仮面ライダー エターナルインフィニティ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五十三話 小林オペラの帰還その八
「食事は自由に食べられる様にしました」
「そうしたんだな」
「トイズは戻りましたので」
だからだというのだ。
「ただ。それはそれで心配なことがあります」
「食うんだな、あの娘達は」
「餓えていなくともかなり食べます」
そうだというのだ。
「ですから。ビヤ樽にならないか心配ではあります」
「トイズをなくした頃って凄かったですからね」
ラットも同じクラスにいるだけによく知っていた。
「もう手当たり次第に何でも食ってましたから」
「生存能力は高いんだね」
「ああ、かなりな」
そうだとだ。ラットはフィリップに返した。
「とりあえず何をしても死なないな」
「成程ね。まずは体力だね」
「そうなるかな」
こうした話をライダー達と怪盗帝国の面々はティーセットを食べながら行っていた。そしてミルキィホームズの面々は、
学園の食堂でジュースとアイスクリームやパフェを食べていた。トイズが戻り食べられるようになっていたそうしたものを楽しんでいた。その彼女達のところにだ。
G4の面々が来た。ネロはその彼女達に気付いて言った。
「何なんだよ、共闘はしないんだろ?」
「そうよ。ただね」
「ただ。何だよ」
「挨拶しに来たのよ」
心衣がその小柄な身体のを何とか逸らしてネロに応える。
「ちょっとね」
「挨拶っていつもしてるじゃない」
コーデリアがパフェを食べながら言う。
「今更だと思うけれど」
「心衣達のじゃないわよ」
彼女達とは違うというのだ。
「神津さんのね」
「神津さんってあの」
エルキュールはその名前を聞いて彼のことを思い出した。
「神津玲さん」
「ああ、今戻って来てくれたんだよ」
次子も微笑んでそうだと話す。
「有り難いことにな」
「それで何処にいるんですか?」
シャーロックはアイスクリームで白く汚れた口でG4の面々に尋ねた。
「神津さんは」
「今は携帯で入った連絡に応えておられます」
平乃がそのシャーロックににこりと笑って話す。
「もう暫くお待ち下さい」
「指揮官復活」
咲は今も飴を嘗めてノートパソコンを触っている。
「これでスサノオに勝てる確率百パーセント」
「あんた達の出番はないからね」
心衣は今度は勝ち誇った感じになっている。
「まあそこで適当にパフェでも食べてなさい」
「ふん、こっちだってトイズが戻って来たからな」
それでだとだ。ネロは心衣にすぐに言い返す。
「そっちこそ出番はないからな」
「言うわね。出番がないのはあんた達よ」
「いいや、そっちだ」
「そっちだって言ったらそっちなのよ」
「そっちだろ、誰がどう見ても」
「トイズなくても負けないわよ。警察を甘く見ないことね」
「甘く見てるのはそっちだろ?」
ネロは立ち上がらんばかりになっており心衣もムキになっている。双方の仲の悪さはこの二人に象徴されていた。その中で。
後ろから彼が来た。その彼は。
グレーのシャギーの様なショートヘアに紫の鋭利な、理知的な目を持つ青年だ。眼鏡をかけているがそれが余計に理知を見せている。
スリーピースのスーツはグレーでネクタイは黄色い。すらりとした長身だ。
その彼がだ。G4のところに来てミルキィホームズの面々に言ってきた。
「久し振りだな、諸君」
「あっ、神津さん」
「話は聞いている。トイズを二回失ってだな」
「はい、また戻りました」
「それは何よりだ。しかしだ」
この男神津玲はその鋭い目で言う。
ページ上へ戻る