戦国御伽草子
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壱ノ巻
幕間
壱
前書き
★本編のシリアスがかけらもありません
★ふざけてます
★やりたいほーだいです
それでも宜しければ・・・
「戦国御伽草子」壱ノ巻撮影終了時の話。
「カーット!」
「お疲れ様でーす」
「お疲れ、速穂」
速穂が顔を上げれば目の前にはタオルを持った瑠螺蔚がにっこりと笑顔で立っていた。
「あぁ・・・ありがとう」
速穂はありがたく受け取って、軽く笑い返す。
「瑠螺蔚さん!」
「あら高彬、お疲れ様。あんた今日撮映あったっけ?」
「ないよ!僕は速穂の話だと出番は皆無だからね!」
「いばんな」
「そんなことよりなんで幕間が速穂から始まるのさ!」
「『戦国御伽草子・壱ノ巻』が速穂のシーンで終わったからよ」
「ぐ・・もっともな・・・だけど!普通ははじめての幕間なんだから僕と瑠螺蔚さんのツーショットから始まるべきじゃないの??なのに何が悲しくて速穂と瑠螺蔚さんのいい雰囲気から始まらなきゃいけないのさ!」
「まあ、人気の差?」
「ーーーーーーーーー(ガーン)」
「それくらいにしてあげてください」
「あら鷹男、お疲れ様。あんたも撮影ないでしょ?」
「今日は壱ノ巻が終わった打ち上げで呼び出されたんですよ。高彬も」
「るらいおねーちゃーん」
「おねーちゃん」
走ってくる小さい塊を二つ瑠螺蔚は抱きとめた。途端に高彬が声を上げる。
「ずるい!」
「・・・・・高彬・・・」
高彬を見てあきれた声を出す鷹男。
「ちびるらいとたかあきら。おつかれさま。あんた達も打ち上げ行くの?」
「七時までだったらいるー」
「いこーおねーちゃん」
「いこー」
「ちょ、いくから!行くからあんま引っ張んないで!あたしまだ着物のまま・・・!!」
「では、改めまして」
「「「「おつかれさまーーーー」」」」」
カチン、カチンとグラスとグラスの鳴る音が響く。
「で、瑠螺蔚さんは着物のままなんだ」
「ったくうっさいわね。ちびるらいとたかあきらが引っ張るから着替える暇なかったのよ」
正座した瑠螺蔚の膝の上にちびるらいとたかあきらがちょこんと片方ずつ乗っている。
「姫、それでは足が痺れるのでは?ちびたかあきら、こっちにくるか?」
苦笑した鷹男が横から声をかける。
ちびたかあきらはそんな鷹男をちらりと横目で見てからぎゅうっと瑠螺蔚の袖を掴んだ。
「私は嫌われてしまったようですね。悲しいな」
「あんたを嫌ってるわけじゃないわ。誰に対してもこうなのよ。離れないの。しょうがないわ。この子達可愛いから別に文句ないし」
そういって瑠螺蔚は二人の髪を優しく撫でた。
「姫はいい母親になりますね」
「なれたらいいわね」
ちなみに会話に入れない高彬はいい雰囲気の二人をじとーっとみながら一人飲んでいる。まことに寂しい。
「なれますよ姫なら。でも疲れたらいってくださいね。着物なのですから。慣れていないでしょう」
「あ、それは大丈夫よ。私戦伽の前も時代劇モノやってて着物よく着てたから」
「ああ。桜の・・・私も出ましたね」
「ま、でもこんな話してもこれを見てくださってる人にはてんでわからない話よね。50まいがこの戦伽の更に前に書いた話だから。でも懐かしいわー長門ながととか」
「呼んだか?」
「キャーーーーッ!!!!な、長門!?うそっ!?」
何処から出てきたのか、長門は高彬と瑠螺蔚の間に割り込んだ。
「久しぶりだな楓」
「うわーほんと久しぶり!!あー懐かしいわー」
もう忘れたので(いえ、本当に昔に書いたやつなんです)長門の外見の描写は避けますが、小麦色の肌に背中半ばまでの長髪、だったような・・・・。
「そういえば戦国御伽草子弐巻の撮影もう来週から始まるんだってな。聞いたぞ」
長門が笑って瑠螺蔚の肩を叩いた。
「・・・・・・・・は?なに?・・・・・聞いてないんだけど?え、来週って?今日金曜よね?だって台本も貰ってないわよ?・・・・・・・・嘘でしょ?」
嫌な予感がして瑠螺蔚は隣の鷹男を見た。
「わ、私は渡しましたよ、姫。姫の撮りが入ってるときに、速穂に渡しておいてくれと」
瑠螺蔚の目の前にいた速穂は固まっている。
「・・・・・・速穂?」
「す、すまない瑠螺蔚!最近忙しくて、渡す暇が取れなくて、・・・すまない忘れていた!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・嘘でしょ?」
速穂は瑠螺蔚と目を合わせようとしない。瑠螺蔚はくらくらと眩暈がした。
だって、来週!まだ台本も貰ってないのに、来週!
「こーーーーーーなったらやけよ!ヤケ酒よっ!モチロン付き合うわよねぇ~は~や~ほォ~」
手元のコップをぐいっと一息に飲み干して瑠螺蔚はにやりと笑った。
「奢らせていただきます!」
「とぉ~~~~~ぜん!さーあんた達皆付き合いなさいよ!」
こうして、夜は更けていくのであった・・・・・。
さて戦国御伽草子巻ノ弐、舞う焔、錯綜する高彬の思い、瑠螺蔚の思い、そして露になる彼らの先の世。こうごきたいっ♪
後書き
これは弐ノ巻連載時に拍手にこっそり載せていたものでした。
それから「零ノ巻」という番外編集に移動させたのですが、その番外編集を作るかが未定なので本編にドッキングさせてしまいました。
すぐに消すかもしれません。
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