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大神桜絵巻

作者:蒼鈴六花
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第9巻 変態現る

 
前書き
はい、皆大好きあの人登場。

……すみません。かなり性格変わってしまいました。
こんなつもりなかったんですがね……

では、最新話どぞ。 

 
アガタの森で大神降ろしをして休憩した俺達だぜ!

「クゥーン」

「そろそろ行くかァー」

「そうだな、大神降ろしで綺麗になった森を見に行くか!」

俺達は洞窟を抜け、森に戻ると其処には水と木々が生い茂るとても美しい森が広がっていた。

「ふぇー……こりゃすごいな」

それぞれ自然を楽しみつつ小島に飛び乗った時、そいつは現れた。

どこからともなく聞こえる笛の音。
俺達は探すも見当たらない。

そしてふと上を向いた時……

巨木の枝に一人の男が立っていた。

「天が呼ぶ地が呼ぶ海が呼ぶ……」

静かに男の声が森に響く。

「物の怪を倒せと我を呼ぶ!」

そう男が叫んだ瞬間ぶわっと風が吹く。
そして男はポーズを取り……

「人倫の伝道師ウシワカ、イズ、ヒア!」

「へ、変態だー!!」

「!?」

え?何驚いた顔してんの?
ま、まさかあれで決まった!とかかっこいいと思ってやってたの!?

どう見たって変態じゃん!

わざわざ大木の上に登って笛吹いて、で。天が呼ぶ地が呼ぶ~とか言ってポーズとって中途半端な英語使う人、変態以外の何者でもないよ?

「ユー!ミーのどこが変態だって言うんだい!?」

「わざわざ大木に登って笛吹いて天が呼ぶ地が呼ぶ~とか何とか言って終いにはポーズとって中途半端な英語使ったりしてるとこかな?」

「全部!?」

まったく二度も言わせんなよ。
あ、一回目は思ってるだけで言ってないか。

「……なあ、まさかとは思うがこの世界じゃあんなのは普通なのか?」

「そんなわけないだろォ?あれはこの世界でも変人でィ!」

「そっか、それは良かった」

「良くないよ!?」

「いいか?アマ公。変態さんに近寄っちゃだめだぞ。連れてかれちゃうからな!」

「クゥーン……」

「ユー、それはひどいよ!連れてきたいのはほんとだけどそれはひどいよ!」

その瞬間俺達は後方に1メートルくらい飛んだ。

「お、おま……今まではネタとして言っていたが……まさか本物だったとは……」

「ち、ちが……!」

「見損なったぜィ……まさかこんな野郎だったとはなァ……」

「聞い……」

「キューン……」

「ぶはっ!?」

ざざざっ!と音を立ててさらに距離をかなり取った。
なぜかって?

あいつアマ公見て鼻血噴出しやがったんだ!

「やべーよあれ……マジもんの変態だよ……」

「関わらない方が良さそうだぜィ……早いとこ逃げるんでィ」

「ワフゥ……」

「ゆ、ユー達!ちょっと待って!?」

「待たん!!」

俺達は走った。

ええ、そりゃあもう、全力で。
森中を逃げ回った。そして俺達は……

「ユー達!!ちょっと待って!ほんとに待って!お願いします!ストーリ「はいアウトー!!」げふぁっ!?」

ちょ、おまっ!?何言いそうになってんの!?それは言っちゃあかん!あかんって!
メタ発言、ダメ、絶対!

……え?そう言うお前は次回予告とかしてるじゃんって?
そりゃお前、俺が語り手だからだよ。
だが、俺は最低限しかメタ発言はしてないぜ?

ま、いじるのは止めてそろそろ話を戻すか。
んじゃテイク2開始!

「ウシワカ、イズ、ヒア!」

「な……なんだィありゃ」

「分からん……」

木の上には謎の男が立っていた。

「その真紅の隈取、そしてその身に粧し込んだ神の器……蒼い隈取の方は知らないが、なるほど傾いたルックスだけどその実力は本物かな……ベイビィ?」

「うっわ!あいつ今時……」

「それは言わないでおこうぜィ兄ちゃん」

「ああ、すまん。んじゃ続きをどうぞ」

んあ?そこ!泣くなよ!やりすぎだとは思ってる……反省はしてない!

「してないの!?」

「その辺で止めとこうぜィ!はい!やめやめィ!……ヤイヤイそんな高い所から何をエラそうにしてんだィ!ちゃんと降りて来て話を……待てよォ?アイツアマ公と兄ちゃんの本当の姿が見えているのかァ?」

無理やり話を戻したよ!さすがイッスン!
ほら!何時までも泣いてないで降りて来いよ!……え?なんだって?後でモフらせろだぁ?……だが断る!!……だああああ泣くなってもう!後でアマ公の毛あげるから!

「ワフッ!?」

アマ公の悲鳴と共にばばっと降りてくるウシワカ。
そして水の上に着地。

すげー!あれどうなってんだ!

そしてウシワカはくるくると笛を回し目の前に構える。
笛に手を添えた途端笛が短くなり、その代わりにビームのごとく光がでて剣となる。

「ええええええ!?あれ、どうなってんの!明らかにライ○セーバーなんですけど!!近未来な感じですけど!?」

「ああっこの野郎刀抜きやがったァ!」

「え?イッスンさんあれが刀に見えるんですか?その目は節穴ですか?」

「ボケすぎて時間がないんでィ!」

メタ発言、ダメ、絶対ぃぃぃぃぃぃぃ!!

「いまさらでィ!」

それ言っちゃいやあああああああああ!!

「抜いたとも……ミーはこれでなくては語れない男だからね」

ウシワカが真面目に話し始めた!?ええい!もうどうにでもなれええええ!!
ていうかいまさらかっこいい感じの事言っても無駄だから!

「ナカツクニにタタリ場が広がった時、宝剣月呼を抜いた人影が神木村に逃げ込んだ上、大岩で入り口を塞ぐのを見たんだけど……ユーたち、何か知らないかな?」

そう言って剣をこちらに向けるウシワカ。

「おい、何かヤバいぜェ!ここは一つ様子を見た方が」

「何言ってんだイッスン!喧嘩は買うもんだろ!アマ公もやる気まんまんだしな!」

俺の隣ではアマ公が戦闘態勢に入っていた。

「グッド!そう来なくっちゃ……では、我が愛刀ピロウトークの調べを思う存分聞かせてあげようか!」

そう言ったウシワカは短い剣舞を披露。

「レッツ、ロック、ベイビィ!」

ウシワカの言葉を合図に戦闘は始まった。

「先手を取らせてもらうよ!」

そう言ってアマ公に突っ込んでいったウシワカはピロウトークを横薙ぎに振った。

「キャン!?」

「アマ公!」

あの位置からでは当たらないのでは?と思われた攻撃はアマ公に当たる。
ピロウトークの範囲は意外に広いようだ。ビームっぽいし多少伸びるのかもしれん。

「くっそ!よくもアマ公を!」

ウシワカの後ろから剣を振るうもウシワカは飛び上がり回避して小刀をこちらに投げる。
俺は咄嗟に手に入れたばかりの渡り月を大きくしてガードする。
ほんとに盾になったよ。すげーな渡り月。

鏡に当たった小刀は跳ね返され明後日の方向に飛んでいったと思ったが急に方向を変え、ウシワカの手に戻っていった。

「何それ魔法?」

「ノー!」

そんなやり取りの中、アマ公はウシワカに鏡を振るう。
それをひらりとかわした後、俺が密かに近づき振るった刀もまたひらりとかわす。

「ええい!ひらひらとうっとおしい!」

攻撃が当たらぬ苛立ちから叫ぶ。

「そうだ!アマ公!新しく手に入れた勾玉を使ってみるのはどうでィ!」

「それだ!!アマ公!俺が抑える間に頼むぜ!」

「ワン!」

俺はウシワカに駆け出し袈裟斬りをする。
それもまたひらりとかわし小刀を投げようとするウシワカの前に鏡を大きくして視界を塞いだ。

「っな!?」

「新しい鏡の使い方だぁ!それ喰らえ!!」

視界が一瞬塞がれた事に驚いてウシワカに刀を振るう。
さすがに避けきれないと判断したウシワカはピロウトークで刀を防いだ。

その時。

「ワン!」

「おうっ!!」

アマ公の声が聞こえた瞬間、咄嗟に横に飛ぶ。

「へぶぶぶぶぶぶ!?」

その瞬間、ダダダダダダダ!と言う音と共に何かが高速でウシワカに飛んで行き、ウシワカは吹っ飛んだ。

何が飛んでったんだと思ってアマ公の方に向く。

「勾玉でィ!」

「勾玉ってマシンガンみたいな使い方なの!?この世界!!」

何その不思議設定。怖いんですけど……

「他にも使い方があるみたいだぜィ!アマ公!」

「ウォン!」

表武器に勾玉を装備したアマ公は起き上がろうとしていたウシワカに攻撃したと同時に捕縛した。

「あばばばばばばばば!?」

勾玉が光で繋がり鞭のようになったのだ。
しかもその光に触れてる間はダメージを受ける。
バチバチいってるし電気みたいだなこの光。

「さ、兄ちゃん!とどめだ!」

「お、おうよ!」

俺は鏡を表装備にしてウシワカを思いっきりぶん殴った。
ウシワカはそれで気絶し、戦いは俺達の勝利に終わった。



数分後。

「ひ、久しぶりにユーの力を味わったけど……もう十分だよ」

そら十分だろうな。

ウシワカはボロボロになっていた。
なんていうかね……勾玉が予想外に強力だったらしいんだわ。

「久しぶり?」

「……あれェ?アマ公、あいつと知り合いなのかァ……?」

その後、ウシワカは実は自分はこの辺りの怪現象を調べていたとか言い始めた。

簡単に言うと。

伝説の怪物ヤマタノオロチの呪いでタタリ場ができてるらしい。
ヤマタノオロチは名前を聞いただけでも心の弱い者は呪われるとか……怖いなそれ。

んで、ウシワカの警備していた祠にヤマタノオロチが封印されていたらしいんだが、誰かが封印に使っていた宝剣を引き抜いてしまいオロチが復活、ここら一体呪われたんだと。

ウシワカが留守の時を狙ってやったらしい。
警備がザルすぎたんじゃね?と思ったが封印に使われていた宝剣は誰にも抜けない物だったらしい。

「……どうやらミーの予知を超える運命の動きがありそうだよ」

へー、ウシワカって予知できたんかーと思いつつウシワカを見てると振り返ったウシワカがこけた。

隣を見るとアマ公が熟睡してた。
可愛いなぁもう!

あ、こら!イッスンなに小突いてんの!アマ公嫌がってるだろ!

ん?なんか話が進んで?……っは!?こ、これはアマ公の魔力!?

「ボケてる時間はないぜィ……兄ちゃん」

「すまんかった」

「……話しても大丈夫かな?」

「「どうぞどうぞ」」

話を戻さなきゃな。

「こほん……正直な話、今戦ってみて分かったんだけど。アマテラス君と……」

「俺の名前は……教えたくないなぁ……」

「どうしたんでィ兄ちゃん。いつもは景気良く教えてるのに」

「いや、だってさ……変態に名前を覚えられたくな「に、兄ちゃんそれはなしでィ!もうこれ以上遅れらんないてェ!!」えー、でもー」

「ほら、泣きそうにしてるだろォ?教えてやれよォ……」

「仕方ない……一回だからな?一回しか名乗らないからな?……俺の名前は白渡久桜!久しい桜と書いてくおうだ!!」

「久桜……よし、覚えた……モフリストに……」

何かをメモり始めたウシワカ。心なしか息遣いが荒い。

「うわーん!!だから変態に教えるのは嫌だったんだーーー!!!」

「に、兄ちゃん落ち着けェ!?」



数分後。
テイク3……

「正直な話、今戦ってみて分かったんだけど。アマテラス君と久桜君、二人合わせてこの力とはがっかりしたよ」

「んだとこらぁ!」

「久桜君は知らないが、アマテラス君は昔、ヤマタノオロチと大立ち回りを演じたのかもしれないけど……そんな過去の栄光に慢心してボンヤリしてたもんだから……今はもうスッカリ衰えちゃってるんじゃないの?」

「この野郎言わせておけばァ……」

電光丸を抜くイッスン。
俺も手を貸すぜ!

スラリと刀を抜いてにじり寄る。

「そ、そうそう!ミーには未来を予知する力があるんだけど、ユーたちに一つ予言の言葉をプレゼントするよ。……スリル満点丸太でゴー!……それがユーたちの未来のキーワードさ!」

ウシワカはそう言って忙しいからと飛び去って行った。
っち!逃げやがった!



んあ?もうかなり時間経ってんじゃねーか!?
今日はここで終いだ!

今回の次回予告ぅぅぅぅ!!

釣りする少年と遺跡!と時々くまさん!

はい終了!

んじゃまたな!









 
 

 
後書き
ウシワカの言葉遣いが分からない。
というかウシワカがすごくかわいそうな扱いに……どうしよ、これ……

後、戦闘描写は苦手です。
勾玉も勝手に強化しちゃったし。勾玉、好きだよ?撃つ方が。……まあ神器はどれも好きですが。

次回は釣りをする少年の話?+くまー。
遺跡編の始まりですね。

ではこの辺で。 
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