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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第五十五話 絆の収穫その十

「それならな」
「では参りましょう」
「行くぞ」
「それでは」
 こう話してだった。三人の戦士達は跳んだ。
 その空中に舞う無数の欠片達を台にして跳び空中からスサノオに攻撃を浴びせる。その攻撃を受けてスサノオは言う。
「空を飛べるともか」
「跳べる」
「こうしてね」
 ダブルから左とフィリップが応える。そうしながらその手に持っている剣でスサノオに攻撃を浴びせながら、一撃離脱を繰り出しながらの言葉だった。
「攻める」
「そうすればいいんだよ」
「成程な。見事だ」
「あの娘の作戦が、じゃないな」
「他のことがだね」
「彼女だけではない」
 心衣だけではない、違うというのだ。
「彼女が信じる君達全員がだ」
「見事か」
「そういうことだね」
「仮面ライダーは空を跳べる」
 飛べるライダーもいるがだ。
「そしてその君達を信じて作戦を考えた彼女と」
「その作戦を実行したあの娘」
「その二人が」
「小石には当たらないで下さいね!」
 シャーロックが下から欠片達を操りつつ言ってきた。その欠片達もまたスサノオ、テラードーパメントを攻撃している。それは花吹雪というよりは砂嵐だった。
 その砂嵐の様な攻撃の中でだ。アクセルも攻撃を仕掛けていた。
 目にも止まらぬ、まさにその動きで攻撃を浴びせながらの言葉だった。
「俺一人でも無理なら」
「仲間達と共にだというのだな」
「そうだ。これならどうだ」
 やはり彼も一撃離脱だ。しかしスピードが違っていた。
 疾風そのものの動きで攻めながらだ。彼は言うのだ。
「貴様といえども」
「確かに効いている」
 スサノオもそのことは否定しない。
「徐々にだがな」
「ダメージを受けてきているな」
「そうだ。そしてだな」
「私もいますわ」
 アルセーヌだった。彼女はというと。 
 雷を放つ。今回は投げるナイフにそれを帯びさせている。そのナイフで攻撃を仕掛けその上でスサノオに対して言うのだ。
「こうして」
「ふむ。力を合わせるか」
「私のトイズは幻」
「しかし念が強ければな」
「実体化させられもします」
 アルセーヌの力があまりにも強いが故にだった。
「そうなりますので」
「かなりの力だ。しかしだ」
「そうです。私一人では貴方には勝てません」
 まさに圧倒的なトイズを持っている彼女ですらもだというのだ。
「人間は一人一人では弱いもの」
「そのこともわかっているか」
「私一人で何ができるか」
 これは自分自身への言葉でもあった。
「怪盗帝国は一人ではなく」
「そして今もか」
「人間は一人ではないのです」
 アルセーヌも至った考えだった。
「それぞれの方がおられてこそです。そして」
「そしてか」
「一つになってこそ」
 それぞれ違う個性の者同士が心と力を合わせる、それによって真の力を発揮し真の人間となるというのだ。 
 このことを言ってからだった。アルセーヌは再び雷を帯びさせたナイフを投げる。そのうえでの言葉だった。
「人は真の人なのです」
「君もその考えには中々至らなかったというのだな」
「最初は一人で充分だと思っていました」
 実際にそうだったというのだ。アルセーヌ自身もまた。
「しかし怪盗帝国の一人となり」
「まずは四人か」
「仲間を。友を知り」
 言いながら怪盗帝国の面々、今も下で戦う彼等を見る。見ながらも欠片と欠片の間を跳ぶことを忘れていない。
「そして仮面ライダーの方々と出会い」
「新たな絆も知ったか」
「ミルキィホームズもG4も」
 本来は敵である筈の彼等もだというのだ。
「今は仲間です」
「そしてその仲間達とか」
「貴方に人間をお見せします」
 アルセーヌもまた言わなかった。勝つ、とは。
 そのうえでだった。渾身の力を込めてこれ以上の数のナイフを投げた。それと共に下にいる心衣に対して告げた。
 
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