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ヘタリア大帝国

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TURN64 バルバロッサ作戦その三

「それでだけれど」
「うん、ちょっと今俺達大変だから」
「今そっちに行くから」 
 プロイセン妹もイタリア達には優しい。実際に優しい笑みでこう言う。
「イタちゃん達は少しだけ頑張って」
「うん、じゃあ頼むよ」
 こうしてイタリア達はプロイセン妹の援護を受けながら戦場を離脱した。今回は武力偵察だったのでこれで済んだ。だがこの話を聞いたドイツは本国で呆れることしきりだった。
 それでうんざりとした感じの顔でこうグレシアに漏らした。
「困った奴だ」
「イタちゃんのことね」
「そうだ。相変わらず弱過ぎる」
「そう?イタちゃん達も結構頑張ってるじゃない」
 グレシアはにこにことしてドイツに答える。
「だからプロイセンさん達もいつもフォローしてるのよ」
「あれで頑張っているのか」
「イタちゃん達なりにね」
 あくまで彼等なりに、だった。
「何とかしようってしてるじゃない」
「すぐに逃げ出して泣き叫んで白旗を振るのにな」
「それでもよ」
 イタリア達も彼等なりに頑張っているというのだ。
「必死にね」
「そうなのだろうか」
「確かに見張りはいい加減で兵器も弱くてシェスタばかりして美味しい御飯とワインと女の子のことばかり考えてるけれどね」 
 つまり戦争のことはあまり考えていない。
「それでもよ」
「悪い奴ではないか」
「何処か悪いところがあるかしら」
 グレシアは微笑んでドイツに問い返した。
「祖国さんも嫌いじゃないから助けるのでしょ」
「確かに。それは」
 ドイツもこのことは否定出来ない。
「嫌いではない」
「そうね。だからよね」
「あの連中がいないと寂しい」
 イタリアもロマーノも妹達もだ。
「あちらの統領もな」
「そうそう、ムッチリーニさんもいい人なのよ」
 グレシアは彼女も好きだった。
「あの人なりに頑張ってくれてるしね」
「何故かイタリンは皆嫌いではないな」
「連合国側もね」
「イタリア達は何があっても大丈夫か」
「あれで結構危うい状況は避けてるからね」
 イタリン流の処世術である。
「だからね」
「そういうことか」
「そうよ。それでだけれど」
 グレシアは話が一段落したところでドイツに話を切り出した。
「今からね」
「あの作戦のことか」
「そろそろはじまるわよ」
 微笑んではいるがそこに真剣なもののある顔だった。
「我が国の命運をかけた戦いがね」
「これまで以上に」
「ポッポーランド戦も北欧戦もオフランス戦もね」
「これから起こる作戦に比べればだな」
「そうよ。小規模の作戦よ」
 それに過ぎないというのだ。
「東方の生存圏を手に入れる為の戦いだから」
「ドクツの生存圏を決める戦いか」
「そうよ。それがはじまるのよ」
「壮大な作戦だな」
 ドイツもこのことを強く感じていた。
「そして必ず勝つ」
「その作戦会議に今から行きましょう」
「わかった。それではだ」
 ドイツはグレシアの言葉に頷き宣伝省から総統官邸に赴いた。二人が会議室に入ると続いて他の面々が入って来た。見れば北アフリカに行っている面子以外のドクツの提督、国家の全てだった。
 オーストリアがドイツに対して言う。 
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