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新機動戦記ガンダムW -星間戦争記-

作者:ax
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紅い星と蒼い星 ~宇宙合戦編~

 
前書き
ど~も。axですぅ。
「新機動戦記ガンダムW ‐星間戦争記‐ 紅い星と蒼い星 ~宇宙合戦編~」(←長っw)ということでぇ~どうか最後まで読みにくい文を我慢して読んでくださいましw 

 
OZ火星軍は順調に進んでいた。特に目立ったトラブルもなく。
火星、地球、両艦隊は星間移動民間シャトルや資源衛星などの被害を最小限にするために遠回りの進路をとっていた。予測接触ポイントまであと火星時間で106時間。まだまだ余裕があるのでクルーたちはMSの整備や艦体のシステムメンテナンスなど、合戦に備え自分のやるべき仕事をこなしていた。
「はぁ…」
シャワー室でため息をもらしたのはエルヴである。
ビクトゥーリアの内部には人工重力が発生していて、地球でいう月くらいの重力がある。
エルヴは嫌な予感を感じ取ったが、星間移動にかかる時間を考えると、さすがに地球軍が来たわけではないと判断し、自分の時間を満喫していた。
が、その時。艦内をゴォォォという轟音と共に大きな揺れが襲った。
エルヴの予感が的中したのである。
「当艦左艦体群消滅!!」
「左翼大破!!」
「人工重力コントロールシステム、ダウン!!」
「敵レーダーで捉えられません!!」
ブリッジに報告が嵐のように飛び交った。
「総員、第一種戦闘配置!!敵を捉え次第砲撃開始!!」
キッドが報告の嵐をかき消し、命令を下した。
「総員、第一種戦闘配置!繰り返す。第一種戦闘配置!」
艦内にアナウンスが響いた。
「敵、メインカメラで捉えました!最大望遠で出します!!」
その報告と同時にブリッジのスクリーンに3隻の戦艦が映し出された。
「全艦、砲撃開始!!MSを展開するまで持ちこたえろ!!」
キッドはすかさず命令を下した。
命令が下った直後、エルヴがバスローブ姿で格納庫にあるウィングMに乗り込んだ。
「と、特尉!!ノーマルスーツを…」
「着替えてる時間は無い!!」
エルヴは管制官の声をさえぎり早々と通信を切った。
「システムオールグリーン、進路確認、発進準備完了!」
エルヴは発進準備状況を確認すると大きく深呼吸した。
「エルヴ・マカロス、ウィングガンダムM…発進!!」
掛け声と同時にバード形態(高速移動形態)のウィングMが滑走路から飛び出していった。その後ろから直後に出撃したエピオンⅡがワイバーン形態で飛んできた。
「サユイラ!私たちで敵MS部隊に穴を開けるわよ!!」
「最大出力でいくぞ!!」
そう通信を交わし、2機は無数の光の中に飛んでいった。
数秒後、光は爆風に変わり、敵MSは次々と爆発していった。その爆風の中に戦闘形態のエピオンⅡとウィングMがいた。
エピオンⅡの両手にはバスターライフル、ウィングMの右手にはメガビームキャノンが装備されていた。
「射撃装備のエピオンも悪くないな…」
そうサユイラがつぶやいていると、敵マゼラス部隊が2機を包囲する形で展開していった。
「囲まれたわね…」
マゼラスが砲撃の構えをとると、2機は背中を合わせ、エピオンⅡはバスターライフルを合体させたツインバスターライフルを、ウィングMはリミッターをはずしたメガビームキャノンを、それぞれ前に突き出し、強力なビームを放った。
「エルヴ!!」
「えぇ!!」
二人は呼び合うと、機体を操作し、回転させていった。極太のビームは周囲のマゼラスの砲撃をもかき消し、展開した部隊を破壊していった。
爆風は1つのリングのようになった。
「サユイラ!右のMS部隊をお願い」
「了解した!」
2機はそれぞれの目標のほうへ飛んでいった。
その光景を遠くで見ていた機体があった。その背中には大きなバーニアが2つ、両肩には大型のドーパーガン…ミルキーウェイである。
そのコックピットには金髪で口元を黒い布で隠している青年が乗っていた。
「さすがはガンダム、こうでなければな…」
青年はモニターに映ったエピオンⅡを見つめながらつぶやいた。
「存分に戦おう…兄さん」
何かに語りかけるように言うとミルキーウェイのバーニアを点火させた。数秒の間をおいて、ミルキーウェイは弾かれたようにエピオンⅡの方へ飛んでいった。行く手をふさぐ火星軍のMS『マーザス』を次々と破壊していく。
「邪魔だ!どけ!」
マーザスの砲撃をもろともせずに突っ込んでいく。
と、レーダーが反応した。
「見つけたぞ…ガンダム!!」
ミルキーウェイはエピオンⅡを捉えるとバーニアの出力を最大にし、真っ直ぐ飛んでいった。
エピオンⅡがマゼラスを破壊しているとレーダーが反応した。それと同時、いや、若干早くコックピット内を衝撃が襲った。ミルキーウェイが体当たりしたのだ。
「グッ…レーダーの反応が追いつかないだと!?」
エピオンⅡはすぐさま体勢を立て直し背中に格納してあったビームソードを構えた。ミルキーウェイも身を翻し、肩から2本のビームサーベルで斬りかかった。サユイラはビームソードでそれを受け止めた。
「兄さんは何処だ」
ミルキーウェイから接触回線で通信が入った。その声は淡々としていて、感情のかけらも感じられなかった。
「貴様は…?」
「俺の名はフアラ…」
「フアラ!?」
「あぁ…兄さんは何処だ」
ビームサーベルとビームソードでぶつかり合う2機のパワーはほぼ互角で、互いに1歩も退かない。
数秒の沈黙の後、フアラは再度、今度は力強く言った。
「サユイラ・ウィンクラフトは何処だ!!」
「フアラ!!」
サユイラはフアラの名を聞いてからもしやと思っていたが、今ので確信した。
「サユイラ・ウィンクラフトは、ここにいる!!!」
サユイラが答えたと同時に2機は互いの力に弾かれた。
フアラは動揺し、ミルキーウェイを動かさずに立ちすくんでいた。
「兄さんが…ガンダムに!?」
動揺していたせいか、フアラはミルキーウェイの右腕が斬られたことに気付かなかった。
「右腕破損!?いつのまに!?」
「甘いな…」
サユイラはネオ・バルジでマゼラスを迎撃した時と同じ目になった。すると、ミルキーウェイのコックピットの半球型のレーダーに文字が表示された。
<ZERO‐system>
するとフアラもサユイラと同じ目になった。
「ゼロ…俺を導いてくれ」
ミルキーウェイとエピオンⅡ、2機のシステムが互いを読み合った結果、2機とも同時に動きだした。何度もぶつかっては離れ、複雑な動きをしながら戦場を駆け抜けた。斬りあっている間にエピオンⅡは右足と左腕を斬られていた。
「そうだ…そうでなければ面白くない!」
サユイラはそうつぶやき、ミルキーウェイに斬りかかろうとグリップを倒した。しかし、エピオンⅡは動かなかった。
「どうしたエピオン!なぜ動かん!!」
エピオンⅡは両手両足をアンカーで拘束され、粒子フィールドの中に閉じ込められていた。
「兄さん、俺たちの目的は、最初からガンダムとそのパイロットだ」
「…これで終わりか…エルヴ」
サユイラが諦めかけてグリップから手を放そうとしたその時。
「サユイラ!!まだ終わらんよ!!」
コックピット内にキッドの声が響いた。
フアラは異変に気付きビクトゥーリアの方を向いた。
「何!?」
ビクトゥーリアの胴が上下二つに分かれ、バーニアが下方向に伸びた。
「戦艦が…変形している!?」
ビクトゥーリアはその姿を変え、人型になった。
「これがビクトゥーリアの真の姿…イブリース!!」
キッドはつぶやき、手元のレバーを引いた。
「変形完了!」
「イブリースの操縦を艦長に譲渡します」
管制官がそう告げるとキッドは目をつぶった。
「リンクスタート」
モニターに蛇と人が紐でつながっていくような表示がでた。キッドは眼帯を取り、目を開いた。その右目は白と黒が逆転していて、血の涙が流れていた。
「シンクロ率46.3%!」
「ロックオールグリーン!」
「神経接続完了!いけます!!」
報告を確認するとキッドは肘を引き、胸を張った。するとそれに連動してイブリースの同じ格好をした。
「主砲準備!」
キッドのコールにクルーたちは忙しく作業した。イブリースの胸部の主砲が伸び、エネルギーを充填しはじめた。
「システム正常、エネルギー充填120%!!」
メカニックからの報告を確認しキッドはコールした。
「サハクィエル発射!!」
雄たけびと共にイブリースの胸部から紅いエネルギーの束が発射された。
「クッ…」
フアラは危険を察知してサユイラをおいてその場から離れた。直後、サハクィエルが戦場の多くのMSを貫いてエピオンⅡが閉じ込められている粒子フィールドに直撃した。すると、粒子フィールドは砕け散り、アンカーも消失した。
「主砲命中」
「レーダーダウン!」
「人工重力コントロールシステム回復」
「敵艦体から入伝、『紅いガンダムは諦める。しかし、蒼いガンダムとパイロットの女は頂く』です!」
「レーダー回復!サユイラ特尉のエピオンⅡ健在です!!」
クルーたちの報告が飛び交ったがいつも対応が早いキッドからの返事がない
「艦長、ご命令を…」
1人のクルーがキッドの方を向いた。そのクルーは目を丸くした。キッドは立ったまま死んでいた。
「艦長ォォ!!!」


 
 

 
後書き
-予告-
サハクィエルに生命を込め死んだキッド・ビクトリア
帰艦したサユイラはキッドの死と相棒を奪われたことを知る
一方地球に監禁されるエルヴはヒイロ・ユイの正体を知る
火星から駆け付けたOZ総帥ミシェルはビクトゥーリアの艦長として戦場へ
発動されるエルヴ救出作戦
動き出す新たなガンダム
終局にむかうのは戦争か、人類か…
次回:勝利と平和
蒼い星の中、紅い翼で(はばた)け!エピオン!! 
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