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スーパーロボット大戦パーフェクト 完結篇

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第九話 受け継ぎし遺産

               第九話 受け継ぎし遺産
 「それはだ」
「ああ」
「どうだったんだ?」
バロータ軍に向かいながらだ。皆柿崎の話を聞いていた。
「そこは冷たい吹雪の吹き荒れる凍て付く様な大地だった」
「そんな場所だったのか」
「それで?」
「奴等に捕まった俺は船団から脱出した民間人と一緒に」
「あの星に連れて来られた」
「そうなんですね」
「ああ、そうだ」
皆の言葉に頷く柿崎だった。
「その通りさ」
「それでその星は?」
「一体」
「バロータ第四惑星」
そこだというのである。
「そこですか」
「知ってるんですか?」
「はい」
こう答えるエキセドルだった。
「聞いたことはあります」
「そうだったんですか」
「それでだけれど」
千葉が彼に言ってきた。
「続けてくれるかな」
「はい、それじゃあ」
「しかし」
ここでフォッカーがいぶかしんで言う。
「あの星には確かメガロード船団から」
「ええ、そうでしたよね」
「特務調査隊が送られて」
「それで」
「はい、覚えています」
それはエキセドルも知っていることだった。
「確か遺跡らしいものを発見したという報告が」
「ですがその後」
「残念ですが」
ここで美穂とサリーが言う。
「連絡が途絶えました」
「消息は」
「はい、そうです」
「それでは」
サコンがそれを聞いて述べた。
「その遺跡というのが奴等の正体の謎を解く鍵となりますね」
「そうだな」
「ええ、確かに」
リーとブンタがサコンの今の言葉に頷く。
「その通りだ」
「それは」
「そして」
ピートは柿崎にさらに問うた。
「それからは?」
「俺達もその遺跡らしい場所に連れて行かれた」
また話しはじめた柿崎だった。
「そしてその奥には」
「その奥には?」
「何が」
「その奥には巨大な・・・・・・」
しかしだった。ここで。
「うおおおあっ!!」
「!?」
「柿崎どうしたんだ!」
輝が彼に駆け寄って問うた。
「そこで一体何を見たんだ!」
「あああ、あああああっ!」
「ミンメイは無事なのか!?」
さらに問う輝だった。
「柿崎!」
「よせ、輝」
しかしここでフォッカーが止めた。
「これ以上は」
「無理ですか」
「ああ。余程恐ろしいものを見たんだろうな」
「それじゃあ」
「そうですね」
ここで千葉も言ってきた。
「催眠療法で記憶を辿ってもです」
「無駄だってんだな」
「もう」
サンシローとヤマガタケが千葉に問うた。
「じゃあこれ以上は」
「わからねえのか」
「残念ですが」
返答はその通りだというものだった。しかしフォッカーはここで言った。
「だがな」
「だが?」
「何が」
「はっきりしたな」
こう言うのだった。
「バロータ軍の正体が」
「そうだな」
シナプスが彼のその言葉に頷いて続く。
「彼等は銀河の様々な種族を襲いその生命力を吸収し」
「そしてそのうえで」
「その種族を」
「同時に精神制御を施して」
さらに言うシナプスだった。
「自分達の軍隊を作り上げていた」
「けれど」
しかしここで輝が言うのだった。
「柿崎の精神制御が解けたのだろう」
「おそらくですが」
千葉もその問いに答える。
「バサラ君の歌の力によるものでしょう」
「歌の力?」
「それでなのかよ」
輝だけでなくイサムもそれに問う。
「歌の力で」
「リン=ミンメイみたいにかよ」
「わかりやすくいえばそうです」
こう二人に答える千葉だった。
「これは大いに研究する価値ありです」
「バロータ第四惑星の遺跡」
大文字が言う。
「そこで柿崎君が見たものが我々の敵の正体なのだろうか」
「そうだと思うわ」
セニアが言ってきた。
「それで」
「その目覚めには以前派遣したその特務調査隊がです」
ウェンディも分析して言ってきた。
「関与していると思います」
「メガロード船団を壊滅させた怪物が」
今言ったのはアルトだった。
「それがかよ」
「まさか」
ここでシェリルが不安な顔になって述べた。
「イデは私達とあの怪物を戦わせるつもりかしら」
「いや、しかし」
それにはブライトが言う。
「その力はあまりにも強大でこれまでも敵とは異質過ぎる」
「そうですよね。それは」
「何ていうか」
「異常なまでに」
これは誰もが感じていることだった。
「あまりにも」
「不自然なまでに」
「そうだ。不自然に過ぎる」
無頼とはまた言った。
「断定ができない」
「もう少し情報があれば」
マヤも困った顔になっていた。
「対策も立てられますよね」
「プロトデビルン」
エキセドルはこの名前を出して話してきた。
「その僅か一体が我等ゼントラーディ一個艦隊を全滅させた」
「えっ!?」
「あのゼントラーディの!?」
「まさか」
これは誰もが信じなかった。
「一個艦隊じゃなくて一部隊なんじゃ!?」
「それか向こうも一個艦隊とか」
「幾ら何でもそれは」
「いえ、事実です」
しかしエキセドルは言うのだった。
「艦隊をです」
「馬鹿な、そんな」
「あのゼントラーディの」
「一個艦隊を」
「しかしよ」
ここでカムジンが真剣な面持ちで言ってきた。
「この一年あれなんだろ?」
「ああ。ゼントラーディもメルトランディも銀河ではな」
ミシェルが彼の問いに答える。
「活動規模が縮小している」
「じゃあやっぱり」
「それは」
「バルマーや宇宙怪獣にあるにしても」
彼等はそうした存在も頭の中に入れてはいた。
「やっぱり」
「プロトデビルンが」
「関わってる」
このことを認識せざるを得なかった。そうしてであった。
「あの戦う為の種族を」
「滅ぼすなんて」
「尋常なものではない」
ガルドの言葉も険しい。
「そして今までの奴等の戦力を見る限りだ」
「嘘じゃないな」
ショウが言った。
「それは」
「とにかく今は」
フォッカーが話をまとめにかかってきた。
「奴等と戦う為にはもっと情報が必要だ」
「ええ、確かに」
「それは」
こんな話をしてであった。彼等はこれからのことを考えていたのだった。
「まずはバサラを追う」
「そしてあの連中を倒して」
「それからだな」
こうしてバロータ軍に向かう彼等だった。今はそれしかなかった。
その中でだ。ミレーヌは暗い顔で自機のところにいた。そのうえで俯いて呟いていた。
「あたしのせいだ」
「どうしたんですか?」
「あたしがバサラに余計なこと言ったから」
こうガムリンに言うのだった。
「バサラは出て行ったんだ」
「それは」
「バサラはずっと戦うんじゃなく歌うんだって言ってきたのに」
このことを思い出しての言葉だった。
「あたし、バサラの歌を兵器みたいに言ったから」
「いや」
何とここでビヒーダが口を開いてきた。
「えっ!?」
「今何て」
「ビヒーダさんが!?」
これには誰もが驚いた。グババまでもが。
「喋れたんだ」
「まさか・・・・・・」
「バサラは今何かを探している」
そのビヒーダの言葉である。
「だから違う」
「そうだな」
ここでレイも言ってきた。
「ビヒーダの言う通りだ」
「そうなの」
「俺もよくわからないがだ」
こう前置きしてから話すレイだった。
「最近のあいつは何かに苛立っていた」
「何かに」
「そうだ、そしてだ」
さらに話すのだった。
「今回の一件もだ」
「今回もなのね」
「だからだ。ミレーヌ」
その言葉が優しいものになっていた。
「御前のせいじゃない」
「私の」
「そうですよ」
ガムリンも笑って言ってきた。
「きっとその何かを見つけますよ」
「じゃあ今は」
「俺達は俺達のやるべきことをやる」
レイは確かな顔で頷いた。しかしその時だった。
「大変です!」
「えっ、何!?」
「何があった!?」
「バロータの大軍がラクスに降下しています!」
こう美穂が言うのだった。
「そして。バサラさんのバルキリーまで」
「ちょっと待ってよ」
バサラまでと聞いてあらためて驚くミレーヌだった。
「あいつのバルキリーってそんなことまでできるの?」
「アルテリオンかゼータみたいだね」
アイビスもそれを聞いて驚きを隠せなかった。
「まあバサラならって思えるけれどね」
「否定できないな」
スレイも言う。
「それはな」
「そうよね。とにかくよ」
ここでツグミは話を本題にやってきた。
「バロータ軍がそう動いたってことは」
「つまりはこのまま」
「我々も」
「総員降下準備」
ジェフリーは即座に命令を変更させた。
「いいな、そうしてだ」
「またラクスに」
「それからまた」
「戦う、いいな」
まさにそうするというのだ。
そのうえで降下準備に入る。その時だった。
「海底から遺跡が浮上してきたみたいだ」
「遺跡!?」
「遺跡って何!?」
皆シゲルの今の言葉に問う。
「今度は遺跡って」
「何が」
「面白そうですね」
今行ったのはエキセドルだった。
「そこにバロータ軍は降下していますか?」
「いえ、まだです」
「それは」
シゲルだけでなくケイスケも報告してきた。
「わかりました。では我々の今のポイントは」
「丁度そこです」
マヤが言う。
「その上です」
「では今です」
その判断は素早かった。
「今ここで効果です」
「よし、それなら」
「これで」
こうしてであった。皆すぐに降下した。そのうえで、であった。
遺跡の近辺に降りた。すぐに総員出撃する。
その中でだ。皆まずはバサラを探した。
「おい、バサラ!」
「何処なの!?」
「ここにいるの!?」
彼は今は見当たらない。その中でブライトがエキセドルに問うのだった。
「エキセドル艦長」
「何でしょうか」
「何故この遺跡に?」
彼が問うのはこのことだった。
「何故またその様な」
「ある予感が」
エキセドルはブライトの問いにまずはこう答えた。
「今はそうとしか言えません」
「予感が」
「そうです」
それ故にだというのだ。
「ですから」
「予感、それによって」
「しかし貴方は」
今度彼に問うたのはアムロだった。
「長い間ゼントラーディの参謀だった」
「はい」
「それにより数多くのデータも把握している」
アムロが言うのはこのことだった。
「海から現れたその遺跡に何を感じたのでしょうか」
「若しもです」
エキセドルはまた前置きしてきた。
「私の予測が当たっていたならば」
「その時は」
「我々の」
まずはこう言うのであった。
「そして地球人の謎が解ける重要なデータが手に入るかも知れません」
「祖先の謎が解ける」
「それによって」
「それだけの重要なデータ」
「それは一体」
「そうです」
また言うエキセドルだった。
「人類の祖先であり」
「俺達の祖先で」
「我等ゼントラーディを創造した」
次の言葉こそであった。
「プロトカルチャーと呼ばれている種族ですが」
「その謎が解かれる」
「あの遺跡によって」
「広大な宇宙の中で」
エキセドルの言葉は続く。
「プロトカルチャーがこの宙域で生きていたらしい」
「それが丁度」
「ここだと」
「私の把握するデータの一部にはそれがあります」
また語るのだった。
「以前より気にかかっていました」
「人類の祖先と言われているあのプロトカルチャーがか」
グローバルも静かに述べた。
「それがあれなのかも知れないのか」
「そしてです」
ここでまた言うエキセドルだった。
「眼下の遺跡はまさにプロトカルチャーのもの」
「それではあれが」
「まさか」
皆眼下のその遺跡を見る。今まさにそこに降り立とうとしていた。
バサラは今ギターを奏でていた。その前にはシビルがいる。
「コオオオオオーーーーーーッ!」
「すげえぜ!」
バサラはギターを奏でながら言う。今彼等は銀河を飛んでいた。
「この感触、これまでのもやもやが吹き飛ぶぜ」
「何故だ」
ここにはギギルもいた。彼もまた同じであった。
しかしであった。彼は戸惑っていた。そしてその戸惑いと共に言うのであった。
「何故だ・・・・・・」
「んっ。何だ!?」
「俺はどうしてこいつと一緒に銀河を飛んでるんだ!?」
「細かいことは気にすんな!」
これがバサラの返答だった。
「シビルがだ」
「シビルが!?」
「俺に、俺達にだ」
まさに感性の言葉であった。
「銀河を見せてくれているんだ!」
「そうなのか・・・・・・!」
「だからだ!」
ここでバサラのテンションがあがった。
「俺も歌うぜーーーーーーーーっ!!」
「それは何だ!?」
「パワートゥザドリーム!」
曲名を叫ぶ。
「シビル、聴けーーーーーーーーーっ!」
「コオオオオオオーーーーーーーッ!!」
シビルがそれに応え楽しそうに声を出す。
「うおおおおおおおおっ!」
「シビル・・・・・・」
ギギルはバサラの叫びも聞いて呟いた。
「まさか御前・・・・・・」
「アニマスピリチア!」
「ボンバーーーーッ!!」
バサラも叫ぶ。彼等は今絶好調であった。
そしてだ。その頃ゲペルニッチはその遺跡に迫っていた。軍も一緒である。
その遺跡を見てだ。ゲペルニッチは思わず声をあげた。
「あれは・・・・・・」
「サンプル共のいる惑星GGTに現われた不可思議な建造物」
ガビルはそれだと言った。
「まず確実に」
「そうだ。そしてだ」
ゲペルニッチもさらに言うのであった。
「紛れもなくこれはプロトカルチャーの遺跡」
「はい、確かに」
ガビルもその通りだと答える。
「これは」
「まずい」
ゲペルニッチはそれを認識して述べた。
「この遺跡はまずいと」
「夢は実現せねば意味はない」
そしてこうも言うのだった。
「だからだ」
「どうされますか?」
「ここは」
ガビルとバルゴが問うた。
「一体どの様に」
「されるのでしょうか」
「遺跡を消去せよ」
これが指示だった。
「よいな、直ちにだ」
「直ちにですか」
「遺跡を」
「そうだ、消去する」
まさにそうするというのである。
「わかったな」
「はっ」
「それでは」
「そしてだ」
さらに命じるのだった。
「我が夢の妨げとなるシビル」
「シビルですか」
「あの女ですね」
「そうだ。奴を始末せよ」
彼女はそうしろというのだった。
「すぐにだ」
「仰せのままに」
「それでは」
「我が夢を壊すかも知れぬ」
こう言うのだった。
「危険な存在だ」
「では今より」
「遺跡とシビルを」
「急げ」
明らかに危惧する声であった。
「よいな」
「はい」
「わかりました」
ガビグラもいた。彼等はそのまま先に進む。
そしてだ。ロンド=ベルは遺跡の中も調べていた。その遺跡は。
「これがか」
「そうみたいだな」
護衛役のイルムとカイが話をしていた。
「プロトカルチャーの遺跡ってわけか」
「想像以上に入り組んでいるな」
「全くだ」
皆その中を進んでいく。その中でだ。
「しかし」
「何だ?」
「大尉まで選ばれるなんてな」
イルムはここでヴィレッタに対して言うのだった。
「それに洸か。どういう人選なんだ?」
「何となくですけれど」
答えたのはクスハだった。
「是非にと思いまして」
「それでこの人選にしたのか?」
「はい」
実は選んだのはクスハだったのだ。彼女がメンバーを選んだのである。
「それで」
「まあ俺はですね」
洸が話してきた。
「祖父は考古学者ですし戦う前はムー帝国の研究を手伝っていましたしね」
「それにだ」
今度はヴィレッタが言ってきた。
「サイコドライバーの能力がだ」
「それがだというのだな」
「そうだ。それがだ」
カイに応えながら話すのだった。
「プロトカルチャーの遺した力の一つだというのなら」
「その時はか」
「この遺跡でそれがわかるかも知れない」
「洸君」
エキセドルが洸に声をかけてきた。
「どうですか?何かを感じますか?」
「いえ」
しかし洸はここで首を横に振るだけだった。
「今のところが何も」
「左様ですか」
「ですが貴方はです」
エキセドルはその彼に対して言うのだった。
「ライディーンを造ったムー帝国の血を色濃く受け継いでいます」
「それですか」
「そしてです」
言葉をさらに続けてきた。
「ライディーンには地球の先史文明の記録が残されており」
「そして」
「それとプロトカルチャーに何ら課かの関係があるのではと思うのです」
「個人の存在が力の発動に直結している」
今言ったのはシェリルだった。
「その好例ね」
「はい、そうえす」
「そして」
サコンもいた。
「その点で言えばイデの力は特定の誰かに起因してはいないようですね」
「いえ、それは」
しかしエキセドルはサコンのその言葉には異を呈した。
「まだはっきりわかりません」
「左様ですか」
「断定はできません」
今はというのだ。
「とにかくです。今は」
「先にですね」
「もっと先に」
「進むか」
「はい」
そしてであった。やがて彼等は壁画の前に出て来た、それは。
「この壁画は」
「これはです」
またエキセドルが言ってきた。
「プロトカルチャーの歴史を綴ったものです」
「それが」
「ここに書かれている」
「そしてこれって」
シェリルはあるものを見た。それは。
「文字かしら」
「プロトカルチャー文字ですね」
エキセドルはその文字を見て答えた。
「これは」
「解読できますか?」
「はい」
サコンの問いに答えた。
「ゼントラーディ文字と文字の構図がほぼ同じですから」
「だからですか」
「何とか。それでは」
早速解読に入った。読んでいく。
「エッグ=チャータ=デラーダ=エット=プロトカルチャー」
「どういう意味ですか?」
「それは」
「誇り高き我等は」
それを人の言葉にしていく。
「宇宙に生息する数多の生命体の中ではじめて文化を持った種族である」
「それが」
「彼等だと」
「故に我等は自らをプロトカルチャーと名付けし」
「プロトカルチャー」
サコンはここでこの言葉を口に出した。
「宇宙の各所に残っている先史文明の一つにして最大の規模を持つもの」
「おそらくは」
シェリルも言ってきた。
「イデの力の源になっている第六文明人も無関係ではないでしょう」
「ムー帝国は」
洸にも気付くものがあった。
「プロトカルチャーの直接的な末裔達の国だったらしいですが」
「そうでしたね、それは」
「はい」
エキセドルの問いにも答えた。
「母さんはそのムー帝国の姫だった」
「我等プロトカルチャーは」
エキセドルはまた解読をはじめた。
「緑多き大地に生まれ育ち」
「大地に」
「そうして?」
「小さな集落を形成し」
解読がさらに続く。
「木の実を取り魚を釣り平和に暮らしていた」
「それはまあ」
「同じですね」
「ええ」
「俺達と」
これはであった。彼等の文明と同じであった。
そしてだ。さらに解読が続けられてであった。
「やがて銃器を開発し農耕器具を作り田を耕しはじめた頃には」
「それで」
「どうなったんですか?」
「種族が増え領土が二つのエリアに分かれはじめていった」
そうなったというのだ。
「さらに工業や商業が発達し政治経済文化等あらゆる面で交流を持つようになった」
「この辺りは」
そこまで聞いたシェリルの言葉である。
「今の私達の文明の進歩と全く同じね」
「ええ、確かに」
「それは」
「その通りだな」
皆これはわかった。
そしてだ。エキセドルの解読をさらに聞くのであった。
「やがて我が種族は宇宙に進出し」
「そして」
「どうなったと」
「二つの勢力に別れて争いが起こった」
そうなったというのだ。
「そして」
「そして!?」
「それからは」
「戦火は次第に全宇宙に拡大していった」
かなり大規模な戦いだったというのだ。
「我が種族は自らの手を汚さず」
「そのうえで」
「まさか」
「相手を倒すべく巨大な戦闘用兵器を作った」
「やはり」
「それか」
誰もがそれはある程度予想していたので驚かなかった。
「そうなりましたか」
「そしてそれこそが」
「はい、ゼントラーディです」
やはり彼等であった。
「兵器は次第にエスカレートし」
「それに留まらず」
「さらにですね」
「そうです。そしてです」
さらに続くのであった。
「ゼントラーディ兵士より強力な新たなる兵士」
「それこそが」
「あの」
「はい、エビルを造った」
そう書いてあるのだった。
「何時果てるとも知れぬ長きに渡る戦いは続き」
「随分と長くかかったのだな」
ヴィレッタがそれを聞いて述べた。
「聞く限りだと」
「その様です。そうしてです」
エキセドルは彼女に応えてからさらに話す。
「やがて我等はプロトデビルンによって滅びの道を辿りぬ」
「エキセドル艦長」
それを聞いたガムリンがエキセドルに問うてきた。
「我等の祖先を滅ぼしたのはプロトデビルンなのですか?」
「今まで、ですが」
エキセドルは言葉を一旦置いてからガムリンの言葉に応えた。
「プロトカルチャーの滅亡については諸説ありました」
「そうだったのですか」
「諸説が」
「宇宙怪獣をはじめとする外敵の襲来」
まずはそれだという。
「そしてそれを回避する為に行われた補完計画」
「それも前から?」
シンジはそれを聞いて驚きの声をあげた。
「プロトカルチャーも行おうとしていたんですか」
「あくまで説の一つです」
エキセドルは驚きを隠せない彼にこう告げた。
「ですから」
「そうですか」
「他にはです」
彼はさらに話すのであった。
「制御不可能となったゼントラーディ、メルトランディによる殲滅」
「私達ね」
ミスティがそれを聞いて呟いた。
「つまりは」
「そうです。それにプロトデビルンも加えられるます」
「生きる意志を吸い取るプロトデビルンは」
そこから話すシェリルだった。
「まさに知的生命体の天敵ね」
「そしてそのプロトデビルンは」
洸がそれについて言う。
「何処から来たんだ?一体」
「別の宇宙か世界からか?」
今言ったのは黄金だった。
「俺達みたいにな」
「有り得るわね、それも」
ルナもそれを否定しなかった。
「本当に」
「おそらくはこの先に手掛かりが」
ここでまた言うエキセドルだった。
「ある筈です」
「しかしもう」
ガムリンがここで残念そうに言う。
「通路はここで」
「待って」
しかしここでシェリルが見つけた。
「ここにも文字があるわ」
「これは」
エキセドルはその文字の解読もはじめた。それは。
「平和の証たる者、触れれば扉開かれん」
「平和の証たる者!?」
「というと」
「この言葉に何かの鍵が隠されているに違いありませんな」
「あの」
ミレーヌが出て来た。
「あたしにも見せてくれますか?」
「いや、落ち着け」
金竜がその彼を宥める。
「尖った部分もある。危ないぞ」
「痛っ」
言った側からだった。ミレーヌはその指を傷付けてしまった。
それで手を引っ込めてからだ。彼女はまた言った。
「ちょっと指の先を切っただけですから」
「ですが気をつけて下さい」
ガムリンはその彼女を心配して話した。
「破傷風になる恐れだってありますからね」
「え、ええ」
「すぐに消毒しましょう」
千葉が早速消毒の道具等を出してきた。
「じゃあ少し滲みますが」
「御願いします」
ミレーヌが消毒を受けようとしたその時だった。
不意に彼等の先の壁が光ってだ。何かが起こった。
「何っ、これは」
「影が開き出す!?」
「おお、これぞまさしく」
エキセドルが言う言葉は。
「デカルチャー・・・・・・」
「平和の証たる者よ」
「!?この声は」
「まさか」
「プロトカルチャー!?」
誰もが瞬時にそう察した。
「これが」
「我は」
その声がまた言って来た。
「プロトカルチャーの遺せし言の葉を蓄え」
「言葉を」
「それを」
「後の世に伝える役目とし」
その言葉が続けられていく。
「ここに眠るものなり」
「どうやら起こしてしまったようですな」
エキセドルはそれを聞いて述べた。
「これは」
「平和の証たる者」
声はまた言ってきた。
「触れれば扉は開き」
「扉が」
「それが」
「我を眠りから呼び覚ます者なり」
「一体」
そこまで聞いて考える顔になるガムリンだった。
「平和の証たる者とは」
「それは」
声がまた言ってきた。
「異種族の血の混ざり合いし者」
「ってことは」
「それは」
皆ここでミレーヌを見るのだった。
「ミレーヌさん、貴女です!」
「あたし!?」
ガムリンの言葉に思わず応えるミレーヌだった。
「あたしって・・・・・・」
「平和の証たる者とは!」
「確かに」
ここでエキセドルはエイジも見て言った。
「貴方もですが」
「僕もまた」
「そして貴方達も」
今度は健一達も見る。ロンド=ベルには多かった。
「二つの勢力の間に生まれた平和の象徴達」
「あたしが」
「僕が」
「俺達は」
「この時が来るのを待っていた」
声がまた言ってきた。
「平和を司る者達よ」
「はい」
「僕に」
「俺達への言葉か」
「時空の歪みより異次元のエネルギー体が戦闘兵士エビルに取り憑いた」
「エネルギー体・・・・・・」
健一はそれを呟いた。
「それがなのか」
「取り憑いたって」
「何かさ」
「そうでごわすな」
大次郎は日吉の言葉に頷いた。
「オカルトみたいになってきたよね」
「全くでごわす」
「その異次元のエネルギーは悪魔の様な存在となった」
「そういえばあれは」
「確かに」
「そういった」
彼等にしてもそう思うところだった。
「我々はそれをプロトデビルンと呼んだ」
「プロトデビルン!」
「それじゃあ」
「彼等は」
「そうね」
リツコも真剣な顔で頷く。
「戦闘兵士エビルが変化したものだったのね」
「そして」
セニアも言う。
「エビルを変化させたものは異次元のエネルギー」
「プロトデビルンはあらゆる銀河の生物のスピリチアを奪い取った」
声がまた語ってきた。
「彼等はスピリチアがなければ生きてゆけぬ存在なのだ」
「そのスピリチアだが」
「そうよね」
「何なんだ?」
ここでまた疑問が生じていた。
「それは一体」
「話を聞くと」
「精神とか魂の様なものみたいね」
シェリルはそう推察した。
「語源からも考えて」
「おそらくはじゃ」
兵左衛門も語ってきた。
「奴等が吸い取る生きる気力やその他の総称じゃな」
「それですか」
「スピリチアとは」
「彼等はあまりに無造作にスピリチアを乱獲した」
また声は語った。
「その為スピリチアを持つ生物がいなくなり絶えかけた」
「乱獲で」
「それで」
「そして彼等は生命の源を自ら断ってしまい」
「その辺りは動物と同じ?」
「そうよね、普通の」
「そんな感じよね」
皆話を聞いて思ったのだった。
「何か」
「そういう感じだけれど」
「そして力を弱めた」
「つまりです」
エキセドルはここでまたわかった。
「彼等は自らそのスピリチアを生み出せないわけですね」
「スピリチアを喪失した彼等は以降力を弱めた」
そうなったというのだ。
「さらにある神秘的な力が彼等を封じ込め」
「神秘的な力!?」
「それは一体」
ここでまた謎が出て来た。しかし声の話はそのまま続く。
「長き眠りにつかせたのだ」
「その力って」
「神秘な力とは」
「何なんですか?」
「アニマスピリチア」
ここでエキセドルが呟いた。
「それですね」
「アニマスピリチア、それは」
「!?」
「誰だ!」
ここで銃声がした。ヴィレッタが放ったのだ。
「そこにいるな」
「いきなり銃弾を浴びせるなんてね」
ここで女の声がしてきた。
「随分と手荒な挨拶だねえ」
「御前は!」
「エツィーラか!」
マーグとロゼが咄嗟に身構えた。
「何故ここにいる!」
「貴様程の者が!」
「ちょっとね。面白いものがあるからね」
そう言ってであった。赤い髪の女が出て来たのだった。異様な巫女の服をした派手な女だ。その手には杖がある。
「だからなんだよ」
「皆、気をつけてくれ」
マーグが全員に告げる。
「この女こそエツィーラ=トーラーだ」
「!?トーラーっていったら」
「レビの」
何人かはこのことに気付いた。
「名字だけれどよ」
「まさか」
「そのまさかだ。バルマー十二支族の一家トーラー家の者だ」
「マーグ様のギシン家と同じです」
ロゼも言ってきた。
「その家の者です」
「じゃあバルマーの中でも」
「かなりの高官!?」
「この女が」
「そう」
エツィーラも得意げに自分から言ってきた。
「帝国の祭司長さ」
「その貴様が何の用だ」
ヴィレッタは既に彼女に銃を向けている。
「それは何故だ」
「それはね・・・・・・んっ!」
突如として壁が光った。そうしてだった。
「これは!?」
「おお、遺跡が」
レツィーラとエキセドルは同時に声をあげた。
「何か起こるね」
「今度は一体・・・・・・」
「近付くプロトデビルンは殲滅すべし」
これが今度の言葉だった。
「近付くアニマスピリチアは迎えるべし」
「アニマスピリチア・・・・・・」
「また」
「それのある所」
声の言葉が次第に小さなものになってきていた。
「それこそ即ち半永世・・・・・・」
「!?終わった」
「これで」
声が途切れた。まさにそれで終わりであった。
「気配が消えた」
「これで」
「もう何処にも」
「おやおや」
レツィーラもそれを感じ取っていた。そのうえでの余裕の言葉だった。
「盗み聞きしたのがよくなかったのかねえ」
「また聞こう」
ヴィレッタの言葉はいよいよ剣呑なものになっていた。
「何の用だ、バルマーの人間がだ
「プロトデビルンの情報を手に入れる為さ」
それだというのだ。
「あの連中は私達にとっても厄介な相手だからね」
「ふむ。それでは」
彼女のその言葉を聞いて言うエキセドルだった。
「我等の敵は同じだというのですか」
「まあそうだね」
レツィーラは彼の言葉に応えながらこんなことも言った。
「ゼントラーディ人のあんたに言われるのは納得がいかないけれどね」
「確かに」
それはエキセドルやガルドも認めた。
「我等の戦争も長きですからな」
「私達はね」
レツィーラはここでまた言ってきた。
「ここにいる地球人みたいにあんた達と手を組むつもりはないけれどね」
「私達ともなのね」
「そうさ」
こうメルトランディ人のミスティにも答えるのだった。
「支配するならともかくね」
「またか」
洸はそれを聞いて不機嫌さを見せてきた。
「御前達はそうやって」
「最近分が悪いけれどね。裏切り者もいるし」
「それは私のことか?」
「そうさ」
ロゼに対する返答だった。
「あんたもそうだしね」
「手前のその態度」
それを見て起こったのは一平だった。
「あのハザルとかいう奴と同じだな」
「そうね、確かに」
「これがバルマーだっていうのね」
「やっぱり」
「ハザル!?」
しかしだった。レツィーラはここで一旦忘れた様な顔をしてきた。そのうえで思い出した様な顔になってそのうえで言ってきたのである。
「ああ、あのお坊ちゃんかい」
「お坊ちゃん!?」
「あいつが」
「シヴァーのね」
また一同の知らない名前であった。
「あれも父親同様に救いようのない奴だね」
「あいつが救いようのない」
「しかも父親!?」
「また何が」
「ハザル=ゴッツォは宰相シヴァー=ゴッツォの唯一人の子供です」
ここでロゼが話す。
「ですから」
「そうか、それで今」
「父親を」
「鍵さえ手に入ればいいと思ってるなんてね」
「鍵!?何なんだそれは」
「一体」
ロンド=ベルにとって謎がまた出て来た。
「鍵というと」
「それは」
「無限力の発動が近いのに詰まらないプライドにしがみついてね」
レツィーラはまた言った。
「所詮小者なのさ」
「おかしなことを言うものだな」
マーグがその彼女に言ってきた。
「レツィーラ=トーラー、御前の言葉とは思えぬ」
「へえ、何か知ってるのかい?」
「少なくともだ」
マーグはレツィーラを見据えて言ってきていた。
「以前の御前の口調とは全く違っている」
「えっ、そうなのか!?」
「昔は違ったの」
「今みたいなのじゃなくて」
「そうだった」
言葉は既に過去形であった。
「どういうことなんですか!?」
「違うって」
「以前のこの女は徳の高い祭司長だった」
「へっ!?」
それを聞いて驚きの声をあげたのはジュドーだった。
「この如何にも洗脳とか謀略とかしそうなおばさんがかよ」
「おばさんは余計だね」
レツィーラは今の言葉にはすぐに反応した。
「私はまだ二十代なんだよ」
「いや、外見はそうでも」
「中身はって結構あるし」
「そうよね」
「れっきとした二十代さ。しかしマーグ」
「何だ?」
「あんたはまだ知らないのさ」
こうマーグに言うのであった。
「まだね」
「私が何を知らないというのだ?」
「何もかもがだよ」
知らないというのである。
「知らないね、本当にね」
「少なくとも御前が変わったのは知っている」
これがマーグの返答だった。
「それはだ」
「言うようにはなったね」
「そうだな。だが御前はだ」
マーグの語るその言葉は鋭いものだった。
「全くの別人になってしまったな」
「知ったからね」
だからだと返すレツィーラだった。
「私もね」
「何をだ?」
「無限力にアポカリュプシスをね」
「アポカリュプシス・・・・・・」
それを聞いたエキセドルの反応が一変した。
「その言葉は」
「エキセドルさん、どうしたんですか!?」
「何か様子がおかしいですけれど」
「プロトデビルンよりももっと深い位置に記憶されている・・・・・・」
顔から血の気が引いていた。
「何でしょう、それは」
「それを発動させる力」
そのレツィーラがまた語る。
「そしてそれに取り憑かれた者達」
「それを一体」
「どうするつもりなんだ?」
「私はそれを知りたいだけさ」
「まさか」
ここまで聞いたシェリルの言葉である。
「それはイデに取り憑かれたソロシップのこと?」
「答えとしては不十分だね」
これはエツィーラの返答だった。
「とりあえずはね」
「とりあえずは」
「この遺跡の浮上でまたスケジュールが進むね」
「待て」
マーグがまた彼女に言ってきた。
「御前はどうも私達が帝国の手の内にいると思っているようだな」
「さて、それはどうかね」
「それは違うな」
エツィーラを見据えての言葉だった。
「残念だがな」
「違うっていうのかい?」
「現に私は今貴様の前にいる」
彼自身を出しての言葉だった。「こうしてだ」
「じゃあ聞くよ」
「何をだ?」
「そのあんたが今この惑星にいる」
「このことがか」
「そうさ。プロトデビルンの活動宙域にいる」
このことを言うのであった。
「それはどうしてだい?」
「それはもう読んでいる」
タケルの言葉だ。
「帝国が誘い出したというんだな」
「そうさ。多くの勢力を退け帝国の一個方面軍を崩壊させた」
彼等のこれまでの戦いの結果だ。
「これでも帝国も敵が多くてねえ」
「っていうか多過ぎるよな」
「そうよね」
甲児とルナが顔を見合わせて言う。
「宇宙怪獣にバッフ=クランにそれによ」
「プロトデビルンだってね」
「こっちも大変ってわけでね。キャンベルやボアザンも造反したしね」
「今時あんな封建主義を敷いているからだ」
エイジの返答は冷たいものだった。
「造反が相次ぐのも道理だ」
「ふん、バルマー人以外に力を渡して何になるってんだい?」
これがレツィーラの返答だった。
「それこそ同胞でもないのにね」
「その考えこそが間違いだ」
マーグはまたレツィーラに言い返した。
「バルマーも地球もない。我等は所詮同じだ」
「そうだ!ニュータイプも超能力者もコーディネイターもサイボーグも関係ない!」
凱の言葉だ。
「そんなことはだ!」
「まあいいさ。とりあえずあんた達はそのまま戦ってもらうよ」
言いながら一歩退くレツィーラだった。
「これで必要な情報は手に入ったし。後は」
「待て!」
ガムリンが追おうとする。
「逃がさんぞ!」
「!!」
「これは!」
今度は爆発音が聞こえてきた。衝撃が僅かに一同のところにも来た。
「爆発・・・・・・」
「一体何処で」
「来たようだね」
レツィーラはそれを聞いても涼しい顔であった。
「この遺跡の存在を邪魔に思う連中がね」
「それってまさか」
「プロトデビルン?」
「まさかね」
レツィーラの言葉が楽しむものになっていた。
「アポカリュプシスの縮図がこの目で見られるなんてね」
「待て!」
去ろうとする彼女をサコンも追おうとする。
「そのアポカリュプシスとは何だ!」
「さあね」
それについてはあえて言おうとしないエツィーラだった。
「私の集めた知識は私だけのものさ」
「ちっ、そう言うと思ったぜ!」
「あんたみたいな人間はね!」
「けれどもうすぐね」
エツィーラは悠然と笑ったまま彼等に告げる。
「もうすぐあんた達も身を以て知ることになるよ」
「身を以て」
「何を」
「無限の力の目的をね」
こう言って姿を消すのだった。まるで煙の様にだ。
「くそっ、逃がしたか!」
「何て速さ!」
「けれどね」
エクセレンがここで言った。
「これ以上ここにいても仕方ないわ」
「そうですね」
エキセドルがその言葉に頷く。
「それでは。外に出ましょう」
「急いで」
「今から」
彼等はすぐに外に向かう。しかしであった。
「無限の力」
「アポカリュプシス」
その二つの言葉が彼等の中に残った。
「それは一体」
「何だというの?」
彼等が戻るとだった。敵はまだ動いていなかった。一機も来ていない。
「衛星軌道上の敵の動きは」
「先程までは超高空より遺跡への攻撃がありました」
美穂が艦橋に戻ったエキセドルに告げる。
「ですが今は沈黙しています」
「おかしいですね」
エキセドルはそれを聞いて呟いた。
「彼等は遺跡を破壊する気がないのでしょうか」
「大気圏以外は」
今度はサリーが言ってきた。
「敵のジャミングにより状況が殆ど掴めません」
「わかりました」
エキセドルはそれを聞いて言った。
「今のうちに全機出撃です」
「わかりました」
「それでは」
こうして全軍戦闘態勢に入ったその時だった。
「敵です!」
「来ます!」
こうしてだった。両軍は再びラクスで戦闘に入るのだった。
すぐにロンド=ベルを取り囲んで来る。ここれフォッカーが言ってきた。
「いいか!」
「はい!」
「敵のパイロットはコントロールを受けているだけだ!」
柿崎からわかったことである。
「できるだけコクピットは狙うな!」
「わかってます!」
「それは」
「俺だってな!」
その柿崎も当然いる。
「やられてばかりじゃねえからな!」
「そうだな。しかし」
輝はここでふと思うのだった。
「バサラ君はまだか。戻って来る時じゃないんだな」
「よし、来たぞ!」
「ならあたしが!」
ミレーヌがここで叫ぶ。
「歌うわ!バサラの分までね!」
「うっ・・・・・・」
ここで洸が何かを感じた。それはライディーンの共鳴だった。
「これは」
「洸、どうしたの?」
「い、いや」
まずは誤魔化した洸だった。
「何でもないよ」
「そうなの」
(胸騒ぎがする)
だが心の中では言うのだった。
(これはまさか)
そして考えるのだった。
(あの女が言っていたアポカリュプシスの前兆なのか?)
「来たぞ!」
「ええ!」
だがこれ以上考えている時間はなかった。
「全軍戦闘用意!」
「コクピットは狙わなくても派手に行くぜ!」
こうして戦いに入った。プロトデビルン達は四方八方から来る。ロンド=ベルは遺跡、そしてシティ7を囲んでそのうえで戦うのであった。
暫くそのまま戦いが続いた。そして一時間程経つとだった。
バロータ軍はいなくなった。とりあえずは彼等の勝利だった。
「油断するな」
「ええ」
「そうですね」
サエグサとトーレスがブライトの言葉に頷く。
「また来ますね」
「第二陣が」
「そうだ、間違いなく来る」
それはもう読んでいるブライトだった。
「奴等のことだ。絶対にな」
「そうですね。それは」
「間違いなく」
誰もがそう思っていた。しかしその時だった。
「何っ!?」
「バッフ=クラン軍!?」
「まさかまた」
「出て来た!?」
「惑星に効果できたのはこれだけか」
ダラムが部下達に問う。
「今は」
「はい」
部下の一人が答える。
「残りは衛星軌道上の艦隊と交戦中か」
「若しくはか」
「はい、あるいは」
「撃沈されたか」
ダラムは苦い顔で述べた。
「これではだ」
「これでは?」
「手ぶらで帰っては財団に申し開きが立たんか」
「ダラム様」
ギジェもいた。
「ロゴ=ダウの異星人は巨神以外にも相当の戦力を持っています」
「報告は聞いている」
ダラムはこうギジェに返した。
「だが」
「だが、ですか」
「雇い主のオーメ財団の為にもだ」
「財団の為にも」
「我々は結果を出さなければならん」
「はい」
「ギジェ」
ダラムはギジェに対して告げてきた。
「御前はイデ探索を願い軍を引いた身だ」
「その通りです」
「働きを期待しているぞ」
「有り難き御言葉」
「各員に告ぐ」
そのうえで全軍に告げてきた。
「我々の任務は何だ」
「はい、イデの力を手に入れることです」
「そしてバッフ星に持ち帰ることです」
「そうだ。邪魔をするロゴ=ダウの異星人は駆逐しろ」
そうしろというのだ。
「それ以外は無視して構わん」
「あれは」
ここでバルゴも降下してきた。
「別の銀河からの種族、奴等もスピリチア再生種族か」
「げっ、あいつまで!」
「出て来たのかよ!」
ロンド=ベルの面々は彼の姿を確認して言った。
「こんなところで」
「余計に厄介なことに」
「だが」
ここでまた言うバルゴだった。
「我等の今の狙いはゲペルニッチ様の邪魔をする者達だ」
「長官!」
「わかっている」
大河はスワンの言葉に応える。
「各員はプロトデビルンと共にバッフ=クランも迎撃する!」
「了解デス!」
「まずい」
ここで洸は呟いた。
「胸騒ぎが収まらない、まさかまだ」
「レーダーに反応です!」
案の定ここでマヤが言った。
「今度は」
「誰だ!?」
「今度の勢力は」
「帝国軍です!」
彼等だというのだ。
「彼等です!」
「ちっ、四つの勢力が!」
「ここに!?」
彼等自身も入れての言葉だった。
「出て来たなんて」
「まさか」
「こっちも慈善事業をやってるわけじゃないんでね」
エツィーラがそこにいた。
「それじゃあね」
「!?」
「しまった!」
エツィーラがここで攻撃を放つ。しかしであった。
戦艦が狙われたのだった。ソロシップがだ。
「しまった!」
「ベス、大変だ!」
ハタリがベスに言う。
「機関部をやられた!」
「何だと!?」
「エンジンに異常発生!」
ジョリバが言う。
「航行に支障が出るぞ!」
「ははは、これでね」
エツィーラはエンジンにダメージを受けたソロシップを見て言う。
「発動条件の足しにはなるね」
「くっ、何てことだ」
「これでは」
「無限力をはじめとするあんた達の力を見せてもらおうかね」
「あの機体」
ヴィレッタはその攻撃を仕掛けてきた機体を来て言う。
「エツィーラ=トーラーか」
「帝国も来たか」
「はい、バルマー帝国です」
ギジェがダラムに報告する。
「あの者達もです」
「我等の敵か」
「その通りです」
バッフ=クランも帝国も既に戦闘に入っていたのだ。
「彼等もまた」
「だが」
しかしここでダラムは言った。
「奴等にイデの巨神を渡すわけにはいかん」
「それでは」
「邪魔をするなら戦う」
そうするというのだ。
「しかし今はだ」
「あくまで巨神を」
「そうですね」
「そうだ。攻めるぞ」
「はい」
こうしてだった。三つの勢力がロンド=ベルを完全に取り囲んだ。そうしてだった。
「来たぞ!」
「三つの勢力が」
「まずい・・・・・・」
「全ての軍が来たか」
サンドマンも今は表情が険しい。
「ここでか」
「あのですね」
小介はここで言った。
「僕の計算だと勝利の確率は限りなく」
「そんなことはどうでもいい!」
今叫んだのはドモンだった。
「ここまで来たら計算なぞ問題ではない!」
「左様、戦いそして生きる!」
キメラも言う。
「それだけだ。今の拙僧達はだ」
こうしてであった。彼等はその三つの勢力との戦いに入った。戦いはこれまでになく恐ろしいものになろうとしていた。

第九話完

2010・3・6  
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