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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第五十三話 小林オペラの帰還その七

「ご一緒に如何でしょうか」
「お茶?コーヒーなら俺が淹れるぜ」
「左さんがですか」
「こう見えてもコーヒーには五月蝿いからな」
 コーヒーは彼の密かな趣味の一つでもある。それで言えることだった。
「だから。どうだ」
「そうですね。それでは」 
 アルセーヌは微笑んで左に応えた。
「左さんのコーヒーを頂きます」
「むう、私が紅茶を淹れるつもりだったが」
「ストーンリバーさんは紅茶も淹れられるのかな」
「これでも料理には自信がある」 
 実はホームズ学園の料理人でもあるのだ。
「お茶もだ。腕によりをかけてだ」
「煎れてるんだね」
「どうだ。フィリップ君も」
「それじゃあ僕は紅茶を」
 今回はそれを選ぶフィリップだった。
「お願いするよ」
「ティーセットもある」
 ストーンリーバーはそれも用意すると話す。
「それではだ」
「うん、それじゃあね」
 こうした話をしてだった。それぞれがコーヒーを紅茶を淹れそのうえでティーセットを楽しむ。ただしそのティーセットはというと。
 フランスのデザートばかりだった。ケーキやクレープだ。左はそういったデザートとコーヒーを楽しみながらアルセーヌに問うた。
「あんたのご先祖様の趣味か」
「おわかりになられますか」
 アルセーヌも左の言葉に思わせぶりな声で返す。
「そのことは」
「イギリス式のティーセットは駄目か」
「どうしても」
 それはだというのだ。
「ですからこうしてです」
「フランス風か」
「あの娘のルーツはイギリスですが」
 ここでまたシャーロックのことを言うアルセーヌあった。
「ですが私はフランスにありますので」
「そこが違うな」
「正直日本にいてよかったと思っています」
 こうまで言うのだった。
「若しイギリスにいれば」
「イギリスのティーセットか」
「それはとても無理ですから」
「イギリスのティーセットだが」
 ストーンリバーがそれについて左とフィリップに細かく話す。
「スコーンもサンドイッチもケーキ、フルーツに至るまでな」
「日本のとは違うか」
「そうなんだね」
「一つ一つがまずい」
 これがストーンリバーのイギリス、本場のティーセットへの評価だった。
「私が作ったものの方が遥かに美味しい」
「そうなんだな」
「うむ。シェフの腕がなっていない」
 それ故にだというのだ。イギリスのティーセットの味がよくないのは。
「あれだけ酷いシェフはそうはいない」
「それも国全体がか」
「そうだ。酷いものだ」
 ストーンリバーの言葉が続く。
「しkし日本人が作るとだ」
「同じティーセットでも違うか」
「全く以てな。それではだ」
「ああ、あんたのティーセットを貰いたい」
「ティーセットにも自信がある」
 伊達にシェフでもあるだけではなかった。そして。
 トゥエンティーもだ。フィリップに対してあることを問うていた。その問うこととは。
「君達の世界での美味しい喫茶店だけれど」
「結構多いよ。花鳥とかミルクディッパーとかね」
「成程。やっぱりあるんだね」
「あるよ。ただね」
「ただ?」
「ストーンリバーさんが作るみたいな本格的なティーセットを出してくれるお店はないね」
 そうした店はないというのだ。少なくとも実際にライダー達が行きつけにしている店にはなかった。どの店にも。
「ここまでなのはね」
「イギリスの食文化で数少ない褒められたものですからね」
 アルセーヌはかなりきついことを言ってみせた。
「朝食とお茶の時間だけは楽しめます」
「他は駄目なんですね」
「お勧めしません」
 こうラットにも返す程だった。
「それ以外は」
「ですか。じゃあ」
「今頃ミルキィホームズの面々もお茶を飲んでるのか?」
「部屋はそのままですが」
 それでもだとだ。アルセーヌは左の言葉にこう答えた。
 
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