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スーパーロボット大戦パーフェクト 完結篇

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第二十二話 グラドスの圧政

            第二十二話 グラドスの圧政
   ギシン家の勢力圏に入ったロンド=ベル。まずは静かだった。
「まずは星系の一つに向かうが」
「はい」
「そこからですね」
「そこにはグラドス軍がいる」
 ブライトが一同に述べた。
「あの者達がだ」
「えっ、グラドス!?」
「もう出て来るんですか」
「そうだ。心構えは出来ているな」
 こう問うのであった。
「もうそれは」
「ええ、まあ」
「できてはいますけれど」
 しかしだというのである。
「けれどあの連中ですか」
「あの連中の相手ですか」
「容赦する必要はない」
 こう言うブライトだった。
「いいな、それは」
「ええ、それはわかってます」
「安心して下さい」
 皆それはもうわかっていた。
「もう何度も戦っていますしね」
「ただ。問題は」
「嫌な奴等ですよ」
「全く」
 こう口々に言うのである。
「自分達だけを偉いと思って」
「やるのは虐殺とか文化破壊ばかりですから」
「そんな連中ですからね」
「捕虜は取らない」
 ブライトはグラドス戦にしか言わないことをあえて言った。
「コクピットを狙って撃墜しろ。いいな」
「おうよ。全員地獄に叩き落としてやるぜ!」
「僕のミョッルニルも今血が欲しがってるからね!」
「全員殺す」
 オルガ、クロト、シャニの目は血走っている。
「あいつ等とやり合うのは一番楽しいぜ」
「遠慮なく抹殺できるからね」
「一人も逃さない」
「では行くとしよう」
 こうしてロンド=ベルはその惑星に向かった。するともう彼等が展開していた。
「来たな、地球人共」
「我が偉大なるグラドスに歯向かう愚か者達が」
「今こそ裁きを与えてくれる!」
「相変わらずの奴等だな、おい」
「そうだな」
 スティングはその彼等を冷めた目で見ながらアウルの言葉に応えていた。
「進歩ないんだな」
「馬鹿だからか?」
「自分達だけが偉いと思っているからだろうな」
 彼は実に素っ気無く述べた。
「それでなんだろうな」
「おいおい、相変わらず嫌な奴等だな」
 アウルはスティングの言葉を受けて言った。
「じゃあいつも通り何の容赦も必要ないな」
「そういうことさ。さて、コクピットの位置はもうわかってるしな」
「楽な相手ではあるよな」
「ステラも戦う」
 当然ステラもいる。
「このまま倒す」
「よし、行くか」
「今からな」
「おい、御前等」
 ロウが三人に対して言ってきた。
「いいな、グラドスが相手だ」
「全力で叩き潰せだよな」
「コクピットを容赦なく撃ち抜いていいんだよね」
「それはな。ただ暴走はするな」
 これは注意するのだった。
「それはわかっているな」
「ああ、わかってるさ」
「戦いはあってもな」
 こう言ってであった。彼等はそのグラドス軍に向かう。ロンド=ベルはブライトに言われるまでもなかった。最初から容赦することはしなかった。
「おらおら、死ね!」
「抹殺!必殺!滅殺!」
「地獄に行け」
 オルガ、クロト、シャニは実際に派手に暴れていた。前の敵を次々と倒していく。
 クロトのレイダーガンダムは敵の中に入ってそのミョッルニルを振り回しそのコクピットを砕いていく。
「そこにいるのはわかってるからさあ!」
 その血走った目での言葉だ。
「何の容赦もしないからね!」
「ぐはあっ!」
 今一機がコクピットである頭部を叩き潰された。首がなくなった形になる。
 クロトはその首なし死体を思いきり蹴飛ばした。それで別のグラドス機にぶつける。
「うわっ!」
「仲間の屍抱いてさ!」
 その敵機に一気に接近してである。
「御前も死ねよ!」
「ぐはっ!」
 上からミョッルニルを振り下ろしそのうえでコクピットを潰した。確実に仕留めた。 
 シャニのフォピドゥンも暴れる。その巨大なビームを容赦なく放つ。
「これがロンド=ベルか!?」
「何という強さだ!」
「気付くのが遅い」
 グラドス兵への言葉だ。
「そして俺御前等大嫌い」
 この感情も隠そうとしない。
「死ね」
 またビームを放ってであった。数機一気に吹き飛ばす。 
 そして空いた場所に飛び込んで切り込む。鎌でコクピットを横薙ぎにする。
 頭を半分斬られた形で倒れる。他の機体も斬っていく。
「こ、こいつ・・・・・・」
「何という強さだ」
「俺確かに強い」
 シャニもそれは言う。
「しかし」
「しかし?」
「何だというのだ」
「御前等弱い」
 彼等に対しても言ったのだった。
「呆れる程度弱い。雑魚だ」
「何っ、我等が雑魚だと!?」
「その言葉許さん!」
「野蛮人の分際で!」
「野蛮人は御前等」
 言葉を返すシャニだった。
「御前等だ」
「何っ、何を根拠にだ!」
「その言葉許さんぞ!」
「俺達他の人間の文化や文明を壊さない」
 シャニが言うのはこのことだった。
「しかし御前等それをする」
「劣った存在を倒して何が悪い!」
「そうだ、それこそが我等の使命だ!」
 これが彼等の言い分だった。
「劣った文化や文明を破壊し優れた文明で教化する!」
「それの何処が悪い!」
「ああ、悪いさ!」
「げふっ!」
 言っている側からクロトがその敵機のコクピットを蹴り潰した。即死だった。
「文化は同じ物差しじゃ計れないんだよ!」
「き、貴様」
「我等の同胞をよくも無惨に」
「蹴り潰したというのか・・・・・・ガハッ!」
「僕はシャニとは違うんだよ!」
 今度はミョッルニルで叩き潰したのであった。
「御前等の汚い言葉なんて聞くつもりはないからね!」
「話は一応聞いてやるぜ!」
 オルガはこう言うのだった。
「聞いてから地獄に送ってやるぜ!」
「やれオルガ」
「言われなくてもな!」
 こうシャニに返してだった。
 総攻撃に入る。全ての攻撃をグラドス軍にぶつける。
「おらおらあっ!死ね!」
「ぐわっ!」
「げっ!」
 コクピットがまとめて吹き飛ばされる。そうして倒すのだった。
「グ、グラドス軍が・・・・・・」
「瞬く間に・・・・・・」
「御前等弱過ぎるんだよ!」
 一方的に攻撃を続けるオルガだった。それはまさに殺戮だった。
「弱い癖に偉そうに言うな!」
「おい、また今回滅茶苦茶暴れてるな」
 ロウは縦横無尽に暴れ回る三人を見て呟いていた。
「俺の十倍は戦ってるな」
「十倍で済むか?」
 それと言ったのはイライジャだった。
「こっちの三人も凄いがな」
「ああ、ステラ達か」
「グラドスが相手になると違う」
 こちらの三人もそれは同じなのだった。
「桁外れだ」
「そうだな。俺も実際な」
「違うか」
「この連中だけは許せないからな」
 言いながらその巨大な剣を振るう。そのうえで敵を薙ぎ倒していく。イライジャも敵機のコクピットを撃ち抜いていく。倒れるのはグラドス軍ばかりだった。
「余計にな」
「そうだな。全くだ」
「御前もかなり派手に暴れてるな」
「俺もグラドスは嫌いだ」
 イライジャもこの感情を隠さない。
「だからだ」
「ああ、どのみち捕虜は取らないんだ」
「全滅させる」
 この場合は文字通りのことである。
「いいな、このままだ」
「そのつもりだ、最初からな」
「行くぞ」
 彼等も攻める。敵は次々と倒れていく。
 三時間程戦うとであった。グラドス軍は残り僅かになっていた。その彼等はここであえて動きを止めてこう言ってきたのであった。
「もう終わりだ」
「降伏する」
「そちらの指示に従う」
「嘘だな」
 だが大河はその彼等を見てすぐに言い切った。
「それは」
「やはりそうですか」
「見るのだ」
 こうスタリオンに言って敵軍を指差すとだった。彼等の戦艦の主砲はこちらに向いていた。そしてその手に持っているビームライフルもだった。
「油断させて攻撃するつもりだ」
「またなのですか」
「そうだ、まただ」
 先の戦いのことで既に学んでいたのである。
「またしようとしている」
「それじゃあここは」
「やっぱり」
「このまま攻撃する」
 大河は言った。
「いいな」
「はい、それじゃあ」
「このまま」
「何っ、捕虜を攻撃するというのか」
「投降するというのだぞ!」
 グラドス軍の方から抗議が来た。
「ロンド=ベル、まさか」
「それ程非道だというのか」
「うるせえんだよ!」
 シンが速攻で攻撃を仕掛けた。ドラグーンでコクピットをまとめて吹き飛ばす。
「手前等の魂胆はわかってるんだよ!」
「投降を受け入れたその瞬間に攻撃を仕掛けるつもりだな」
 レイもドラグーンを放ちながら言う。
「それはもう見抜いていた」
「うっ、それは・・・・・・」
「その通りだな。ならばだ」
 こう言ってであった。彼もまたグラドス軍を容赦なく攻撃する。
 他の面々も同じだった。結果としてグラドス軍は一機もいなくなった。残った将兵は一人もいなかった。皆倒されたのである。
「戦闘終了デス」
「よし」
 大河はスワンの言葉に頷いた。
「これでいいな」
「はい、それでは」
「惑星に降下する」
 それも言うのだった。
「グラドス軍が残っていれば掃討戦に移る」
「わかりまシタ」
 こうしてロンド=ベルは今度は惑星に降下した。だが戦いは行われなかった。
 残っているグラドス軍は僅かであった。そしてその彼等もだ。
 投降しようとしてきた。だがここでも同じだった。
「戦闘終了」
「完全にね」
 ルナマリアとメイリンが素っ気無く言った。惑星にいるグラドス軍も全滅した。
 そしてその惑星の有様はだ。酷いものだった。
「やることは何処でも同じなんだな」
「そうね」
 皆その有様を見て言う。文化は徹底的に破壊されていた。
 そして今残っていたグラドスの非戦闘員達が狩り出されていた。そのうえで次々と裁判にかけられ処刑されていた。全員である。
 だがロンド=ベルの面々はそれを見ても何とも思わない。むしろその処刑に対して拍手喝采を浴びせていた。やれというのである。
「ふん、所詮はグラドス人だからな」
「あれだけやったしな」
「当然の結果よ」
「自業自得」
 今までのグラドスの悪行を見てのことだった。誰も処刑されていくグラドス人に同情する者も止めようという者もいなかった。
 だがエイジはその中でだ。難しい顔をしていた。
「エイジ、どうしたの?」
「やっぱり」
「うん、少しね」
 デビットとロアンに対して答えた。
「彼等のしてきたことは許されることじゃないけれどそれでも」
「だが因果応報だ」
「当然の結末だよ」
 二人もまたグラドス人への処刑を止めようとはしない。
「どれだけ惨たらしく殺されてもな」
「仕方ないことだよ」
「グラドス人は一人残らずああなるんだね」
「エイジは別だ」
「僕達の仲間じゃないか」
「仲間」
 その言葉は聞いた。しかしだった。
「けれどグラドス軍は」
「そうさ、敵さ」
「それも汚いね」
「汚い敵なんだ」
「やってきたことを考えるんだ」
「そういうことだよ」
 二人で話したのだった。
「あの連中は銀河にいてはならないからな」
「だからね」
「グラドス人の全てが悪い人間じゃなかったら」
 エイジはこうも言った。
「こんなことにはならなかった。いや」
 ここで思い直した。
「全員がそうじゃないんじゃないだろうか。若しかして」
「とっとと地獄へ落ちろ!」
 ディアッカが引き立てられていくグラドス人達に対して怒った声をかけていた。彼等は項垂れてそのうえで処刑場に向かっている。
「あそこまでやって助かるなんて思うんじゃねえ!」
「そうだ、今この星の者達は当然の権利を果たしているのだ」
 イザークも冷たい声で言う。
「この連中はこうなるべきだ」
「そういうことだ。グラドス人なんてな」
「そうだな」
「一人もいなくなるべきなんだよ」
 二人の考えは一致していた。
「こんな連中な」
「この星でも圧政を敷き自分達はやりたい放題をしていたんだな」
「はい、そうです」
 ニコルがアスランに話す。
「特権階級として。やはり文化を破壊して」
「処刑も当然だな」
「僕もそう思います」
「グラドス人の様な連中がいるからな」
「銀河が乱れるんですよ」
 彼等も言うのだった。
「しかし。子供も全員処刑するんだな」
「ええ」
 見れば処刑場に引き立てられていくのは大人だけではなかった。
「そうですね」
「子供も同じか」
「全く同じことをしていたみたいですよ。この星の人達を殺しても捕まらなかったですしね」
「なら仕方ないな」
 アスランとは思えない程冷たい言葉だった。
「それならな」
「はい、グラドス人は銀河にいてはいけません」
 ニコルはまた言った。
「ですから」
「それに俺達が止めても」
「はい、この星の人達の気持ちは収まりません」
 その問題もあるのだった。
「ですから」
「見ていよう。もっとも俺にも止めるつもりはないけれどな」
「ええ」
 こうしてこの星のグラドス人は一人もいなくなった。皆処刑された。そしてこの星の市民達は自由を取り戻した。そうしてであった。
 ロンド=ベルは彼等の協力も得ることになった。このこと自体はよかった。
 だがエイジの顔は晴れなかった。どうしてもであった。
「まあわかるけれどな」
「気を取り直してね」
「う、うん」
 周りの言葉に応えはした。
「そうだね。それはね」
「じゃあ飲もうな」
「今からね」
「そうだね」
 一応は応えたのだった。
「それじゃあ」
「よくあることだ」
 その彼に言ってきたのはカクリコンだった。
「戦争に敗れた圧政者はああなる」
「ああ、ですか」
「そうだ。俺達も一歩間違えればああなっていた」
 ティターンズ出身ならではの言葉だった。
「ああな」
「そうですか」
「そうだ。俺達はそれを考えれば運がよかった」
「そうだな」
 ジェリドもカクリコンのその言葉に頷いた。
「下手したら本当にな」
「軍法会議にかけられてもおかしくなかったな」
「そういうことだ」
 カクリコンの言うことはこのことだった。
「幸い色々あってな」
「俺達は不問で済んだがな」
 そうした意味では確かに運がよかった。
「上層部の責任になったがな」
「俺達だって毒ガスを撒く作戦の指揮官だったからな」
 ヤザンの顔が珍しく歪んだ。
「その責任はあったからな」
「しかしあんた達は」
 カミーユがここで言ってきた。
「それに反対していたんじゃないのか?」
「確かに反対はしていたさ」
 ライラがカミーユの言葉に応える。
「私等にしても軍人だよ。そういう作戦はやるべきことじゃないからね」
「俺達は戦うのが仕事だからな」
 ジェリドも言う。
「それで毒ガス撒けっていうのはな」
「誰も好きでしたりするものか」
 カクリコンはまた言った。
「だが。それでも指揮を執ったのは事実だ」
「それはですか」
「そうだ。その責任はある」  
 また言うカクリコンだった。
「それを問われても文句は言えなかった」
「我々にしろだ」
「それは同じだ」
 ラムサスとダンケルも話す。
「その責任はあるからな」
「それはわかっていた」
「ジャミトフ=ハイマンやバスク=オムだけじゃないのか」
 カミーユはそれを聞いてまた述べた。
「そういうことか」
「そういうことだ」
 カクリコンはまたカミーユに話した。
「仮にも将校だからな」
「圧政者は敗れれば糾弾される」
 エイジはこのことを心に刻むことになった。
「それじゃあグラドスでなくても」
「俺達もグラドスは大嫌いだがな」
 ジェリドの言葉だ。
「連中だけじゃない」
「グラドスでなくてもか」
「そうさ、グラドスに限ったことじゃない」
 ジェリドはエイジに対して話す。
「ああいう行動が問題なんだよ」
「だからグラドス人は処刑される」
「私等も撃つってわけだね」
 ライラは簡潔に述べた。
「そういうことさ。たったそれだけだよ」
「よし、それならだ」
「それなら?」
「わかったな」
 カクリコンの言葉だ。
「割り切ることだ。御前は御前だ」
「僕は僕」
「俺達はこれからもグラドス軍には容赦することはない」
 カクリコンはそれは断った。
「しかしそれでもだ」
「僕はですか」
「御前はそういうことは絶対にしない」
 それはもうわかっているのだった。
「だからだ」
「悩むことはねえからな」
 ヤザンは笑って述べた。
「特にな。おめえはおめえなんだよ」
「じゃあこのままここにいて」
「帰れとか出て行けなんて言う奴はいないさ」
 それは確かに言うジェリドだった。
「というか俺も個人的にな」
「個人的に?」
「御前がいないと寂しくなるからな」
 こうエイジに告げるのである。
「それはな」
「何でですか?それは」
「雰囲気が似てるからだよ」
 だからだというのである。
「全然似ていない筈だけれどな」
「そういえば確かに」
 言われてそれに頷くエイジだった。
「ジェリドさんとは気が合いますし」
「何かが一緒っぽいな」
「そういう奴は幾らいてもいいものさ」
 ヤザンも笑っていた。
「俺にしてもな」
「あんたそういう相手結構いるからね」
 ライラがそのヤザンに突っ込みを入れた。
「確かに羨ましいことだね」
「へへへ、タップもヂボデーもいい奴だぜ」
「私もエクセレン大尉と」
 サラもいた。
「気が合って」
「あんた達もそっくりだからね」
 ライラの目はいささか羨望が入っていた。
「全くね。そういう相手がいるってのはね」
「まあ自慢になるがな。いいものだぜ」
「そうだな」
 ヤザンとジェリドの言葉である。
「俺なんかそれどころかな」
「ああ、他の世界にもだったな」
「おうよ、世話焼きの緑色の烏か弁慶みたいなのになってな」
「信号の男ではなかったのか?」
 さりげなくカクリコンが突っ込みを入れる。
「確かな」
「そういえばそっちの記憶もあるな」
 心当たりの多過ぎるヤザンだった。
「あっちはまた壮絶に馬鹿な世界だったな」
「あの世界の警察は大丈夫なんでしょうか」
 サラは真剣に心配している。
「あそこまで無能で」
「俺も実は不安に思っていたんだよ」
 ヤザンも真顔である。
「幾ら何でも毎回誰もいない場所に交番置かないよな」
「そうですよね。それで誰も来ないなんて」
「馬鹿過ぎるだろ」 
 ヤザンはそのことを真剣に心配していた。
 そのうえでユウキに対しても言った。
「そう思わないか?御前もよ」
「俺ですか」
「心当たりあるんだろ?」
「残念ですがあります」
 いささか不本意そうな返答だった。
「気の大臣として」
「ぞよとか言っていたな」
「はい」
 ユウキはこのことも認めた。
「あの世界はあの世界で面白いのですが」
「そうだよな。かなりな」
「俺もあの世界は知っていますけれど」
 ブリットも登場した。
「確かに面白い世界ですよね」
「おう、御前は蝙蝠だったな」
 ヤザンはそのブリットに対して言った。
「風呂の中でくつろいだりしていたよな」
「ええ、間違ってもレオンさんとは似ていません」
「待て、そっくりだぞ」
「どう聞いても」
 皆それを聞いてすぐにそのブリットに突っ込みを入れた。
「同じ声っていうか」
「本当に」
「気にしているんだよ」
 実はブリットもそうなのだった。
「同じ声の人がああした立場にいるとどうも」
「同じ声じゃないから」
「雰囲気がそっくりなだけだから」
「そこは注意してな」
 皆ブリットの今の言葉を必死に訂正させた。
「あとカーラもそういえば」
「歌を歌っていたし」
「そうだよな」
「ええ、鏡の世界で戦う話よね」
 しっかりわかっているカーラだった。
「十三人でね」
「丸わかりすぎるな」
 ヤザンはカーラに対しても突っ込みを入れた。
「っていうか隠すつもりないだろ」
「今更隠してもね」
 カーラの言葉は開き直りだった。
「皆わかってるし」
「わかり過ぎっていうか」
「もうばればれだし」
「例えば」
「そうね」
 皆今度はユンを見て言うのだった。
「河原の人と柚子の人の関係って」
「あれですよね」
「はい、皆さんの言葉はわかってます」
 ユンは観念した顔であった。
「私は確かにですね」
「あと凱君達も」
「確かに」
「うっ、それは恋とか姫の話か」
 凱はそれを言われてギクリとした顔になっていた。
「あれは多分別人だ。名前が違う!」
「あれっ、けれど声は」
「もう誰も否定できないけれど」
「あとアレンさんも」
「気にするな」
 アレンは表情こそ壊していないが顔中から滝の様に汗をかいている。
「あれは俺とは関係ない。全くの別人だ」
「何かかなり強引?」
「っていうか」
「いや、俺ではない」
 尚も言うアレンだった。
「あれは絶対に違う」
「そうかな」
「あと卑弥呼も」
「あの変態爺さんにしか聞こえないわよね」
 アスカはムキになっていた。
「あの声って」
「相変わらず素敵だわ」
 レイは頬を赤くさせていた。
「例えどの様な役でも。素敵な方ね」
「レイってそんなにあの人が好きなんだ」
 シンジも少し唖然としている。
「ううん、どうなのかな」
「まあ恋も人それぞれやで」
 トウジは今はレイの側に立っている。
「人の恋路っちゅうのはな」
「けれど。それでもあれは」
「まあな。色々あるからな」
「ここにいる人達もそういう人多いみたいだね」
 ふとこんなことを言うシンジだった。
「そういえば昔きゃんきゃん何とかで光ちゃんの声聴いたような」
「あれはCDだ」
 何故か力説する光だった。
「私は本編とは関係ないぞ」
「ってあったんだ」
「あっ、それは」
 言ってから気付いたことだった。
「それはその」
「何かそれを言ったら」
「皆結構」
「脛に傷あるから」
「そうね」
 タリアもそれを言う。
「だからそれは言わないでおきましょう」
「ええ、そういうことで」
「この話はなしで」
「さて、何はともあれね」
「次の戦いですね」
「次の惑星に」
「まだバルマーの正規軍は出ていませんし」
 彼等の存在もあった。
「中銀河方面軍との戦いはまだね」
「はい、これからですから」
「気を入れなおしていきましょう」
 こう話して次の戦いに心を向ける。戦いはまだこれからだった。


第二十二話   完


                         2010・4・24    
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