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スーパーロボット大戦パーフェクト 完結篇

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第百二話 合体ガビグラ

               第百二話 合体ガビグラ
 ロンド=ベルは再びバロータ星系に入った。するとだ。
 すぐにだ。敵の存在を確認したのだった。
「また随分と早いな」
「そうだな」
 ロウがエドの言葉に頷く。
「それだけ敵も必死ってことか?」
「予備戦力がもうないからな」
 そう察する彼等だった。
「じゃあ。ここはな」
「もう戦いだな」
 こんな話をしてだ。警戒態勢に入るのだった。
 その中でだ。イライジャが偵察から帰って来て話す。
「遭遇まで二時間だ」
「二時間か」
「少し時間があるな」
「敵はあの二人だ」
 まずはだ。彼等だというのだ。
「いつも美と言う奴と。でかいのだ」
「あの二人なあ。いつも来るな」
「プロトデビルンって二人だけか?」
「まさかな」
「他はシビルとかもいるけれど」
「今残っているのは二人だけか?」
「ひょっとして」
 こう話しているとだ。ここでだ。
 サンドマンがだ。彼等に話すのだった。
「いや、まだいる」
「あれっ、プロトデビルンってまだいるんですか」
「あの二人以外にも」
「そうなんですか」
「まずはだ。そのシビルだ」
 サンドマンは最初に彼女の名前を出した。
「それに前に戦った二人だ」
「ああ、ギギルにバルゴっていう」
「あの連中もですね」
「そういえば連中まだ生きてましたっけ」
「どっちも」
「後、連中のボスか」
 その存在についても話される。
「ゲペルニッチ」
「これで六人」
「いや、あの美野郎とでかいのは一心同体だから五人か」
「五人だけか?」
「私もそう思っていた」
 だが、だった。サンドマンはここでさらに話すのだった。
「彼等は五人とだ。しかしだ」
「しかしですか」
「まだいるんですか」
「連中は」
「はい、以前のラクスで手に入れた古文書の解読の結果ですが」
 エキセドルもそれを話す。
「プロトデビルンは七人いるとわかりました」
「じゃあ後二人?」
「二人いるんですか」
「まだ。他にも」
「はい、二人です」
 また言うエキセドルだった。
「二人いるのです」
「その二人が問題だよな」
「ああ、どういった奴かな」
「どうせとんでもない奴等だろうけれど」
「それでも」
「おそらくはです」
 エキセドルがここで彼等に話す。
「宇宙空間でそのまま行動できます」
「シビルと同じで」
「それが可能なんですね」
「後の二人も」
「そう思っておくべきです」
 エキセドルの言葉は学問的なものだった。
「それもまた」
「了解です」
「じゃあ。どんな奴が出て来てもですね」
「驚かないようにして」
「そうしますか」
「今は」
「はい、それではです」
 こう話している間にだった。既にだ。
 敵はそこまで来ていた。それを受けてだ。
「では今から」
「総員出撃か」
「いつも通り」
「ああ、行くぜ!」
 バサラはもう己のバルキリーに乗り込んでいた。勝手に出撃しようとさえしている。
「今からな!」
「っておい!勝手に出撃するな!」
「幾ら何でもそれは止めろ」
 すぐにダッカーと金竜がそのバサラを止める。
「とりあえず指示を待て」
「システムがオールグリーンになってからだ」
「俺は待つのが嫌いなんだけれどな」
「あの、バサラさん」
「それは幾ら何でも」
 美穂とサリーもこれには呆れる。
「少しだけですから」
「待っていて下さい」
「ああ、それじゃあな」
 バサラもそこまで言われてはだった。とりあえず落ち着いた。
 そしてそのうえでだった。彼は今は待つのだった。
 そしてだ。バサラの番はだ。
「では御願いします」
「どうしても行かれたいみたいですし」
 マクロス7からだ。最初に出ることになった。
「システムオールグリーンです」
「では熱気バサラさん、どうぞ」
「よし、行くぜ!」
 いつものテンションで出撃するバサラだった。
「俺の歌を聴けーーーーーーーーっ!」
「では次の方御願いします」
「順次出撃して下さい」
 こうしてだった。彼等は次々に出撃するのだった。
 全機出撃するとだった。もうそこにはだ。
 プロトデビルンの大軍が展開していた。そして。
「よし、また会ったな!」
「やっぱりなあ」
「あの連中かあ」
「一心同体コンビ」
「本当に元気だな」
「そう、再会美!」
 今度の美はこれだった。
「銀河で再会する。これもまた美!」
「いい加減強引になってきてるよな」
 サブロウタがこんなことをぼやいた。
「何でもかんでも美だからな」
「そうだな。自覚していないところがまただな」
 ダイゴウジも呆れている。
「俺もあそこまでは無理だ」
「しかもよ。あいつの声ってよ」
 リョーコが首を捻りながら話す。
「フィジカさんにも似てるしな」
「そうだ、それにだ」
 ノインもであった。
「あの声にだ。私は聞き覚えがある」
「だよな、あたしもだよ」
 リョーコはノインのその言葉に頷いた。
「桜の木がどうしたってな」
「その世界だったな」
「何かその世界ってね」
 エルもそれについて話す。
「私も妙に愛着あるけれど」
「何とか大戦か?」
「そうだったな」
「今度はそっちの世界なんですね」
 ヒカルが少し楽しそうに話す。
「何か私達って色々な世界に関係があるんですね」
「そう。私も」
 イズミもであった。
「世界は石灰では覆えない」
「おい、そこで石灰が出る意味がねえぞ」
 リョーコはいつも通りイズミに突っ込みを入れる。
「何でなんだよ」
「何となく」
「何となくでその強引な駄洒落かよ」
「石灰一」
「ああ、もうういいからな」
 このやり取りからであった。とりあえずだ。
 両軍は対峙に入った。するとすぐにだ。
 マックスがだ。フォッカーに尋ねた。
「少佐、ここは」
「そうだな。一気にいくべきだな」
「それでは反応弾をですね」
「ああ、全機いいな」
 バルキリーに乗っているパイロット達への言葉だった。
「最初から反応弾だ」
「それで吹き飛ばしますか」
「そうしますか」
「そうだ、一気にな」
 そうするというのだ。そしてだった。
 バルキリーだけでなく全機体でだ。一気に進むのだった。
「よし、今から!」
「この戦いは一気に終わらせるぜ!」
「そうするわ!」
「来たか」
 ガビルはその彼等を見てだ。まずは余裕だった。
 そのうえでだ。グラビルに顔を向けて言うのだった。
「ではグラビルよ」
「ガオオオオオン!」
「まずはいつも通りいくぞ」
 そしてだ。ここでもだった。
「普通美だ!」
「普通にも美があるんだ」
「そうみたいですね」
 ジュンがアキトの言葉に頷く。
「どうやら」
「何か色々な美があるんだな」
「ある意味凄いと思います」
 ルリでさえ認めることだった。
「純粋美はわかりますが」
「純粋美?」
「っていうと?」
「それは」
「一矢さんです」
 彼こそがだ。その純粋美だというのである。
「一矢さんこそが純粋美です」
「俺がか」
「はい、その御心がです」
 これまでの一矢を見ての言葉である。
「まさに。そうです」
「俺は別に」
「私がそう思っているだけですから」
 ルリは微笑んでだ。こう一矢に述べた。
「気にしないで下さい」
「そうか。それなら」
「はい、それでは皆さん」
 ルリがあらためて言う。
「このまま。一気に総攻撃に移りましょう」
「ありったけの攻撃で!」
「決めるか!」
 こうしてだった。彼等はプロトデビルンの大軍に突進してだ。
 そのうえでだ。最初からだった。
 派手に攻撃を仕掛ける。それでいきなり戦いの主導権を握った。
 ガビルとグラビルにもだ。攻撃が集中する。
「何か何度も顔を見合わせてるとなあ」
「妙に愛着もわくけれど」
「それはそれこれはこれよ!」
「覚悟しやがれ!」
「ふむ、見事な攻撃だ」
 ガビルはその豪雨の如き攻撃を避けながら言う。
「グラビルも攻撃を受けているな」
「ガオオオオオン!」
「このままでは危ういな」
 こう言うのであった。
「それではだ」
「それでは?」
「っていうと?」
「切り札でもあるのかよ」
「まさか」
「そう、ある」
 まさにあると答えるガビルだった。
「このガビルとグラビルはまさに一心同体」
「だからだってのか?」
「切り札があるってのかよ」
「そのデカブツと一緒に」
「じゃあ何なんだ、その切り札っていうのか」
「それはだ」
 ガビルもだ。いぶかしむ彼等に答える。
「今から見せよう」
「!?何だ!?」
「何だ、一体」
「何をするっていうんだ!?」
 見ればだ。彼等はだ。 
 接近し合いだ。合さった。そして。
 それぞれが一つになった巨大な姿になった。そしてだ。
 グラビルと一緒になったガビルがだ。こう言った。
「これこそ合体美!」
「いや、美はわかったからな」
「それで何だよ、それは」
「その巨大な姿はよ」
「何だっていうのよ」
「ガビグラ!」
 二人の名前が一つになったような名前であった。
「これが我等の名前!」
「ガビグラっていうのかよ」
「一つになったらその名前になるんだな」
「何か。別々になってるよりもな」
「強そうだし」
「ああ、実際にそうだな」
 ライトがここで言った。
「マギーちゃんに調べてもらったけれどな」
「ああ、それ使うの久し振りだな」
「そうだよな」
 ケーンとタップがそのライトに言う。
「敵を偵察するそれな」
「使うの本当に久し振りだよな」
「というか俺も最近使った記憶なかったな」
 ライト自身もそうなのだった。
「まず攻撃だったからな」
「慣れた相手ばかりだったしな」
「それもあったよな」
「そのせいだな。まあとにかくな」
 ライトは二人に応えながらあらためて話す。
「あの合体だけれどな」
「美野郎とデカブツな」
「その合体は」
「どんな奴なのよ」
「こんなのだよ」
 全員にデータを送る。するとだった。
 そのデータはだ。誰もが見て眉を顰めさせるものだった。
「強いな、これは」
「確かに。別々の時よりもずっと」
「厄介な相手になるな」
「そう簡単には勝てないか」
「みたいだな」
 こう話すのだった。それぞれ。
「折角敵の数を減らしたってのに」
「ここでこれは」
「辛いわね」
「こんなデカブツが出て来たか」
「かなり」
「いや、平気だぜ!」
 こう言ったのはバサラだった。
「こんなのな!全然な!」
「あのデカブツもかよ」
「ひょっとして歌で」
「何とかするって?」
「その通りだ!」
 ここでもだ。バサラはバサラだった。
「誰だろうがな!俺の歌でな!」
「そうか、そうだな」
 輝がだ。最初に頷いたのだった。
「例え相手が誰であろうとも。俺達は」
「諦めたらいけないってことだな」
 ヒビキも言う。
「つまりは」
「そうさ。じゃあバサラ」
「ああ、それでいいよな」
 バサラは今度は輝に対して述べた。
「一つになってもな!俺の歌で!」
「わかったわ。それじゃあね!」
 ミレーヌもだ。彼のところに来た。
 そしてレイもだ。ファイアーボンバーが揃ってだった。
「いいか!ここでもな!」
「あたし達の歌を聴けーーーーーーーーっ!」
「よかろう、では聴かせてもらおう!」
 そのガビグラも笑顔で彼等に応える。
「一つになった我々に!その音楽美!」
「ああ、行くぜ!」
「聴かせてあげるわよ!」
 こうしてだ。ファイアーボンバーとガビグラの戦いがはじまった。
 そしてだ。そのうえでだった。
 ガビグラが攻撃を仕掛ける。しかしだ。 
 バサラはそれをバルキリーを左に逸らさせてかわす。そしてだ。
 ギターを鳴らす。そのうえで歌だった。
「どうだ、これで!」
「おお、来るぞ!」
 ガビグラもだ。その歌を聴いて言う。
「これだ!これこそがだ!」
「何だってんだ!?言ってみな!」
「至高美!」
 それだというのである。
「最高の美、これこそがだ!」
「そうか、美だってんだな!」
「その通りだ!聴かせてもらおう!」
 これがガビグラの言葉だった。
「その至高の美を!」
「わかったわ、じゃあバサラ!」
 ミレーヌもだった。ベースを手に演奏する。
「あたしもとことんまでやるわよ!」
「音楽か、これこそは」
 ガビグラはその音楽を感じながら言った。
「我等を。若しや」
「どうやら予想通りだったみてえだな」
 バサラはだ。ここで楽しげに笑って言った。
「この連中もな」
「プロトデビルンも?」
「ああ、音楽がわかる!」
 こう言うのだった。
「俺の歌がな!わかるんだよ!」
「そういえばあのギギルだったかしら」
 ミレーヌが彼の名前を出した。
「あいつもそんなの言ってたわよね」
「そうだろ。プロトデビルンも人間もないんだ」
 こう言うのだった。
「誰だって音楽も歌もわかるんだよ!」
「それならまさか」
「ああ、そのまさかだ」
 また言うバサラだった。
「もっとな、歌ってやるぜ!」
「全く。いつもそうなんだから」
 こんなことを言いながらもだ。ミレーヌは笑顔だった。
 そしてその笑顔でだ。ベースを鳴らしだ。
「けれどそのバサラだからね。やっぱりね」
「歌うってんだな!俺と一緒に!」
「そうさせてもらうわ、とことんまでね!」
 こう話してだった。そうしてだ。
 彼等はガビグラにその音楽を聴かせる。するとだった。
 やがて彼はだ。満足した顔で話すのだった。
「素晴らしい。実にいい」
「満足したのか?」
「まさか」
「そうだ。満足美!」
 また話すバサラだった。
「熱気バサラよ。素晴らしい音楽だった」
「へっ、おめえもわかったみたいだな」
「そしてだ。我はこの音楽に魅了された」
 その満足している顔で話していく。
「今は退こう」
「そうするんだな」
「そうさせてもらう。それではだ」
 こうしてだった。彼はだ。
 二つに戻った。ガビルとグラビルにだ。
 そのうえでだ。ガビルがグラビルに告げた。
「ではグラビルよ」
「ガオオオン!」
「撤退するとしよう。最早戦う理由はない」
 こう己自身に言うのだった。
「それでは。今は去ろう」
「ガオオオン!」
「熱気バサラよ、また会おう!」
 バサラにも告げる。
「その音楽美、また聴かせてもらおう!」
「ああ、何時でも聴かせてやるぜ!」
 バサラも笑顔で彼に返す。
「思う存分な!」
「楽しみにしている。では撤退美だ!」
 こうしてだった。ガビルはグラビルと共にその場を後にするのだった。
 そしてそのうえで戦場を離脱してだった。後に残ったのはロンド=べルだけだった。
 その彼等がだ。話すのだった。
「しかし今は」
「どうする?」
「このまま進むしかないけれど」
「とりあえずかなりエネルギーも消費したし」
「弾薬もな」
「それだったら」
 いきなりの進撃はだ。どうかとなるのだた。
「じゃあ今はな」
「集結してそれで」
「補給を受けるか」
「そうするか」
「そうだ、そうする」
 ヘンケンもだ。それだというのだった。
「今ここで下手に進撃をしても危ういしな」
「そうですね。今は」
「下手に動けないですし」 
 ナタルとアドレアも艦長のその言葉に頷く。
「補給を受けてからでも遅くはありません」
「かえってエネルギーや弾薬がないとやばいですし」
「その通りだ。では全軍一旦集結だ」
 実際にこう言うヘンケンだった。
「わかったな。そして補給を受けてからだ」
「また進撃ですね」
「そうしますね」
「そうする。それではだ」
 こう話してだ。それでだった。
 ロンド=ベルは一旦集結してだ。そのうえで補給を受ける。それと共に休息も取る。その中でだ。
 シェリルがだ。こうランカに話していた。
「正直。あれで終わるとは思わなかったわね」
「バサラさんですか」
「ええ。あのでかいのに歌を聴かせてね」
「それで終わりでしたから」
「それは本当に予想してなかったわ」
 ランカに対して話す。
「正直。あたしでは無理だったわね」
「そうですね。それは私もです」
 ランカもだ。真剣な顔で話す。
「あんなことは。とても」
「バルキリーの操縦だけじゃなくて」
「あの音楽自体が」
「やっぱり。熱気バサラね」
 シェリルは真顔だ。口元には微笑みもある。
「凄いなんてものじゃないわ」
「そうですね。ひょっとしたら」
「あの歌でプロトデビルンとも、っていうのね」
「できますよね」
 こうシェリルに問うランカだった。
「バサラさんだったら」
「そうね。あの人ならね」
「じゃあ私も」
 ランカはだ。意を決した顔になって述べた。
「バサラさんには適わないですけれど」
「そうね。それでもね」
「二人で。歌いしょう」
「そうさせてもらうわ。実はね、私ね」
 ここでは微笑んでだ。シェリルは話した。
「本人見るまであの人にも勝てるって思ってたのよ」
「バサラさんにですか」
「ええ。けれどあそこまでの人はね」
「勝てないですか」
「ある意味において超人ね」
 バサラをこうまで評するのだった。
「あそこまでできるなんてね」
「確かに。私だってとても」
「人にできないことができる人よ」
 バサラはだ。まさにそうだというのだ。
「私達もそうなれるかしらね」
「無理だと思います」
「おいおい、そんなの全然平気だぜ?」
 その本人が来て二人に告げる。
「いいか?歌ってのはな」
「あっ、熱気バサラ」
「来られたんですか」
「ちょっとな。それでな」
 どうかとだ。彼は二人に話す。
「あれなんだよ。音楽ってのは」
「音楽は」
「どうかっていうんですか」
「そうだよ。突き破るものなんだよ」
 それが音楽だというのである。
「そうすればいいんだよ」
「突き破る」
「そうすることがですか」
「だからなれるとかなれないじゃないからな」
 バサラはそれを否定した。
「突き破るんだよ」
「目の前にあるものを」
「限界をですよね」
「そういうことだよ。なれないんじゃなくてなるんだよ」
 他ならぬだ。バサラ自身の言葉だ。
「できないって思ったことなんてないしな」
 そもまたバサラだった。
「何でもできるんだよ」
「そうだな。そう思わないとな」
 アムロも来てだ。バサラのその言葉に頷いた。
「何もできないな」
「そう思うからな。だから俺は歌うんだよ」
 今は何でもないといった調子で語る彼だった。
「そして俺の歌を聴かせるんだよ」
「じゃあ私達も」
「限界は思わないってことなのね」
 ランカもシェリルもここでわかったのだった。
「そうして一直線に」
「歌うといいのね」
「そういうことだよ。まあこれからもな」
 バサラの言葉がここで変わった。
「俺はそうするしな」
「一直線に突き破っていく」
「そうされるんですね」
「ああ、それが俺のやり方だからな」
 こう言うのであった。ここでもだ。
「じゃあ。またな」
「あれっ、何処に行くの?」
「何か用事でも」
「別にないさ」
 微笑んでシェリルとランカに答えるのだった。
「ただ。ふらっとな」
「気が向いて」
「それでなんですか」
「ああ、それでだよ。それじゃあな」
 こうしてだった。バサラはふらりとその場を後にした。そしてだ。
 シティの路上でだ。いきなり単独ライブをはじめたのである。
「いいか皆!」
「あっ、熱気バサラだ!」
「路上ゲリラライブか!?」
「それか!?」
「ああ、その通りだぜ!」
 まさにだ。そうだというのだった。
 そしてだ。彼はここでもこう叫んだ。
「いいか皆!」
「ああ、何時でもな!」
「いいわよ!」
「俺の歌を聴けーーーーーーーっ!」
 高らかにだ。こう叫んでだった。
 路上ライブをはじめる。それを聞いてだ。 
 今回はクローディアだった。彼女が来て咎めるのだった。
「ちょっと、何をやっているのよ」
「んっ?ライブだぜ?」
 平然と答えるバサラだった。
「それがどうしたんだよ」
「どうしたのではなくてよ」
「別にいいじゃねえかよ」
「許可は得ているの?」
「何だよ、それ」
 平然として返すバサラだった。ここでもだ。
「だから許可ってよ」
「全く。いつもそうだから」
 未沙と同じ様な口調になっている。
「世話が焼けるわね」
「で、クローディアさんもかよ。止めろっていうんだな」
「そうよ。言っても聞かないでしょうけれど」
 それはもう確信していることだった。
「わかったわね。止めなさい」
「ああ、それじゃあな」
 珍しくだ。人の話を聞いたように思える言葉だった。
 しかしだ。その予測は脆くも砕かれてしまった。
 バサラはだ。すぐにこう言うのだった。
「じゃあ別の場所でするな」
「何でそうなるのよ」
「俺の歌は何時でも何処でもなんだよ」
 やはりだった。バサラはバサラだった。
「だからだよ。歌うぜ」
「だから許可は得ているのって聞いてるのよ」
「だからそんなの必要なのかよ」
 相変わらずの口調であった。
「俺はそんなの構わないけれどな」
「構いなさい。許可はね」
「じゃあ今くれるってのか?許可ってのをよ」
「ええ、どうするのそれで」
「じゃあくれ」
 あっけらかんとさえしている口調だった。
「その許可ってのをよ」
「はい、じゃあこれ」
 クローディアは早速ペンとサインの書類を出してきた。
「これにサインしてね」
「わかったよ。それにサインすればいいんだな」
「それさえしてくれればいいから」
「サインペンねえか?」
 ここでこんなことも言う彼だった。
「サインだったらそれでするだろ」
「そういうサインじゃないから」
 憮然として返すクローディアだった。
「このペンでいいのよ」
「何だよ、面白くねえな」
「面白いかそういうのじゃなくてよ。早くサインしなさい」
「わかったよ。それじゃあな」
 こうしてだった。バサラはサインしてからだ。そのうえでだ。
 また歌うのだった。今はだ。己の道を行き歌うバサラだった。


第百二話   完


                       2011・3・3
 
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