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攻殻機動隊 アンブレラ・クロニクルズ

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第4話 接触

 
前書き
4話目です。
最近鬱気味だわ〜( ;´Д`) 

 



あの時から何も変わってない。

黒を主体とした服

銀髪のオールバック

漆黒のサングラスの中から見えるわたしと同じ赤い眼

風貌は威厳と冷徹さに満ちていた彼・・・

草薙「・・・レナード。」

レナード「・・・少佐?」

草薙「覚えていてくれたのですか。」

レナード「・・・忘れる訳がない。君は、教えた軍人の中で一番優秀だったからね。」

草薙「きょっ恐縮です。それよりも、レナード。何故あなたが此処に?」

レナード「アンブレラ社の調査を依頼されてね。少し前から潜入して情報収集をしていた・・・少佐は何故此処に?」

レナードの疑問に草薙は正確に答えていった。

研究中のT-ウイルスが漏れ出す電脳災害が発生した事・・・

所員はT-ウイルスに感染し、全員死亡した事・・・

この事故を知ったアンブレラ社は、ハイブの制御コンピュータ「レッドクイーン」をシャットダウンを決定し、特殊部隊を現地へ派遣され、自分も派遣された事・・・

そして、レナードが三日前より任務でアンブレラ社の調査に行ったきり、連絡がとれなくなった。そのため自分がその捜索を依頼された事・・・

自分を知り得る情報をレナードに伝えた。

レナード「・・・そうか。外ではそんな事が・・・」

草薙「レナードは、この後どうするのですか?」

レナード「・・・なら僕もその任務を手伝うよ。」

草薙「しかし、宜しいのですか?」

レナード「向かう場所は同じだし・・・なんの問題も無い。」

草薙は考えた。確かにレナードと一緒なら戦力的にも当てに出来る。

其れに私より優れているレナードとはいえ単独での行動は危険かもしれない。ならば一緒に行動した方が効率的にも良いだろう。

草薙「わかりました。ルートはどうしますか?」

レナード「研究室から抜けるのが早いけど・・・浸水していて先に進めないね。此処は少し遠回りだけど、食堂Bを通るルートで行こう。」

草薙「了解。」

草薙はそう言うと、レナードと一緒に制御室を目指して歩き出した。



食堂Bを目指して歩いていると、突然レナードが草薙に話しを掛けた。

レナード「少佐は、よく敬語で話すけど・・・何故?」

草薙「・・・あなたにわたしは命を救われました。命の恩人には敬意を払うのは当然です。それが何か?」

レナード「出来れば、敬語で話すのを辞めてくれない?君に敬語で話されると、なんかむず痒いよ。」

草薙「・・・ですが、」

レナード「納得できないなら・・・そうだな、恩人からの頼みとして聞いてくれない?」

草薙「・・・そんな事言われたら聞かない訳には、いかないじゃない。」

2人で笑い合いながら、再び食堂Bを目指して歩き出した。




話しながら進んでいると、目的地に到着した。だが、そこは私達が目指して居た食堂とは無縁の場所。そこに有ったのは大量のドラム缶だった。

レナード「・・・此処が食堂B?」

草薙「そのようね。全く食堂には見えないけど・・・」

2人が進もうとすると、少し離れたところから、人の気配を感じた。

レナード「少佐。」

草薙「分かってる。」

言葉をそれだけ交わすと、二手に別れて人の気配がする方に進んでいった。

少し進んで行くと数人の話し声が聞こえてきた。物陰に隠れながら確認していると・・・


「つっ!だれ!」

赤いドレスを着た女性が此方に気付き、他の奴らも此方に銃を向けてきた。

レナード《気付かれたね少佐・・・どうする?》

草薙《恐らく合流予定の特殊部隊だろう。余計な事をされても面倒だ。此処は素直に出て行った方が良い。》

2人は、電脳でやり取りをした後、ゆっくりと物陰から出て行った。

黒人の男が銃を向けながら此方に質問をしてきた。

黒人の男「研究所の人間ではない様だな・・・お前達は、何者だ。」

草薙「アメリカ政府からお前達の依頼された公安9課だ。」

草薙の言葉に違和感を持ったのか、黒人の男は奇怪そうな表情を見せた。

シェイド「・・・変だな。派遣用員はひとりのはずだか?」

レナード「僕は9課の人間じゃないよ。詳しくは言えないけど、アメリカ政府から別の依頼でアンブレラ社の調査をしてたんだ。」

黒人の男「・・・まあ良いだろう。とりあえず自己紹介して置こう。私はシェイド。この部隊の隊長を務めてる。右から、J.D 、カプラン 、オカンポ、非戦闘員としてアリス、マット、スペンサーだ。」

草薙「わたしは、草薙素子。」

レナード「・・・レナード・W・テルミドール。」

草薙は場に合わせて自己紹介をし、レナードも同様に自己紹介をした。

名前を名乗った刹那、記憶を失っているアリスとスペンサー以外の人達は驚きを露わにした。

オカンポ「・・・!?」

J.D「オイオイ・・・マジかよ。」

アリス「ねえ、どうしたの?」

シェイド「まさか・・・こんな所で英雄に出会うとはな。」

スペンサー「英雄ってのはなんだ?」

カプラン「通り名だよ。第四次非核戦争で連合軍を勝利に導いた英雄中の英雄だ。」

目の前に居る男がそんな人物だとは思わなかったのだろう。それを聞いたアリス達も驚いていた。

だが、レナードは鼻に掛ける素振りも見せる事なく話し出した。

レナード「・・・そんな事は、どうでも良い。僕達にはやるべき事が有るんだ。それをを終わらせよう。」

シェイド「あっあぁ・・・そうだな。・・・J.Dとオカンポは此処に残れ。他の奴は制御室に行く。」

指示された二人は軽く会釈するのを確認するとショイド達はレッドクイーンに向けて移動を開始し始めた。

草薙も同様に移動を仕様とするが、

レナード「少佐、何か嫌な予感がする・・・2人だけを此処に残すねは危険だ。僕は2人と一緒に此処に残るよ。」

草薙「・・・分かった。」

草薙は返事をしてアリス達と一緒に制御室に向かって行った。



レナードサイド



3人で待機しているんだけど・・・先程から警戒されて居るのか?何故かオカンポに見られている。

余り他人から視線を向けられるのは好きでは無いのだけど・・・戦場暮らしが長い所為か、視線を感じると反射的に構えてしまう事が有るんだよね。

昔に比べればマシになったけど・・・。

そんな事を考えていると、オカンポの隣に座っていたJ.Dが話しを掛けてきた。

J.D「あの・・・何故此処に残ったのですか?Mr.~テルミドール?」

レナード「・・・Mr.は着けなくて良いよ。残った理由は嫌な予感がしたから。其れにあっちには少佐も一緒だし、僕が居なくても大丈夫でしょう。」

J.D「随分とMs.草薙の事を信頼なさっているのですね。」

「それは、僕の自慢の弟子だからね。有る程度の事なら出来るさ。」

それを聞くとJ.Dは驚いた様に顔を強張らせ、オカンポも同様に驚いていた。まあ、僕が師事した者は少佐を含めて3人しか生き残ってない。それに自慢するタイプでも無いから知らなくて当然かもね。

「それよりも・・・彼女が時々僕を見てくるんだけど何故?」

僕は先程から気になっていた些細な疑問をJ.Dに振ってみた。

J.D「あぁ、あいつは貴方の熱狂的ファンなんですよ。貴方がS.T.A.R.S.の隊員になるのを知って、S.T.A.R.S.の入隊試験にでたぐらいですよ。」

・・・入隊試験?あぁ、そういえば何処かで見た様な気がしたけど居たね。

レナード「確か、彼女は最終試験まで残っていたよね?」

J.D「えぇ、最終試験の団体戦でチームからFHを受けて失格でしたがね。」

J.Dと話しを終わらせると、レナードはオカンポの所に向かう。

オカンポ「・・・何か?」

レナード「・・・番号4のレイン・オカンポ、だったよね?」

オカンポ「つっ⁉・・・何故それを?」

レナード「受験者の中で上位だっから。それに君は状況判断能力と白兵戦に掛けてはトップの成績で入隊も決まってたしね。“面白い子が入るな~。”なんて思ってたんだけど・・・。」

オカンポ「・・・最終試験で落ちました。」

レナード「運が悪かったとかじゃないよ。あれは君のミスだ。」

功を急いだか知らないけど、実際に彼女はチームから突出していた。途中までなら僕もやる事が有るから問題視はしてなかったんだけど、

オカンポ「クッ・・・はい。わたしは確かにチームの連携を崩していました。」

レナード「それが分かっているのなら、君はあの頃より成長したと言う事だね。それに僕は今でも君の事を高く評価してる。同じチームにはなれなかったけど、君と一緒に仕事が出来て私は嬉しいよ。」

オカンポ「こっ光栄です!」

レナード「面白い子だね・・・僕の事はレナードと呼んで良いよ。」

オカンポ「はい・・・レナード。」

J.D「オイオイ、オカンポお前照れてるのか~(ニヤニヤ)」

オカンポ「なっ⁉・・・J.Dてめ~!」

2人が言い争っていると、少佐から通信が開いた。

草薙《レナード、隊員達が殺られた。》

レナード《少佐、詳しく説明して。》

草薙《制御室入り口に到着。

ドアにロックが掛かっていたためロックを解除してシェイド達数人が進入を試み
た所、警備システムが作動。

レーザーによってシェイドとカプラン以外の隊員が死亡。

今、全ての警備システムを解除してクイーンの部屋に進入。

シャットダウンの準備をしている。そちらの状況は?》

レナード《此方には特に異常は無いね。私達はこのまま、此方の警備を続けるよ。》

草薙《気を付けろ。》

レナードは通信を切ると気だるそうにため息を吐いた。



レナードサイドEND



J.D「それにしても隊長達、遅いな。」

レナードは草薙から伝えられた事をオカンポ達に説明しようとした。


その時・・・



(ガガガ・・・。)



(ガガガ・・・。)



何処からともなく、何かを引きずる音が聞こえた。

J.D「・・・見てくる。」

そう言うとJ.Dは物陰を通り過ぎなが音のする方へ向かった。

音がする方へ向かって行くと女性が壁に寄り添いながら立っていた。

J.D「オカンポ!生存者だ。」

女性に近づくとこちら側に倒れてきる。J.Dは女性を胸で受け止めた。

J.D「大丈夫か?随分顔色が悪いが・・・」

J.Dがそう言いながら様子を見ようとすると‥‥

女「ガァー!」

(ガブ!ブチブチ)

J.D「ぐわー⁉こいつ!」

オカンポ「どうした!」

J.D「こいつを引き剥がしてくれ!」

J.Dに言われるとオカンポは女をJ.Dから引き剥がす。引き剥がされた女性はその勢いのまま地面に倒れ込んだ。

オカンポ「おい、大丈夫か!?」

J.D「クソ!こいつ、噛み付きやがった。」

オカンポは立ち上がろうとする女に向けて銃を構えた。

オカンポ「おい、立つな。」

オカンポの警告を無視して女は立ち上がろうとする。

オカンポ「警告する。そこを動くな!」

J.D「こいつ、狂ってる。」

オカンポ「それ以上近づいたら本気で撃つよ!」

再度、警告をするが女は止まらない。

オカンポ「クソ!
(カチャ)」

オカンポは葛藤しながらも女の足に向けて構える。そして‥

(ダン!)

容赦無く女の足に銃弾を撃ち込む。普通の人間ならば余りの激痛に倒れ込み悶え苦しむだろう。

しかし、女は普通では無かった。倒れない。其れどころか撃たれた足を気にする事なく近づいて来ようとしていた。

オカンポ「なっ⁉ちぃ!」

オカンポは驚愕するも、反対の足に銃弾を撃ち込んだ。

(ダン!)

だが、女は倒れない。余りに異様な状況にオカンポは戸惑いを覚えた。

オカンポ「このや(ダン!ダン!ダン!)つっ⁉」

オカンポがもう一度銃で撃とうした時、レナードが銃を構え女の心臓を撃ち抜いた。

レナード「・・・警告を無視した者は、問答無用で殺せ。」

オカンポ「はっはい。すみません。」

周囲を警戒していると銃声を聞きつけたアリス達が戻ってきた。

シェイド「何があった。」

オカンポ「生存者がいました。」

カプラン「撃ったのか⁉」

J.D「狂ってやがった。肉を食い千切られた。」

草薙「死体は何処だ。」

J.D「ああ、あそこのホースのと
ころだ。」

アリスがある物を見つけた。

アリス「ねえ、見て此処。血がある‥‥少しだけど。」

マットがアリスに近づき血液を見る。

マット「これは、凝固してるな。」

アリス「ええ、そうよ。」

マット「‥そんなの、あり得ない。」

J.D「どう言う事だ!」

そう言いながらJ.Dは、マットを睨みつけた。すると、マットは応えた。

マット「血液は、死んでからでないと固まらない。」

草薙「おい、死体何て何処にも無いぞ。」

J.D「そんなバカな⁉確かにテルミドールが心臓を撃ち抜いた!生きてるはずが無い!」

スペンサー「とりあえず、此処を出よう。」

オカンポ「他の隊員が戻って来るまで此処を動かない。」

シェイド「‥‥他の奴は
戻ってこない。」

オカンポ「‥隊長、それはどう言う‥」

J.D「ちょっと待て!‥‥何の音だ?」

(ガガガ ‥) (アァ~‥)

(ガガガ‥) (アァ~‥‥)

(ガガガ‥) (うぅ~‥‥)

スペンサー「おい‥嘘だろ。」

カプラン「こっちに寄るな、クソ!後ろにもいやがる。」

シェイド「なんて数だ。」

アリス「完全に‥囲まれてる!」

先程、殺したはずの女がレインに襲いかかる。

オカンポ「くっ!」

オカンポは女の顔を掴み力一杯捻る。

(ゴキ!)
(バタ‥)

女は倒れたまま動かなくなった。それを確認すると、レインは化け物共に銃を向けそして‥

(ダン!)

他の隊員もそれに合わせて銃のトリガーを引いた。

(ダダン!)

(ダン!ダン!ダン!)

(ダダダダダダ!)

無数の弾丸を撃ち込むも、化け物共は物ともしていない様に立ち上がり襲いかかろうとする。

アリス「何で死なないの⁉」

カプラン「こっちに来るんじゃない!」

J.D「数が多すぎる!」

化け物共に苦戦していると少佐が叫んだ。

草薙「全員、頭を狙え!頭に撃ち込めば一撃で死ぬ!」

それに反応して、シェイド達は頭を狙い初めた。

カプランは扉が在る所まで行き扉のロックを外そうとするが、なかなかロックがはずれない。

J.D「カプラン!何を手間取ってる!」

カプラン「今やってるよ!」

しかし何度やってもロックがはずれない。痺れを切らしたJ.Dがカプランの肩を掴み‥‥

J.D「どけ!俺がやる!番号は!」

カプラン「043‥いや違う!」

オカンポ「早く!弾が切れそうだ!」

カプラン「046‥ああ、違う!」

痺れを切らしたスペンサーがカプランに攻め寄る。

スペンサー「コードをハッキリ言え‼」

カプラン「04、03、1、965!」

(ピピッ、ガチャ)

J.D「良し!どうだ?開いた!楽勝だぜ!((アア~))なっ⁉」

ロックが外れ扉が開くと中から大量のゾンビが現れ、J.D引きずり込んだ。

オカンポ「J.Dダメだー!」

オカンポはゾンビの群れからJ.Dを助け出そうとするが、ゾンビに阻まれJ.Dに届かない。

それでも必死に伸ばしてJ.Dの手を掴むがゾンビがオカンポの腕に噛み付き手を離してしまった。

(ガブ!ブチブチ!)

オカンポ「ぐわぁー⁉J.Dっ!J.Dーー‼」

オカンポを扉から引き離すと扉は音を立てながら閉じた。

オカンポ「くそっ、カプラン離せよ!J.Dを助けなきゃ!」

カプラン「もう無理だ!助からない!」

オカンポ「つっ!くそっ、くそっー‼」

シェイド「全員、制御室に戻るぞ!」

シェイドがそう言うと、制御室に向かって走った。1人を除いて‥‥



END
 
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