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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第七十七話 操者の弱点その十四

「だから俺もなんだ」
「というか若し虎太郎さんがいなければどうなっていたんだろうな」
 一夏はその時のことを思い浮かべて呟いた。
「何か不安になってきたな」
「生きていなかったのではないのか?」  
 箒も一夏と同じことを思った。
「本気で心配になる」
「というかアパートを追い出されてです」
 千冬はこのことから剣崎に問う。
「それからどうされるおつもりだったのですか?」
「いや、急だったからな」
 剣崎は大家の顔を思い出しながら答える。
「もうどうしようかなってな」
「考えられなかったのですか」
「そうだったんだよ」
 こう言うのだった。
「というかボードの研修が終わってすぐだったからな」
「その間家賃を振り込んでなかったんですか?」
 真耶がそのことを問う。
「それは」
「いや、忘れてたんだよ」
「それで戻って来たらですか」
「ああ、正式に仮面ライダーになってな」
 それでその時にだというのだ。
「部屋にやっと帰られるって思った矢先な」
「追い出されたんですね」
「酷い話だと」
「というか家賃を振り込んでおけばよかったと思いますが」
 千冬は内心呆れながらこう剣崎に言った。
「それは思わなかったんですか」
「後になって気付いたんだよ」
 研修前ではなかったのだ、気付いたのは。
「それで今はちゃんとアパート借りてるからさ」
「仮面ライダーがアパートですか」
 ふとこのことに言ったのは楯無だった。
「所帯しみていませんか?それは」
「いや、それでも生活があるからさ」
 それでだというのだ。
「俺だって部屋が必要だろ?」
「それはそうですが」
「他のライダーだって居候したりしてるよ」
 城戸や秋山のことだ。
「こいつだってそうだしさ」
「俺もそうだ」
 相川もここで言う。
「居候だ」
「俺の姉ちゃんのところにさ」
 ここでまた虎太郎が出て来た。
「居候してるんだよ」
「俺の仕事は喫茶店のウェイターとカメラマンだ」
「というか仕事もあるんですか」
「仮面ライダーも」
「俺達は職業になっているがな」
 橘もこのことを話す。
「表向きは防衛省の職員としてな」
「それでお給料貰って」
「そのうえで」
「それで生活をしている」
 そうだというのだ。
「給料はいい」
「前のボードの時はあまりなかったけれどな」
 剣崎はその給料の話もした。
「しかも天王路が送金止めて残り二十七円って時もあったよ」
「本当に生活臭凄いですね」
 一夏は給料の話を聞いてあらためて言った。
「仮面ライダーの人達って」
「いや、俺達は特別だから」
「特にこの人達はな」
 志村と禍木が唸る様になっている一夏に説明する。
「橘さんと剣崎さんはかなり変わってるから」
「特別だと思ってくれ」
「そうですよね、やっぱり」
 一夏も二人の話を聞いて納得する。
「幾ら何でも」
「そう、仮面ライダーっていっても色々なのはわかってね」
 ここで言ったのは三輪だった、語る顔も真剣だ。 
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