赤髪の少年の物語
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赤と六課
前書き
すみません!
大分遅れました。
こんなのでよければ見ていってください。
どうも時空管理局所属三等陸士謙『カンピオーネ』になったエリオ・モンディアルです。
何故かは知らないけど、僕は『帝釈天』って言う神様を殺して、世界に八人しかいない『カンピオーネ』になったって言うのを知っていた。
何故か。
しかも『カンピオーネ』はとてつもない力を持っていて、僕が所属している時空管理局を一人で倒せるかくらいの力を持っているのも知っていた。
何故か。
そして、
「誰かに会っていたような気がするなぁ」
自分が化け物並みに強くなってしまったのはまず置いておいて、誰かに会っていたような気がするのだ。
その人物の名前は__________
「『パンドラ』....................?」
駄目だ、それしか分からない。
いくら考えてもそれしか分からない。
僕は深く考え込んでみたが、それでも分からない。
後で、無限書庫に言って調べてみようかな。
その考えに至った瞬間、僕の頭に一つのことが過った。
「ってここは!?」
辺りを見回すと見覚えのあるベンチと噴水をみつけた。
どうやら六課の近くにある公園らしい。
僕はふいに空を見上げた。
星空。
「嫌な予感しかしないけど..........」
僕は震える手で時計型ストレージデバイス『ストラーダ』を見た。
PM 7:58
はい、終わりました終わった終わっちまったよ....................僕の人生が。
六課の、正式には僕とキャロの門限は6時。
フェイトさんが少々いや、かなり過保護なので僕とキャロの門限は他の人達に比べ早いのである。
ちなみに他の人達の門限は9時である。
それを過ぎる場合は許可をとればいいのだが、僕やキャロはまだ子供なのでそれができない。
まあ、どっちにしろ許可を取るのは出掛ける前なので意味は無いのだが。
「フェイトさん怒ってるよなぁ.........」
フェイトさんって怒ると本当に怖いからなぁ。
「連絡しないとなぁ..........」
僕はそう言って、『ストラーダ』についているメール機能を開いた。
「げっ.....」
『ストラーダ』の受信履歴には全て『フェイトさん』とあった。
しかも件数は56429通になっていた。
不吉過ぎる..........!
ピピピッ
丁度、メールが来た。
From フェイトさん
To エリオ
『エリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオエリオ』
「うわぁぁぁぁ!!」
フェイトさん滅茶苦茶病んでる!
滅茶苦茶病んでるよ!
「まずい.....早く帰らないと.....」
このままではフェイトさんが死んでしまうしまうんじゃないかと何故か直感してしまった。
僕は六課にいや、フェイトさんのもとに帰ろうと走ろうとする。
ピピピッ
メールが来た。
『Fromフェイトさん』
フェイトさんからだった。
そこには長い文章などは書いておらずただ一言、
『エリオ』
「エリオ」
不意に後ろから声がした。
僕はロボットのようにギギギッと後ろを振り向いた。
「エリオ」
金髪の美女がそこにはいた。
底冷えするような声を出して。
本来は優しさの塊のような人物の筈なのに、今のその人物は明らかに恐怖の塊だった。
「フェ、フェイトさん..........」
その人物の名はフェイト・T・ハラオウン。
管理局の若きエリート執務官にして僕の保護者のような人だ。
「..........」
フェイトさんは下を向いて俯いていた。
その沈黙が益々僕に恐怖を煽った。
「フェ、フェイトさん、実は___________」
パシンッ!
左の頬に衝撃がきた。
僕はフェイトさんにビンタをされたらしい。
そのビンタは痛くなかったけど、痛かった。
そして、思い切り抱き締められた。
「エ、エリオ........」
その声は微かに震えていて、嗚咽も混じっていた。
「よかった.......ほんとうによかったよぉ..........」
僕はフェイトさんの声を聞いて、とてもフェイトさんに対して申し訳ない気持ちになってしまった。
こんなにも心配をかけてしまったこと。
僕のことを本気で心配してくれていたこと。
「フェイトさん.....その.....ごめんなさい.....」
今の僕にはなかった謝ることしかできなかった。
その後もフェイトさんに抱きつかれたまま僕は謝っていた。
『バカ!(バカ野郎!)(バカ者!)』
六課に帰ってきた瞬間、計六回ビンタされた。
キャロ、スバルさん、ティアナさん、シグナムさん、ヴィータさん、リィンさん。
どのビンタもやはり、痛くなかったけど痛かった。
カンピオーネになり、体が強くなろうとも、やはり心は弱いままだった。
なのはさんやはやてさん、シャマルさんにザフィーラさんはビンタはしなかったけれど皆と同じ気持ちらしく、怒った表情をしていた。
そんな皆さんに僕は謝り続けた。
何回も謝っているうちに皆さんも許してくれたのか表情が若干優しくなった。
しかしその後、フェイトさんに教えられた出来事に僕は驚愕した。
なんと、僕の居た、ミッドのラーメン屋近くでかなり大きな爆発事故があったらしい。
しかも、僕はそれに巻き込まれ行方不明扱いにになっていたらしい。
その行方不明の人物だった人物がかえってきたのだ、こういう反応をして当然だろう。
そして、フェイトさん達に何があったのか聞かれた。
僕はその時、脳内で高速思考をして、
「それが.....よくわからないんですよ」
誰かに助けられた、そこまでは覚えている、そう言った。
僕のポーカーフェイスとフェイトさん達が僕のことをずっと心配してさがし続けていたので疲れていたのか、嘘がバレることはなかった。
(ごめんなさい、皆さん.....)
僕は心の中で、謝っていた。
何故皆に言わなかったかと言えば、僕が『カンピオーネ』になったことは伏せておいた方がいいと、思ったからだ。
恐らく六課いや、管理局全体に影響が出てしまう可能性がある。
そうなれば、間違いなく僕という存在を暗殺しに来る人だって現れるだろうし、六課の皆にもその被害が来る可能性だってある。
だから、僕は敢えて嘘をついた。
出来れば、いつか皆に本当のことを言いたい。
僕はそう思った。
その晩。
何故かフェイトさん、キャロ、スバルさん、ティアナさん、シグナムさん、ヴィータさん、リィンさんと一緒に寝ることになってしまった。
断ろうとしたのだが、
『エリオ(くん)(さん).....』
皆、滅茶苦茶怖かった。
何故か全員デバイスを機動させてこちらに向けていた。
特にフェイトさんは、
「エリオ.....一緒にネ・ヨ・ウ?」
僕は即分かりましたと、返事をした。
でないと死んでしまう。
比喩表現ではなくリアルに。
こうして僕は眠れない夜を過ごすことになった。
次の日、エリオと一緒に寝たメンバーの肌がツヤツヤしていたのは気のせいだと思いたい。
ちなみに十八禁的なことはしていない(当たり前だが)
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