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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第五十六話 はい、仮面ライダーですその三

「そうとだけ言っておくよ」
「?あの、ですから」
「何があるんだ」
「行ってみればわかるよ」
 それでだというのだ。
「その時にね」
「わからないな」
 蘆原は真顔でいぶかしんでいた。
「何があるんだ」
「ですよね。何なんだ」
 氷川も同じ顔だった。蘆原と。
「その世界のゾンビには謎があるんでしょうか」
「謎というか」
「謎というか?」
「変態と言うべきかな」
 これが今の青年の言葉だった。
「そうなるかな」
「変態!?」
 その言葉を聞いて蘆原は思わず首を捻った。他の二人も同じだ。
「どういうことだ。それは」
「だから。普通じゃないっていうかね」
「ただゾンビであるだけではないんだな」
「魔法少女なんだ」
 青年はやや戸惑う顔でこう話した。
「その世界にいるのはね」
「ゾンビで魔法少女」
「一体何なんだ」
「一つずつならあるにしても」
「二つ重なるとな」
 どうかとだ。津上と蘆原が話していく。
「どうしても全然」
「想像がつかないな」
「百聞は一見にしかずだよ」
 青年が今度言った言葉はこれだった。
「まずはその世界に行ってからね」
「確かめる」
「そうすればわかる」
「そういうことか」
「そこでスサノオが君達に何を見せたいのか」
 青年はデザートのザッハトルテ、やはり津上が作ったそれを食べながらさらに話す。
「今はまだわからないけれど」
「まずその世界に行って」
「それからか」
「うん、そうするとわかるよ」
 こう三人のライダー達に話す。そうしてだった。
 彼等は青年との話を終えアギトから警視庁の前に向かう。その際青年が三人と同行する風谷真魚を見送って言った。
「健闘を祈るよ。人間としてね」
 こうアギトの玄関で言ったのである。
「そのことをね」
「人間として、ですか」
「僕も大きな、多くの過ちからわかったからね」
 こう自分と向かい合う四人に言ったのである。
「仮面ライダーは人間だってね」
「それでなんですか」
 真魚が青年の今の言葉に応える。
「私達を見送ってくれるんですね」
「僕は人を愛している」
 このことは変わらなかった。例え何があろうとも。
「そう、人間をね」
「じゃあ翔一君達は」
「うん、人間だよ」
 それに違いないというのだ。人間だというのだ。
「紛れもなくね」
「例え姿形が変わっていても」
「それは表面だけのことだから」
 それに過ぎないというのだ。
「そのことが。本当によくわかったよ」
「じゃああちらの世界のゾンビであり魔法少女である人も」
 真魚も津上達から話を聞いてその人物のことを知っていた。
「人間なんですね」
「正視できないまでに変わっているけれどね」
「えっ、貴方でもですか!?」
「それだけ凄いものがあるからね」
 だからだというのだ。
「少し。正視はね」
「難しいんですか」
「そのことだけは言っておくよ」
「訳がわからないが」
 蘆原にとってもだった。これまで多くの戦いを経てきた彼にしても。
 
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