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ヘタリア大帝国

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TURN63 ドロシーの帰還その二

 それで来たコロニーは随分と僻地にあった。かなり古いタイプでアメリカは長門の艦橋からそのコロニーを見て言った。
「数百年前のものじゃないのか?」
「北米に植民が為されだしていた頃ですか」
「そうだな。その初期の頃のだな」
 その頃のコロニーだというのだ。
「まだこんなコロニーがあったんだな」
「そうですね。では今から」
「あのコロニーに入るある」
 中国も言ってそうしてだった。長門はまずはコロニーに入った。
 コロニーの港もかなり寂れている、入港しているのは長門だけだった。
 東郷は港に降り立ってから中国に尋ねた。港のあらゆる場所が錆びている。
「ここに華僑の人達が来ているんだな」
「大体年に一回あるな」
「それで商売をしているんだな」
「いるのはネイティブの人達ばかりある」
 だから白人の女はかなり目立つというのだ。
「いる集落の場所も教えてもらったあるよ」
「その商人の方は今何処におられますか?」
「カナダの僕の別荘に帰ったある」
 つまり中華街にだというのだ。こう秋山に答える。
「そこで普通の商売をしているある」
「そうですか」
「その集落の場所も聞いているある」
 コロニーの中のそこもだというのだ。
「では向かうあるよ」
「いや、中国がいてくれて何よりだ」
 アメリカは彼がいてくれていることにかなり感謝していた。
「お陰ですぐに行けるぞ」
「そうですね。流石は中国さんです」
 日本も素直に中国に感謝の言葉を述べる。
「思ったより遥かに楽に来られています」
「何、大したことではないあるよ」
 そうは良いながらも誇らしげな中国だった。
「では行くある」
「よし、それじゃあな」
 こうした話をして東郷達はその集落まで来た。五人が来るとまずは大柄でダークブラウンの肌に黒い髪と目の精悍な顔立ちの男が出て来た。
 身体つきもたくましい。彼は東郷達の顔を見るとすぐにこう言ってきた。
「誰だ、アメリカさんの他は知らない」
「はい、日本といいます」
「中国あるよ」 
 まずは二人が名乗る。
「宜しくお願いします」
「そういうことある」
「日本に中国」
 男は二人の名乗りを受けてこうも言った。
「確かアジアの方の国」
「そうです」
 日本は男にその通りだと答える。
「そこから来ました」
「遠いところから来たな。それに」
 男は東郷と秋山も見て言った。
「日本とやらと同じ軍服。あんた達は」
「ああ、日本海軍の者だ」
「同じくです」
「日本さんのか」
「そうだ。それでだが」
「俺はブラックホーク」
 彼は自ら名乗った。
「宜しくな」
「そうか。ブラックホークか」
「そうだ。それで何の用だ」
「ここに一人白人の女の子が来ているな」
「ドロシーのことか」
 そのものずばりだった。
「ドロシーがどうした」
「僕の国の人間なんだ」
 アメリカはすぐにブラックホークに答える。 
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