DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 一~四章
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四章 モンバーバラの兄弟
4-17オレたちの旅はこれからだ
追手を警戒して変装し、老人から託された乗船券を使い、エンドール行きの船に乗る。
甲板に佇み、想いを巡らす。
果たせなかった、仇討ち。
新たな、巨大な敵。
家族も同然に過ごした、父の弟子。
故郷を逃げだす、自分たち。
「……わかってたんだ。今の僕たちでは、勝てないことは。」
「ああ」
「だけど、オーリンさんを。犠牲にするつもりなんか、無かった。」
「そうと決まったわけじゃねえ」
「僕たちは」
「オレたちは、絶対に生き延びるんだ。親父の仇を討ち、オーリンの想いを果たすのは。オレたちしか、いねえんだ。」
「……そうだね。嫌な役目をやらせて、ごめん。」
「いいってことよ。お前は真面目だからな、こういうのはオレに任せときゃいいんだよ。ま、オーリンもしぶといからな。生きてりゃそのうち、会うこともあんだろ」
「そうだね」
「一回負けても、生き延びて最後に勝ちゃいいんだからな」
「そうだね。導かれ、やがて大きな力となる、か。」
「ああ、あれな。オレたちの旅はこれからだ、とか言ったか。なげえ前座だな」
「そうだね。僕たちの旅は、これから始まるんだ。」
打ち拉がれた、兄弟の。
父を亡くした、姉弟の。
恋に破れた、若者の。
様々な人々の、様々な想いを乗せて、船は往く。
まだ見ぬ国へ、まだ見ぬ明日へ。
彼らの旅は、これからだ。
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