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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第五十八話 あっ、皆揃いましたその十二

「一瞬でも油断すれば」
「歩君の後ろは」
「実際にかなり痛いらしいけれど」
「御存知ないですか」
「そういうことはね」
 実は男女交際にすら疎かったりする。氷川に浮いた話はない、そうした話はどうしてもなのだ。
 それでさらにこうも言うのだった。
「しかし。相川君はもてるね」
「実はそうなんです」
「そうだね。羨ましいって言えば羨ましいかな」
「俺はいたがな」
 葦原はその過去を語りはじめた。
「しかしな」
「別れられたんですよね」
「仕方なかった。ギルスになってしまったからな」
 もう俯かない。しかしそれでも口調は暗くなっていた。
「それならな」
「そしてその過去をですね」
「終わったことだからな」
 これが今の葦原のアンダーソンの返答だった。
「それもな」
「いいのですね」
「あの時は確かに痛かった」
 ギルスになり全てを失った、そのことがだった。しかしそれでも今はだった。
「終わった」
「そうですね。終わりましたね」
「今は一緒に住んでいる相手もいる」
「確か犬とも」
「いい奴だ。一緒にいると心が落ち着く」
「犬はいい生き物ですよね」
「本当にそう思う」 
 語る葦原の顔も綻んでいる。
「だから今も一緒にいる」
「そういえばあれだよな」
 しかし織戸はこう言うのだった。犬と聞いて。
「犬って言われて罵られるのってな」
「奇麗な人からだよね」
 アンダーソンもわかって応える。
「それがいいっていうんだよね」
「そういうのってゾクゾクくるよな」
 己の身体を実際に震えさせて言う織戸だった。
「病み付きになるよな」
「確かに。刺激的だよね」
「一度言われてみたいな」
 織戸は言いながらセラフィムを見る。しかしセラフィムはこう冷たく言うだけだった。
「お断りします、糞虫」
「うう、犬はなしか」
「犬なぞ勿体ないです」
 セラフィムはさりげなく犬という言葉を忍ばせはした。
「全くどうしようもありませんね」
「まあ罵られるだけ快感か」
「織戸君、その言葉は完全に変態のものですよ」
 津上はそんな織戸に呆れはした。しかしそうしたやり取りを経てその親睦を深めていく一同だった。戦士達の絆は深まってはいっている。
 そしてその中でアリエルが言う。今は全員で酒を楽しんでいる。
 焼酎を飲みながらこう言うのだった。
「じゃあそろそろ他の世界の人達も呼んで」
「そのうえでだな」
「はい。決戦の準備も進めましょう」
 木野に応える。戦いの準備も進めはしていた。


第五十八話   完


                           2012・9・10 
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