スーパーロボット大戦パーフェクト 完結篇
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第百二十八話 最後の戦いへ
第百二十八話 最後の戦いへ
全員だ。ブリーフィグルームに集っていた。
その場でだ。まずはタシロが言う。
「では諸君」
「はい」
「それじゃあですね」
「そうだ。まずはバッフクランとの戦いも終わった」
タシロが最初に言うのはこのことだった。
「そのことをまずは喜ぼう」
「それで、ですよね」
「今から俺達は」
「いよいよですね」
「宇宙怪獣と」
「間も無く銀河中心部に到達する」
そここそがだった。
「宇宙怪獣達の巣だ」
「それで艦長」
ユングがタシロに問う。
「宇宙怪獣の動きは」
「現在は沈黙を保っている」
タシロはすぐに答えた。
「不気味なまでにな」
「嵐の前の静けさか」
「それだとな」
「ああ、間違いない」
「それはな」
「しかもだ」
今度は副長が話す。
「奴等はバスターマシン三号の存在にも気付いているだろう」
「そういえば連中は」
タリアが怪訝な顔で話す。
「思考というものはあるのかしら」
「わかりませんな。ただ」
「ただ?」
「本能でしょうが」
バルトフェルドはこう前置きしてからタリアに話した。
「自分達の敵は認識してますね」
「敵は」
「ええ。バッフクランとの戦いでもそうでしたし」
その時の彼等の動きからだ。バルトフェルドは話すのだった。
「我々を狙ってきましたから」
「アポカリュプシス」
「銀河再生を前にしての全生命体の消去」
「アカシックレコードによって定められたもの」
「それが運命か」
「けれど我々は」
それでもだった。彼等は既に答えを出していた。
「それに屈してはならないな」
「ああ、絶対に」
「イデの導きを戦い抜いてきたんだ」
「バッフクランとの戦いも」
先の戦いのこともここで話される。
「それならな」
「何があってもな」
「俺達は生き残るんだ」
「絶対に」
「その通りだ」
タシロも言うのだった。
「何者かの意志が我々を失敗作と決め付け」
「この宇宙から消去しようとするならですよね」
「それなら俺達は」
「その意志に対して」
「何があっても」
こう話していく。彼等も。
「命賭けで戦う」
「例え相手が神でも」
「それでも!」
「人類、いや」
ここでまた言うタシロだった。
「先史文明から続く歴史はだ」
「そうですね」
副長もタシロのその言葉に応えて言う。
「明日という日の為にあったと言っても」
「過言ではない」
そうだというのだ。
「だからだ」
「この銀河で俺達が」
「生きる権利を勝ち取る為の戦い」
「その闘いには」
「負ける訳にもいかないんだ」
「絶対に」
「では諸君」
ここでまたこう言うタシロだった。
「明日決戦になる」
「わかりました」
「じゃあ今は」
「食べて飲んでくれ」
それで英気を養えというのだ。
「寿司に西瓜だ」
「それと酒もある」
「勝利の女神は君達に微笑む」
「絶対にだ」
「いや、そんな小さなことは言わないでおきましょう」
シュウがここで言った。
「微笑みではなくです」
「微笑みではなく」
「というと」
「大笑いさせましょう」
こうだ。シュウは微笑んで言うのだった。
「勝利の女神を」
「言ったな。手前はそのつもりなんだな」
「その通りですよ、マサキ」
シュウはその微笑みでマサキにも話した。
「少なくとも貴方のサイバスターと私のネオ=グランゾンがいますから」
「奴等に勝てるっていうのかよ」
「四機の魔装機神に十二の魔装機」
「そしてヴァルシオーネだな」
「これだけ揃っていてしかも銀河最強の戦士達が集っているのです」
「なら勝てるか」
「最強の戦士、それは」
何かシュウは話した。
「それは自分の運命に勝つ者です」
「運命、か」
「私達はこれまで私達で自分達の運命を切り開いてきました」
「だからか。俺達は」
「はい、最強の戦士です」
運命を切り開いてきたから。だからだというのだ。
「その私達ならばです」
「宇宙怪獣にも勝てるんだな」
「その先にあるものにも」
シュウはふとこう言った。
「必ず」
「?先にあるもの?」
「何ニャ、それは」
クロとシロが最初にその言葉に気付いた。
「戦いは宇宙怪獣で終わりニャ」
「何だよ、それじゃあ」
「いえ、何も」
ここでも言わないシュウだった。
「それでは皆さん」
「ああ、寿司に西瓜だな」
「他にもありますので」
見ればだ。様々な料理がもう用意されていた。酒もある。
そうしたものをだ。ロンド=ベルの戦士達は食べはじめるのだった。その中でだ。
リュウセイがだ。こうノリコに話していた。
「何ていうか色々あって」
「ここまで来たわね」
「俺最初はただの高校生だったんだよ」
自分のことをだ。河童巻きを食べながら話す彼だった。
「それが今じゃな」
「銀河の運命を賭けた戦いにだからね」
「凄い話だよな」
「そうよね。私だってね」
ノリコもだ。笑いながらトロを食べつつ話す。
「まさか。自分がこうなるなんて」
「運命ってわからないよな」
「そうね。本当にね」
「私は思ったわ」
カズミは微笑んでノリコに話してきた。
「ノリコならきっとね」
「きっと、ですか」
「素晴しい戦士になれるって思ったわ」
「そうだったんですか」
「天才とは何かよ」
こうノリコに話すのだった。
「九十九パーセントの努力と」
「一パーセントの閃きですね」
「ノリコには閃きがあったから」
最初にだ。それがあったというのだ。
「後は九十九パーセントの努力だけだったのよ」
「努力だったんですね」
「そしてその努力をする才能」
カズミはこの才能についても言及した。
「ノリコにはそれも備わっていたから」
「だから私は」
「ここまでなれたのよ」
「努力する才能ですか」
「そういえばノリコって明るいけれど」
アヤがここでこんなことを言う。
「苦労されてる感じがするのよね」
「そうですか?」
「アイドルから転身したみたいな」
そうした感じだというのだ。
「そこから這い上がってきた感じがします」
「そういえばカズミさんもだな」
ライはカズミについて話した。
「何か。アイドルから復活した様な」
「あら、じゃあ私はノリコと同じなのね」
「というか境遇似てません?」
リュウセイは真顔でカズミに尋ねた。
「それに前から思ってましたけれど」
「前からっていうと?」
「カズミさんってうちのお袋に雰囲気がそっくりで」
まずはリュウセイの母からだった。
「クロにもニナさんにもマリーメイアにもそっくりだし」
「私にも似てるわね」
ラーダも出て来て言う。
「それとタチアナやミスティにも」
「他には八卦衆のシ=アエンにもそっくりですよ」
リュウセイは彼女の名前も出した。
「いや、俺もロックオンとかクルツとかナンガさんに似てるって言われますけれどね」
「ちょっと。多過ぎじゃないかしら」
アヤも言う。
「ユングもそうだけれど」
「私もね。よく言われるわ」
ユングは笑って応えた。
「クェスにチャムにリリスにレッシィにヒギンズにね」
「滅茶苦茶多いな」
マイも驚くことだった。
「私もいるが」
「ああ、カトル君ね」
ノリコがすぐに突っ込みを入れる。
「確かにそっくりなのよね」
「ひょっとしてカズミさんそういう人ばかりじゃないんですか?」
リュウセイは真顔でカズミに問うた。
「この部隊だけでも」
「お陰で寂しいと思ったことはないわ」
そのことをはっきりと認める発言だった。
「有り難いことよ」
「っていうかカズミさんって何か」
「貫禄もあるな」
マイとアヤの言葉だ。
「ノリコもだけれど」
「妙な強さがある」
「アイドルは強いのよ」
「身体が資本だから」
今度はこんなことを言う二人だった。
「風邪もひいていられないし」
「色気がなくてもやっていかないといけないし」
「色気、ね」
クリスはノリコの今の言葉についつい笑ってこんなことを言う。
「そういえばノリコってタスク君が可愛くない色気がないって言葉言ったら怒るわよね」
「何か無意識のうちに」
怒るというのだ。
「そうなるのよね」
「不思議だよな」
リュウセイはそんなノリコに真顔で話した。
「ノリコって充分可愛いのにな」
「そんな、お世辞はいいわよ」
「お世辞じゃなくてさ。カズミさんは美人だしさ」
「あら、私もなの」
「まあノリコは可愛くないなんてことはないさ」
それは否定するリュウセイだった。
「絶対にな」
「けれどそれで反応するのよね」
アヤが首を捻りながら話す。
「不思議といえば不思議よね」
「何でなんだろうな」
それがどうしてもわからないという感じのリュウセイだった。
「本当にな」
「そういうアヤ大尉は」
ライはアヤを見ながら話した。
「大きくなったり小さくなったりしませんか?」
「ええと、先生になってよね」
「はい、あちらの世界では」
そうではないかというのだ。
「違いますか」
「そうかも。心当たりがあるわ」
「というか心当たりだらけね」
カズミが笑いながら話す。
「二分の一の世界にもね」
「私はその世界は知らないわね」
ユングはその横で首を捻っていた。
「ノリコやカズミには縁があるようだけれど」
「ユングさんは五つ星だよな」
リュウセイはそのユングにこんなことを話した。
「どっちかっていうと」
「そうね。そちらね」
「そういえばあの世界は」
今度はマイが話す。
「ペンタゴナにも似ているわね」
「そうそう。そっくりなのよ」
その通りだとだ。ユングもマイに話す。
「あれでね。かなりね」
「不思議な話ね。どうもね」
「考えてみればね」
そうした話をしてであった。彼等は寿司に酒、西瓜等を食べていた。
その中ではだ。相変わらずの面々もいた。
「御前俺の西瓜取ったろ!」
「これは私の西瓜だ!」
シンとカガリは今度は西瓜を巡って喧嘩をしていた。既に取っ組み合いになっている。
そのうえでだ。シンはこんなことを言うのだった。
「お姫様なんだから西瓜位何時でも食えるだろ!」
「それは御前もだろうが!」
「俺が何時でも西瓜を食えるってのか!」
「そうだ、食えるだろう西瓜は!」
「ああ、それが悪いか!」
開き直るシンだった。
「西瓜位プラントでも何時でも食えるさ!」
「ならどうして西瓜にこだわる!」
「西瓜が大好物だからだ!」
だからだというのだ。
「だから俺は!」
「それは私の西瓜だ!」
「いいた、俺のだ!」
無益な戦いが続く。その中でだ。
シンはだ。西瓜をカガリからひったくった。そうしてだ。
そのまま貪る。それに負けじとだ。
カガリも別の西瓜を強奪してだ。そうして彼女も喰らうのだった。
互いに西瓜を喰らいながらだ。シンはカガリに言った。
「御前この戦いが終わったらな」
「何だ?」
「やっぱりあれだよな」
こうカガリに言うのである。
「お姫様に戻るんだよな」
「オーブのだな」
「やっぱりそうだよな」
またカガリに言う。
「オーブにな」
「そうだ。おそらく落ち着いたら即位する」
「何時までも国家元首不在じゃまずいからね」
ユウナが出て来た。
「今のところは代理だけれど。落ち着いたら本当にね」
「そうか。カガリがオーブの女王になるんだな」
「そして首相はこいつだ」
ユウナを指差して言うカガリだった。
「それももう決まっている」
「というかもう首相なんだけれど」
ユウナは自分でこう話した。
「軍じゃ国防相と参謀総長もやってね」
「そして首相、外相、内相、蔵相だったな」
「あと商務相もやってるよ」
「つまりオーブを一人で取り仕切ってるんだな」
シンはカガリとユウナの話を聞いて述べた。
「何かえげつないな」
「まあ慣れたけれどね」
その多忙にだというのだ。
「今じゃどうということはないよ」
「まあユウナさんがいたらカガリでもいけるな」
シンは言いながらカガリを見た。
「こいつでもな」
「おい、それはどういう意味だ」
「言ったままだよ」
「言ったままか」
「そうだよ。まあ御前は動かない方がいいな」
西瓜を食べながら話すシンだった。
「女王らしく王座に座っていればいいんだよ」
「政治は首相の僕がやるからね」
また言うユウナだった。
「だからカガリはね」
「国家元首としてか」
「うん、安心して象徴として活躍して」
そうしてくれというのだ。
「それでいいからね」
「象徴か」
「生活自体が仕事になります」
「その様になります」
ここでトダカとキサカもカガリに話す。
「ですから。既に夫となられる方もです」
「決めていますのね」
「おい、それはまさか」
話を聞いてだ。すぐに言うカガリだった。
「あれか。アスランか」
「後は本人を強制的にオーブに連れ込むだけだね」
普段とはうって変わって物騒なことを言うユウナだった。
「さて、プラントとも話をしようか」
「随分酷いことするな」
「いやいや、もうこっちも必死なんだよ」
ユウナは平然とシンに返す。
「国家元首の伴侶は国家に不可欠だからね」
「既に婚姻届も用意しております」
「後はアスランさんのサインだけです」
また言うトダカとキサカだった。同意が必要とは一言も言っていない。
「サインされれば」
「そう、あらゆる手段を使っても」
「何ていうかね」
「オーブも必死ね」
ルナマリアもメイリンもそんなオーブの面々を見て戦慄を覚えている。
「というか意地でもアスランをなのね」
「オーブに連れ込むのね」
「そうだよ。そのつもりだよ」
実際にそうするというユウナであった。
「だから。国家元首の伴侶は不可欠だから」
「既に経済協力の約束は取り付けています」
「そちらは万全です」
トダカとキサカは政治にも関わっているのだった。
「アズラエル財団、そしてドクーガの方々です」
「喜んで約束してくれました」
「そっちの方が重要なんじゃないの?」
「ひょっとして」
また言うルナマリアとメイリンだった。
「そっちは簡単に話がついて」
「カガリの方はなのね」
「いやあ、こっちも困ってるんだよ」
本気で困った顔で腕を組んで言うユウナだった。
「カガリだよ。そう簡単に来てくれる人いないからね」
「いつも思うが本人を前に滅茶苦茶言ってくれるな」
「頭が痛い話だよ」
まだ言うユウナだった、
「まあそれでも。希望はあるからね」
「希望は掴み取るものです」
「何があろうとも」
トダカとキサカの目は完全に座っている。
「では。この戦いの後は」
「早速動きましょう」
「作戦名は何にしようかな」
ユウナはすっかり乗り気である。
「バルバロッサにしようかな」
「パグラチオンではどうでしょうか」
「それともオーバーロードで」
「こりゃアスランも大変だな」
そんな彼等を見て呟くシンだった。
「そのうち頭がマジで禿げるな」
「真剣に育毛が必要かもね」
「そうかも」
ルナマリアとメイリンもこんなことを話す。
「まだ十代なのに」
「それでも禿げるのね。アスランって」
「十代でも禿げる場合は禿げる」
レイは恐ろしい現実を言葉に出した。
「二十六でもうきているケースもある」
「怖いな、そりゃ」
話を聞いて本気で言うシンだった。
「髪の毛の話はな」
「しかしその話もね」
ここでこんなことを言うユウナだった。
「生き残ってからだからね」
「そうだよな。じゃあまずは絶対に生き残るか」
シンの目が鋭くなった。
「それで俺はステラとな」
「一緒になるんだな」
「ああ、そのつもりさ」
笑顔でカガリにも話すシンだった。
「今から楽しみだぜ」
「では生き残るとしよう」
レイがシンに言う。
「幸せの為にもな」
「幸せの為に生き残るんだな」
「幸せは生き残ってこそだ」
こう話すレイだった。
「だからだ」
「そうか。それじゃあな」
「生き残ろう」
「ああ、わかったぜ」
笑顔で応えるシンだった。彼もまた最後の戦いに赴く心構えをしていた。
コンバトラーチームもだった。彼等も彼等で話をしていた。
「色々あったわ」
「そうたいな」
大作が十三の言葉に頷いていた。
「生きるか死ぬかの戦いばかりだったたい」
「ほんま何度死ぬかって思うたか」
こんな話をするのである。
「そんなんばっかりやったで」
「そうですね」
小介も二人のその言葉に頷いて言う。
「これまで僕達が生き残れたのは」
「皆がいたからよね」
「はい、僕達だけだとです」
こうちずるにも話すのだった。
「やはり。今頃はです」
「死んでたわよね」
「残念ですが」
その通りだとだ。小介はまたちずるに話す。
「あれだけの激しい戦いが続いていましたから」
「そうだよな。コンバトラーだけだとな」
豹馬もここで言う。
「無理だったな」
「敵があまりにも強過ぎました」
それはどうしてか。小介がまた話す。
「しかも多かったですから」
「そうだな。それができたのはな」
「はい、皆さんがいてくれたからこそ」
「そして俺達が五人だったからだな」
「若し僕達が五人でなかったら」
「負けてたな」
「はい、死んでいました」
小介の言葉はシビアだった。
「間違いなくです」
「それを思うとよかったわね」
ちずるも言う。
「私達が五人で。それで皆がいてくれて」
「そうしてですね」
「私にとってはね」
豹馬も見てだ。そのうえでの言葉だった。
「やっぱりね」
「何だ?どうしたんだよ」
「ううん、何ていうかね」
言葉がだ。口ごもったものになっていた。
「あれなのよ」
「あれって何だよ」
「だから。ねえ豹馬」
彼にだ。直接言うのだった。
「この戦いが終わったらね」
「この戦いが?」
「そうよ。あんたがよかったらだけれど」
そんなちずるをだ。仲間達はだ。
彼女の横から後ろからだ。必死に応援して言っていた。
「ちずるさん、そのままだ」
「もう一気にいっちゃって」
「そこでもう言えばね」
「ちずるさんの勝ちだから」
だがちずるの耳には入らない。彼女は必死だった。
その必死なままだ。豹馬にさらに言うのである。
「二人で」
「二人で?」
「テーマパークでも行かない?」
必死の努力でだ。ここまで言った。
「テーマパークにね。どう?」
「ああ、テーマパークな」
「そうよ。どうかしら」
「それじゃあな」
豹馬の返答はというとであった。
静かにだ。こう返してきた。
「行くか」
「それ本当よね」
「あれ、俺と行きたいんだよな」
全く気付いていない口調だがそれでも言った彼だった。
「そうだよな」
「そうよ。あんたさえよかったらだけれど」
「じゃあ行こうな。戦いの後でな」
「約束よ」
ちずるは必死の顔で念押しをしてきた。
「絶対にだからね」
「わかってるって。けれどな」
「けれど。何よ」
「何かちずる今滅茶苦茶必死じゃないか?」
怪訝になっている顔が何よりの証拠だった。
「何でそうなってるんだよ」
「そ、それは」
「何でか訳わからないけれどな」
こう言うとだった。マサキも唖然だった。
「あれで気付かない奴いるのかよ」
「うわ、マサキまで言うのね」
「これは凄いわね」
レトラーデもミスティも唖然である。
「豹馬って本当に」
「難攻不落なのね」
「けれど。まあこれでいいだろう」
霧生はかなり妥協している。
「デート自体はいいって言ったんだからな」
「滅茶苦茶妥協していないか?」
突込みを入れたのは柿崎だった。
「それって」
「しかし仕方がない」
金竜も妥協している。
「相手が相手だ」
「何かちずるさんって可哀想よね」
ミレーヌは完全にちずる寄りである。
「あんなに努力してるのに」
「ううん、要塞だよなあ」
「全くだな」
フィジカとドッカーはこんなことを言った。
「豹馬の場合は」
「そう簡単に陥落はしないからな」
「それでもハッピーエンドよ」
アスカもいつもの歯切れはない。
「ちずるさんにはよかったじゃない」
「アスカちゃん納得してます?」
「そう言われると」
グレースにも弱い言葉で返す。
「してないけれど」
「やっぱりそうですよねえ」
「まあそれでもこれからだから」
アスカもだ。やはり妥協であった。
「仕方ないってことでね」
「何か皆あれこれ話してるな」
豹馬の方が先に気付いた。こうしたことには鋭い。
「一体どうしたんだ?」
「別に」
「何でもないから」
「気にしないで」
こう返す彼等だった。
「とにかく。戦争が終わったらよ」
「二人共仲良くね」
「戦争の後にはね」
「ああ、わかってるさ」
わかっていなかった。
「これからもコンバトラーチームは楽しくやっていくからな」
「豹馬、その時やけれどな」
「よかとね?」
「お話したいことがあります」
十三に大作、小介もちずるの援護に回った。そのうえでの豹馬への言葉だった。
「わい等は三人で楽しくやるわ」
「映画館に行かせてもらうたい」
「ですからお二人で」
「何だよ。つれないな」
彼等の言葉にだ。豹馬は困った顔になる。
「こういうのは皆で行くのがいいんだろ?それでどうしてなんだよ」
「ええ加減殴った方がいいか?」
京四郎は刀に手をかけている。
「柄で済ませるからな」
「っていうか何処まで鈍感なのよ」
ナナもだ。完全に呆れている。
「十三さん達も気を利かせてくれてるのに」
「それがわからないんだな」
一矢も困った顔になっている。
「本当に豹馬は豹馬だな」
「こりゃちずるさんこれからも大変だな」
弾児も当然ちずる派だった。
「一体何時になるやら」
「全くだぜ」
盾人も言う。
「先が思いやられるよな」
「ここまで鈍感だった奴は知らない」
宇宙を駆け巡ったガストンですらだった。
「見たこともない」
「皆何で騒いでるかわからないけれどな」
どこまでもわかっていない本人である。
「とにかくだよ。戦いが終わったらな」
「絶対に行けよ、遊園地」
「いいな、行けよ」
「約束したろ、今」
「約束は守れよ」
皆豹馬に詰め寄らんばかりである。
「言ったからにはな」
「ちずるさんと二人でな」
「絶対に行くんだぞ」
「わかってるでしょうね」
「皆何で怒ってるかわからねえけれどな」
豹馬は首を捻りながら話す。
「じゃあちずる、絶対に行こうな」
「ええ、それじゃあね」
二人の話はこれで終わりだった。何はともあれちずるはデートまで話をこぎつけたのだった。そうしてだ。
「さて、いよいよだな」
「最後の戦いだな」
ウーヒェイがデュオに話す。
「宇宙怪獣とのな」
「そうだな。本当に最後だよな」
「ここまでくれば生きるしかない」
「そうですね」
カトルがトロワのその言葉に頷いて言う。
「何としても勝って」
「辛い戦いになるがな」
「それでもね」
ノインとヒルデもここで話す。
「我々は生きなければならない」
「絶対に」
「我々への審判はだ」
ミリアルドはアポカリュプシスを意識して話す。
「自分自身だけだ」
「だからだな」
「力の限り戦うんですね、僕達は」
トロワとカトルはここでまた言う。
「俺達の力で」
「生き抜くんですね」
「そうなる。戦いはいよいよ最後だ」
ミリアルドは腕を組み真剣な顔で話す。
「最後の正念場だ」
「いや、それはな」
「どうだろうか」
デュオとウーヒェイはここでこう言うのだった。
「何だかんだで最後じゃないんじゃないのか?」
「戦いは」
「そうだな」
ミリアルドもだ。彼等の言葉を受けてだ。
その顔のままでだ。こう言うのであった。
「アポカリュプシスの決着がつこうともだな」
「確かにな。戦いはだ」
「消えませんね」
トロワもカトルもだった。こう考えたのだった。
「人の歴史においてはだ」
「まだ続きますね」
「そういうことさ。結局人間はな」
「戦いからは離れられない」
デュオとウーヒェイはここでもこう話した。
「だから最後じゃない」
「今の戦いにしてもだ」
「人間の欲望は消えない」
ヒイロの言葉だ。
「それならばだ」
「因果なものですね」
ここまで聞いてだ。ジョルジュが言った。
「それが人間ですか」
「そして時にはだ」
ヒイロはさらに言う。
「俺達は人間だ」
「だからこそ迷い」
アルゴが言ってきた。
「そして誤ることもあるな」
「その通りだ」
「何かそれじゃあ」
アレンビーはそのヒイロに言った。
「同じことの繰り返しってこと?」
「そうだよね。ヒイロの話だと」
「そうなるよな」
サイシーとヂボデーも言う。
「けれどそれでも違うって感じだし」
「どういうことなんだろうな」
「ワルツだ」
ここでヒイロは言った。
「この世はワルツだからだ」
「ワルツ!?」
「ワルツっていうと」
「回りながらも先に進んでいく」
それでだ。ワルツだというのだ。
「そういうものだからだ」
「少しずつ平和に近付いていく」
「そういうことか」
「エンドレスワルツだ」
こんなことも言うヒイロだった。
「それが平和への道だ」
「少しずつ。迷いながらも」
「それでもだな」
「そうだ」
こうデュオとウーヒェイにも話す。
「回りながら進んでいくものだ」
「そうだな」
ヒイロのその言葉に頷いたのはミリアルドだった。
「それが人間の世界だな」
「俺はリリーナがいる限り」
どうかとだ。ヒイロはさらに言うのだった。
「戦う」
「それではだ」
「僕達も」
トロワとカトルが言う。
「戦おう」
「最後の最後まで」
ミレーヌはバサラ達と共にいた。その場においてだった。
「あたしって気付いたらだったのよ」
「あれだったな」
「はい、捨て子で」
こうガルドに話す。
「気付いたら僕の妹夫婦に拾われてたんです」
「そうなんですよね」
マックスの言葉に続いて言う。
「奇妙なことに」
「それにしちゃあれなんじゃないのか?」
イサムがミレーヌに言ってきた。
「ミリアに似過ぎてるだろ」
「似てます?」
「雰囲気がどっか似てるんだよ」
そうだというのである。
「妙にな」
「そうなんですか」
「まさかと思うが」
レイがここでこんなことを言う。
「トカマクの様にだ」
「トカマクさんみたいに?」
「未来か何処かで生まれたマックスとミレーヌの娘の一人で」
「それで何かの弾みでっていうのね」
「この世界に来たのか」
これがレイの仮説だった。
「そうではないのか」
「まさか。そんな」
「何ならDNAの鑑定をしてみましょうか」
マックスは冗談半分でこんなことを言った。
「今なら一瞬でできますし」
「そうね。面白そうね」
ミリアも冗談半分で乗った。
「それならね」
「やってみます?」
ミレーヌも何だかんだで乗った。
「それじゃあ」
「よし、それではだ」
レイも言ってだ。こうしてだった。
その鑑定が行われた。その結果だった。驚くべきことにだ。
ミレーヌはだ。二人の娘だった。この展開にだ。誰もが唖然となった。
「嘘・・・・・・」
「本当の親子だったって」
「じゃあやっぱりミレーヌは」
「未来から来た!?」
「そうなの?」
「若しくは他の並行世界から?」
「そうなの?」
皆唖然としながら言う。
「ええと、どうなってるんだ?」
「何か話がさっぱりわからないけれど」
「未来にいる筈のミレーヌがここに?」
「ここにいるって」
「まさかこれも」
「次元の歪みの影響なんでしょうね」
フィオナが言った。
「これもね」
「っていうかじゃあ未来のそのミレーヌがこっちにいるってことは」
ラウルも首を捻りながら言う。
「向こうのミレーヌが消えてだよな」
「ええと、何がもう何だか」
「つまり未来のマックスさん達はミレーヌさんを失ってしまった」
「そうなるの?」
ティス、ラリアー、デスピニスにも全くわからなかった。
「滅茶苦茶な状況だけれど」
「ううん、一体どういうことなんだ」
「幾ら歪みって言っても」
「難しい話だな」
アクセルにも事情はわからない。
「何がどうなっているのか俺にもわからない」
「全くね。けれどよ」
「けれど?」
「親子なのはわかったわね」
セニアはあえて簡単にこう話した。
「それはよかったじゃない」
「つまりあれね」
ウェンディはわかりやすく話した。
「時空の歪みでミレーヌちゃんはそのままこっちに来たのよ」
「本来なら過去に」
「そう、それでお父さんとお母さんに早く出会えたのよ」
こうミレーヌ本人に話すのである。
「そうなったのよ」
「じゃあ特に驚いたりすることは」
「ないわ。だって親子は親子だから」
「そうだな。それはもうわかった」
「ミレーヌは私達の娘なのね」
マックスとミリアは微笑んでいた。
「ならミレーヌ」
「これからはあらためて」
「うん。パパ、ママ」
満面の笑顔でだ。二人をはじめてこう呼びだ。
抱き締め合うのだった。思わぬ、だが感動の出会いであった。
そしてだ。バサラだった。派手にギターをかき鳴らし叫ぶのだった。
「よし!ミレーヌの親子の再会もあったしな!」
「それじゃあなんだな」
「ここでもやっぱりか」
「歌うんだな」
「ああ、歌うぜ!」
まさにそうするとだ。バサラは言ってだ。
そのうえでギターを鳴らす。そうして言う言葉は。
「俺の歌を聴けーーーーーーーーーっ!」
「待って、私もよ!」
「参加させて下さい!」
シェリルとランカも来た。
「これが最後の最後の戦いなら!」
「その前に!」
「宇宙怪獣が何だってんだ!」
こうまで言うバサラだった。
「あんな連中歌の前には何ともねえぜ!」
「こう言い切れるのがなあ」
「バサラだからな」
「けれどこいつの力もあったから」
「ここまで来れたんだよな」
皆これまでのバサラのことを思い出しながら話す。
「横紙破りでな」
「常識に全然捉われないしな」
「それでいつも突き破ってきて」
「そんな奴だから」
「これまでも」
「なら俺達もな」
「そうだな」
誰もがここで一つになったのだった。そうしてであった。
彼等は一つになってだ。歌うのだった。
「よし、俺達もだ!」
「歌うか!」
「飲んで食ってばかりじゃ何だしな!」
「それだったらな!」
「わしも歌おうか!」
タシロも名乗り出た。
「では帝国海軍軍歌!同期の桜だ!」
「よし艦長!ジョイントだ!」
バサラもそれに乗った。
「心ゆくまでな!」
「うむ、歌おう!」
こうしてだった。彼等は英気を充分に養うのだった。その彼等の前にだ。
翌日にはもうだった。宇宙怪獣の大群が迫ってきていた。その数は。
「五十億です」
「五十億か」
「はい、それが第一陣です」
副長がこうタシロに話す。
「とりあえずはです」
「とりあえずで五十億か」
その数を聞いてだ。タシロはこう言うのだった。
「いきなりという感じだな」
「ですが」
「わかっている」
腕を組んで毅然とした言葉だった。
「まずはその五十億をだ」
「退けてですね」
「このまま進む」
まさにだ。そうするというのだ。
「わかったな。それではだ」
「はい、それでは」
「全軍戦闘用意!」
こう命じるのであった。
「まずはこの戦いに勝つ!そしてだ!」
「最終的な勝利を!」
「銀河の為に!」
全員すぐに各機に乗り込みだ。そうしてであった。
彼等はその五十億の大群に向かおうとする。そこにだ。
いきなりだ。その大群にだ。二つの彗星が炸裂した。
彗星達は宇宙怪獣達を薙ぎ倒していきだ。やがて止まった。そしてこう言うのであった。
「ふはははははははははは!未熟、未熟!」
「宇宙怪獣といえどこの程度!」
マスターアジアとシュバルツだった。彼等が戦場に出て来たのだ。
彼等は宇宙空間においてだ。高らかにこう言うのであった。
「ロンド=ベルの戦士達よ!」
「助太刀させてもらおう!」
「師匠!兄さん!」
ドモンがその彼等に対して叫ぶ。
「来てくれたのか!」
「うむ、ドモンよ!」
「我等も戦わせてもらおう!」
こう返す彼等だった。
「我等もこの銀河の為!」
「今この命を賭けよう!」
「有り難い、それならだ!」
ドモンはその彼等に応えて言う。
「俺も!二人と共に!」
「あのね、それはいいんだけれどね」
アスカがここで言うのであった。
「毎回毎回ね」
「どうしたの、アスカ」
「あのね、見なさいよ」
こうシンジにも言うのだった。
「ほら、あの人達」
「うん、生身で宇宙空間にいるよね」
「しかも素手で宇宙怪獣を倒したのよ!」
「今ので百万の宇宙怪獣が減ったわ」
マヤが報告してきた。
「二人の蹴りでね」
「・・・・・・最後の最後でどんな怪奇現象起こしてるのよ」
アスカが言うのも無理はなかった。
「あの変態爺さんと妖怪忍者は」
「まあ敵は倒してくれたからいいんじゃないの?」
シンジは冷静なままである。
「味方になってくれるし」
「敵だったら洒落になってないわよ」
こんなことも言うアスカだった。
「この状況であの変態二人も敵なんて」
「アスカって最後の最後まであの人達苦手なんだね」
「得意だって人いるの?」
「綾波がそうじゃない」
「ここで来られるなんて」
レイは頬を赤らめさせてマスターアジアを見ていた。そのうえでの言葉だった。
「素敵にも程があるわ」
「ほら、ああ言ってるし」
「綾波の趣味はおかしいのよ」
アスカは断言だった。
「絶対にね」
「そうか?」
トウジがそのアスカに言う。
「俺はええと思うで」
「それはあんたがあれだからよ」
「あれって何や」
「ドモンさんにそっくりだからよ」
それでだというのだ。
「だからよ。あんたはそう思えるのよ」
「ここでもそれかい」
「何度でも言うわよ。とにかく綾波の趣味はね」
「あかんねんな」
「もう何から何までおかしいわ」
そうだというのである。
「全くね」
「けれど。あれだよ」
ここでこう言うシンジだった。
「あの人達が来てくれたのは」
「それはわかってるわ」
冷静に話すアスカだった。そのことはだった。
「もうね」
「そうだね。それじゃあ」
「ええ、共闘よ」
アスカはまた言った。
「あの人達とね」
「うむ、誇り高き戦士達よ!」
「我等も共に戦おう!」
マスターとシュバルツも言ってきた。
「今こそここでだ!」
「熱き魂を交えさせる!」
「さあ来るのだ我が盟友よ!」
「私の前に!」
そして。何処からともなくだ。
マスターガンダムとガンダムシュピーゲルが姿を現してだった。
二人はそれに乗り込み。何処からか声がした。
「ガンダムファイト!!」
「レエエエエエエエデエエエエエエエイ!!」
「ゴオオオオオオオオッ!!」
大爆発が起こり二人が身構えだ。二機のガンダムが戦場を舞う。
彼等の戦いによりだ。宇宙怪獣の大群は。
その数を次々に減らしていく。一秒ごとに無数の宇宙怪獣達が滅びる。
それを見てだ。タシロが言う。
「諸君、今だ!」
「はい、今ですよね!」
「ここで!」
「全軍突撃だ!」
そうするというのだった。
「いいな。今こそ勝機だ!」
「わかってます!」
「それなら!」
「ここから一歩も引いてはならない!」
タシロは強い声でこうも告げた。
「いいな、我等は前に進むのみ!」
「了解!」
「それなら!」
「全砲門開け!」
エクセリオンに指示を出した。
「前だ!とにかく前を狙え!」
「了解です!」
「では!」
こうしてだ。エクセリオンも攻撃を仕掛けだ。ロンド=ベルは全軍を挙げて宇宙怪獣の中に飛び込んだ。
四方八方敵しかいない。その中でだ。
「撃て!」
「狙いを定める必要はない!」
「とにかく撃て!」
「斬れ!」
「殴るんだ!」
こうしてだ。手当たり次第に攻撃を浴びせる。その中には。
ユングもいた。彼女もマシンを動かし叫ぶ。
「ジャコビニ流星アターーーーーーーック!」
その攻撃でだ。宇宙怪獣達を炎に変えていく。戦いはあまりにも激しい。
しかしロンド=ベルはだ。徐々にではあるが確実にだった。
彼等を押していた。とりわけだ。
マスターアジアとシュバルツがだ。縦横に暴れていた。
「この程度では!」
「銀河を破壊することなぞできん!」
こう叫びながらだ。宇宙怪獣達を粉砕していく。
そしてだ。マスターアジアは。
その手に力を帯びさせ。そのうえで。
「ダークネスフィンガーーーーーーーーーーッ!」
「シュツルム!ウント!ドランクゥッ!」
シュバルツもだ。嵐となりだ。
それぞれ合体型を葬る。一撃でだった。
大爆発を見てだ。ロンドべ=ベルの戦士達は言った。
「流石だな」
「前よりもずっと強くなってるよな」
「前も洒落にならない強さだったのに」
「今はもう」
「鬼神だな」
「ああ、尋常じゃない」
こう言う彼等だった。
「味方でよかったぜ」
「あの人達が今敵だったらな」
「想像するだけでも怖いな」
「全くだぜ」
彼等をしてだ。こう言わせるものだった。
そのうえでだ。彼等もだ。
宇宙怪獣達を倒していく。そうして遂にだった。
五十億の大群をだ。一匹残らずだった。
「敵、反応なくなりました!」
「そうか、やったか」
タシロは副長の話を聞いて言った。
「遂にだな」
「はい、やりました」
「最初の戦いは終わった」
こう言うタシロだった。
「だが。あくまで最初だ」
「まだまだこれからですね」
「我々の勝利はあくまでだ」
厳しい顔での言葉だった。
「敵を最後まで倒しだ」
「生き残ることですね」
「それまで勝利はない」
これがタシロの言葉だった。
「わかったな。それではだ」
「それではですか」
「全軍補給を受けだ」
そしてだというのだ。
「応急の整備を受けた後でだ」
「再びですね」
「全軍進む」
こう言うのである。
「わかったな。それではだ」
「では今よりですね」
「補給と整備」
「それを行いましょう」
こうしてだった。全軍補給と整備に取り掛かるのだった。
その中でだ。アレンビーが言うのだった。
「有り難い話よね」
「全くだ」
キメルが彼女の言葉に頷く。
「この方々が加わってくれたのはな」
「百人力ね」
「まさにその通りだ」
「そうですね。それにしても」
レインは常識から話した。
「よくここまで来られましたね」
「ふふふ、我等にとっては造作もないこと」
「ここまで来ることもな」
こう何でもないと返す二人だった。
「この銀河の危機ならばだ」
「戦いに加わるのは当然のこと」
「それでなんだ」
「来てくれたのか」
サイシーとヂボデーがそこまで聞いて言う。
「確かにそれは有り難いね」
「何しろ相手が相手だからな」
「貴方達が来て頂いたからには」
「希望が見えてきた」
ジョルジュとアルゴも言う。
「宜しく御願いします」
「これからもな」
「いや、希望というがだ」
「それは違う」
二人は希望についてだ。どうかというのだった。
「希望は最初からあるのだ」
「それは君達だ」
こう返す彼等だった。
「だからだ。希望が見えてきたのではなくだ」
「見えるようになったのだ」
「そうか。そうだな」
ドモンが二人のその言葉に頷く。
「最初から希望はある。それならだ!」
「左様、後はその希望を掴み取るのみ!」
「その手にだ!」
二人もドモンに続く。
「ではその希望に向かいだ!」
「進むのだ!」
「戦いも残り僅かだし」
レインもだ。希望から話した。
「それならね」
「希望に突き進む!」
ドモンもまた叫んだ。
「いいな、行くぞ!」
「うむ、行くぞドモン!」
「このままだ!」
こうした話をしてだ。そのうえでだった。
彼等はだ。さらに進むのだった。新たな戦士を加えだ。
その中でだ。シュウはチカにこんなことを話していた。
「さて、新たな戦士達が加わりましたが」
「それでもですね」
「宇宙怪獣達との戦いは問題ではありません」
こう言うのだった。
「問題はです」
「その後ですよね」
「はい、全ての世界を消そうとするあの彼とです」
「決着をつけますね」
「そうなります」
シュウはチカに話すのだった。
「そちらの方が大きいのです」
「これだけの戦いが序章なんですね」
「最後の戦いの序章です」
そうだとだ。シュウはチカに話すのである。
「それに過ぎないのです」
「あいつ、じゃあ宇宙怪獣達との戦いの後で」
「絶対に出て来ます」
「ですね。ここぞという時に」
「彼等も出て来ますよ」
シュウはさらに話すのだった。
「あの彼等も」
「ああ、そういえばいましたね」
「思い出されましたね」
「あの女とあいつですか」
「彼等も。まだ役割は残っていますから」
「役割って。そんなのあったんですか」
「はい、あるのです」
あるとだ。シュウはチカに話す。
「彼等にしてもです」
「嫌ですねえ」
シュウの話を聞いてチカはこんなことを言った。
「さっさとどっかで隠棲してればいいのに」
「ですが彼等はそうは思いません」
「あくまでやるんですね」
「はい、そうします」
「それじゃああいつとの最後の戦いの前に」
「彼等との戦いになります」
そうなるというのである。
「では。宜しいですね」
「ええ、わかってますから」
こうシュウに答えるチカだった。
「あたしもこうなったらとことんまで付き合いますよ」
「そうしてくれますか」
「だってあたしはですよ」
「貴女は?」
「ファミリアですから」
だからだというのだ。
「御主人様と何処までも一緒ですよ」
「有り難い。それでは」
「実際にですね」
チカはシュウにこうも話した。
「あたし御主人様好きですよ」
「ファミリアとしてでなくですね」
「ええ、御主人様って人間が好きなですよ」
そうだと話すのである。
「大好きですよ」
「大好きですか」
「はい、本当に」
「そうですね。私もです」
「御主人様もあたしをですか」
「嫌いではありません」
こうチカに言うのである。
「決して」
「それは何よりですよ。両想いってことですから」
「そうですね。それではです」
「先に進みましょう」
こうしてだった。彼等は再び戦いに向かう。宇宙怪獣達との最後の戦いはまだこれからだった。はじまりに過ぎなかったのである。
第百二十八話 完
2011・6・13
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