仮面ライダー エターナルインフィニティ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第六十四話 作戦会議においてその十
「その姿も力もだ」
「グロンギだということはわかっていても」
「グロンギの姿もその能力も一切不明だ」
「けれど薔薇よね」
アリアは門矢に怪訝な顔で問うた。
「あいつは薔薇のグロンギよね」
「そのことはわかっているがな」
「けれど他のことは」
「全くと言っていい程わかっていない」
「戦うとなると厄介ね」
知らない敵と戦うことはそれだけで危ういものがあるからだ。アリアにしてもこのことは憂慮すべきことだった。
そうしたことを話してからだった。シェスタがこんなことを言ってきた。
「ところで皆さんお腹が空きません?」
「あっ、そういえば確かに」
「丁度お昼だし」
「それなら何か食べようか」
「とりあえずは」
「お鍋にしませんか?」
シェスタはこれを提案する。
「皆さんで食べられて栄養もありますし」
「いいですね」
光は微笑んでシェスタのその提案に乗った。
「それじゃあ今から」
「幸い巨大なお鍋もありますし」
「何人用ですか?」
「三百人用です」
それだけ多くの人間が一度に食べられる鍋だというのだ。
「如何でしょうか」
「河豚にするか」
門矢は鍋の王道を出した。
「調理は俺がする」
「門矢さん河豚の免許持ってるんですか?」
「いや、ない」
キンジに対して平然と答える。
「だがそれでもだ」
「ないんですよね」
「安心しろ。毒にあたらなければいい」
「いや、それ以前の問題ですから」
また言うキンジだった。
「免許がないのなら」
「俺はあたったことがない」
「今なるかも知れないですよ」
キンジは真剣な顔で門矢に言う。
「ですから河豚止めておきましょう」
「そうか」
「はい。それじゃあ」
「鶏でいいでしょ」
アリアはこれを推す。
「水炊きで」
「水炊きか」
「あれだとバランスよく何でも美味しく食べられるじゃない」
「そうだよな。それじゃあな」
「安いしね」
アリアはコスト面からも言う。
「少なくとも河豚みたいに当たらないから」
「残念だな」
「というかあんた何時か死ぬわよ」
アリアは八重歯を出して残念がる門矢を注意する。
「河豚よ、河豚」
「美味いが」
「美味しいけれど毒があるでしょ」
アリアが言うのはこのことだった。
「本当に危ないからね」
「そうか」
「そうよ。まあお魚のお鍋も悪くないけれどね」
「特に河豚はな」
「だから何でそう河豚にこだわるのよ」
「美味いからだ」
実に率直な返答だった。
「だから俺は河豚が好きだ」
「美味しくても免許なくで調理はまずいでしょ」
「だから安心していい」
「安心出来ないから。じゃあお野菜も一杯買ってね」
「お料理は任せて下さい」
白雪が名乗り出る。
ページ上へ戻る