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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第五十七話 そう、スサノオですその二

「今出ている分はです」
「スサノオの手の者だな」
「そう思います」
 こうハルナにも答える北條だった。
「これまではともかくとして」
「俺がゾンビになった理由はお話しましたけれど」
 歩は今は砕けた感じになっている。ゾンビだが普通に食べてはいる。
「まあ一回殺されて」
「それでユー子ちゃんに生き返らせてもらってよね」
「ええ、そうです」
 真魚に対して答える。
「それで生き返って魔装少女になってなんです」
「多分殺された理由とか原因はスサノオとは関係ないわ」
 真魚も肉を焼き食べながら歩に話す。
「けれどそれでもね」
「スサノオがこっちの世界に関わる理由は俺ですか」
「そう思うわ」
「具体的にはあれなんですよ」
 津上もここでこう言う。
「スサノオっていうのは人間を見たいですから」
「だから俺もなんですね」
「そう思いますよ」
「あっ、俺のことは本当に歩でいいですから」
 名前で呼んで構わないというのだ。
「それでなんですけれど」
「はい、歩君」
「俺が人間だからですか」
「そして他の人達もです」
 津上はユー子やサラス達も見て言う。
「人間ですから」
『私も?』
「勿論ですよ」
 津上はにこりと笑ってユー子の言葉を読んで答える。
「ユー子さんも人間ですよ」
『私は』
「ネクロマンサーだっていうんですね」
『そう』 
 それ故にだというのだ。
『だから人間じゃない』
「姿形とか出自じゃないんですよ、人間は」
『じゃあどうして人間になるの?』
「さっきから言ってますけれど」
『心が人間なら』
「それで人間なんですよ」
 ユー子に対しても言うことは同じだった。
「俺はそう思いますよ」
「だから俺もなんですね」
「歩君も困っている人がいたらどうしますか?」
「ええ、その場合は」
 すぐに答えることができた。そうした場合は歩もだった。
「やっぱり助けないと」
「駄目だって思いますよね」
「ええ、それは」
「そういうことなんですよ。そしてそれ故に」
「スサノオが来たんですね」
「歩君達が人間なのかどうか」
「それを見てくるんですか」
「それがスサノオなんですよ」
 こうも言う津上だった。
「とにかく退屈していて」
「あの、退屈っていう理由だけで仕掛けてくるって滅茶苦茶じゃないんですか?」
 織戸から見れもそれは一目瞭然のことだった。だからこそこう言ったのだ。彼も肉を勢いよく口の中に入れている。
「それなら牢獄の中ですよね」
「はい、そこです」
「そこで好きにしてればいいじゃないですか」 
 織戸の言うことも一理あった。こちら側の者達は皆頷く。
「それで何でここにまで仕掛けるんですかね」
「だからだ。スサノオは気が遠くなるだけその牢獄の中にいるんだ」 
 蘆原は静かに肉を箸で取りながら言う。言いながら何気にトモノリの皿を見てそこの異様なまでにぶちまけられているマスタードやケチャップを見て内心首を捻ってもいる。
 だがそこに突っ込むことは後回しにして今は織戸にこう言った。
「考えてみるんだな。自分がその中に永遠にいれば」
「女の子の体育の授業を見たりとか雑誌を読んだりとかメイド喫茶に行ったりとかは」
「一切できない」
 言うまでもないことではあった。
 
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