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ヘタリア大帝国

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TURN64 バルバロッサ作戦その二

「我が国だけで闘うしかありませんので」
「このスエズでも劣勢です」
 これが現実だった。イギリス妹は沈痛な顔で述べた。
「この有様では」
「防衛だけで手が一杯です」
「本国でもそれは同じです」
「これではどうにもなりません」
「両国の戦いへの介入もできませんね」
 要するにドクツを攻撃することが出来ないというのだ。これが現実だった。
 イギリス妹は顔を曇らせて言ったのである。
「何も出来ません」
「残念なことです」
「ソビエトは勝てるでしょうか」
 イギリス妹はモンゴメリーに問うた。
「果たして」
「敗れる可能性が高いです」
 モンゴメリーはそう見ていた。
「ドクツ軍は数では劣っていますが」
「その装備、戦略は」
「ソビエト軍を凌駕しています」 
 その質は彼等もよくわかっていた、何しろ今も戦いかなりの損害を出し続けているからである。
 だからだ。モンゴメリーはこう言ったのである。
「そうしたことを考慮しますと」
「敗れますか」
「その通りです」
「そうですか。そしてその力で」
「再びドクツはアシカ作戦を発動します」
 あのエイリスを追い詰めたその作戦をだというのだ。
「そうなれば」
「今度は生き残れませんね」
「ソビエトには勝ってもらいたいのですが」
 これがモンゴメリーの本音だった。しかしそれでもだった。
 彼等にはその戦いに介入する戦力がなかった、今のエイリスにはその力がなかったのである。
 そして今もだった。彼等の耳に警報の音が鳴った。
「来ましたぞ」
「はい」
 二人の顔が引き締まった。
「それではです」
「また迎撃ですね」
「イタリア君達ならいいのですが」
 モンゴメリーはイタリア達にはこれといって敵愾心はなくむしろ親しみを感じていたので君付けにしているのだ。
「ですがドクツ軍なら」
「手強いですね」
「はい、その通りです」
「気をつけて行きましょう」
 ドクツ軍ならというのだ。そうした話をして。
 彼等は出撃し戦う、幸い相手はイタリン軍でどうということはなかった。
 モンゴメリーが少し攻撃を加えると彼等は一目散に逃げだした。
「だ、駄目だブーーー!」
「モンゴメリーが来たブーーー!」
「あいつが来たら勝てないブよーーー!」
「強過ぎるブーーー!」
「な、何でまた出て来たんだよ!?」
 指揮官であるイタリアもこんな調子だ。
「モンゴメリーって今お茶の時間だったんじゃないの!?」
「ちょっと、何でそうなるのよ」 
 モニターからプロイセン妹が突っ込みを入れる。
「イタちゃん、今二時よ」
「あっ、そうだtったんだ」
「お茶の時間は三時、覚えておいてね」
「ううん、俺いつもこの時間は寝てるから」
 シェスタである。今は無理をして起きてスエズを攻撃したのだ。
 イタリアは左手の人差し指を己の顎に当てて述べた。
「だからね」
「それでなのね」
「御免、イギリス達のお茶の時間間違えてたよ」
「そこんところしっかりとね」
 プロイセン妹は笑ってイタリアに告げた。 
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