仮面ライダー エターナルインフィニティ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五十六話 はい、仮面ライダーですその二
「そのゾンビの人も人間ですよ」
「三人の言葉を聞いて安心したよ」
実際にこう言う青年だった。
「僕はずっとわからなかった」
「あの戦いのことか」
「人間とアギトは別じゃなかった」
青年は自分がかつて犯した過ちのことを思い出しそのうえで言っていく。
「同じだったんだよ」
「それは僕もですね」
「仮面ライダーは何か」
青年は氷川に対しても言う。
「人間なんだ」
「アギト、ギルスもだな」
「勿論」
やはり人間だというのだ。
「心が人間だからね。逆に言うと」
「身体が人間でも、ですね」
津上が青年に問うた。
「それでも」
「心が人間でないならね」
「それでもう人間でなくなりますよね」
「そうだよ。人間は心で人間になるんだ」
アンノウンを使った戦いで青年も辿り着いたのだ。この考えに。
「そういうものなんだよ」
「だったら。俺達がそこに行っても」
「問題ないね。その世界のことはね」
どうするかと。青年は人間である津上が作った料理を楽しみながらそのうえで三人のライダーに対して述べた。
「君達に任せるよ」
「はい、じゃあ行って来ます」
「そしてそのゾンビになっている人と一緒に」
「スサノオと戦って来る」
「そういうことでね」
笑顔で言う三人だった。こうした話をしてだ。
三人は青年にあらため2て問うた。その問うこととは。
「それでなんですけれど」
「その世界に行く門は」
「何処にある」
「ああ、そのことだね」
その話にも応える青年だった。やはり食事を続けながら。
「もう何処にその門があるかわかってるよ」
「それは何処ですか?」
三人を代表して津上が問うた。
「一体」
「警視庁の前だよ」
そこだというのだ。
「そこに冥界の門みたいなのがあるから」
「そこから入ればいいんですね」
「うん、じゃあね」
青年はメインディッシュを食べ終えてからまた言った。
「健闘を祈るよ」
「じゃあ」
「ただね」
「ただ?」
「警察という組織のことも知ったけれど」
そのうえでの言葉だというのだ。
「問題はね」
「それは、ですか」
「うん。かなり変わった世界だから」
「俺達も変わってますよ」
津上は笑って自分で言う。
「その辺りは」
「いや、何があっても驚かないで欲しいからね」
青年の口調はこれまで以上に神妙なものだった。
「ゾンビで驚かない君達でもね」
「?ゾンビはどうでもないですよ」
「だからその君達でもね」
どうかというのだ。110
「何ていうかね」
「あの、何かあからさまに怪しいんですけれど」
「何がある」
氷川と蘆原も只ならぬものを感じ取って青年に問う。
「その世界に一体何があるんですか?」
「そのゾンビに何かあるのか?」
「何か以上のものがあるよ」
青年は言えるだけのことを言った。
ページ上へ戻る