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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第四十五話 仮面ライダーの心その十二

「そうなのよ。スサノオはそういう奴なのよ」
「我々は対立ではなくか」
「だから言ってるじゃない」
 ルクシャナもこうエスマーイルに言う。
「エルフとか人とかってね。大したことじゃなくて」
「心か」
「そうよ。心が人間ならね」
 それならばだというのだ。
「それで人間なのよ」
「だからスサノオは我々を煽ったのか」
「もっとも。和解はまだしていないけれどね」
 つい先程まで対立していた。それで和解なぞ言えたものではなかった。
 しかし共にいる。そのことからだった。
「それでもよ。一緒に戦うわよね」
「うむ」
 エスマーイルはそのことは確かだとだ。ルクシャナにも返す。
「エルフの誇りにかけてだ。一度言ったことは守る」
「わかったわ。じゃあ一緒にあのデカブツ倒すわよ」
「そうするとしよう」 
 二人で共に立つ。そうして。 
 煙が消えたその時にだ。ようやくだった。
 電王が立ち上がる。何とか生きている。
 だがそれはあくまで何とかだ。まさに満身創痍の状態だ。 
 しかしその状態でもふらつきながらも竜のところに向かう。その彼に対してルイズと才人が後ろから言った。
「ちょっとあんた達待ちなさいよ」
「まさかと思うが戦うつもりかよ」
「うん、そうだよ」
 その通りだとだ。良太郎が答えてきた。
 電王は二人に背を向けた形だ。振り向きはしない。前にいる竜を見据えて言ったのである。
「そうするつもりだよ」
「馬鹿言いなさいよ。その傷で戦える筈ないでしょ」
「もうボロボロですよ」
「いいからあんた達は下がっていなさい」
「ここは俺達が何とかしますから」 
 才人は良太郎に言っていた。
「だからいいわね」
「傷の手当てを」
「いや、あの竜は手強いよ」
 巨体だけでわかることだった。最早。
「スサノオでもあるしね。だからね」
「戦うっていうの!?」
「野上さん達も」
「そうだよ。電王がいないと勝てないからね」
 声はいつもの良太郎の微笑んだものだった。そうして。
 傷つきながらも立っている。そのうえでの言葉だった。
「だから僕も戦うよ」
「あのね。立っているだけでやっとじゃない」
「ですからここは本当に」
「ボロボロになってるのにまだ戦うの?」
「そうするっていうんですか」
「ボロボロとかな。理由にならないんだよ」
 モモタロスも言ってきた。彼も正面を向いている。
「仮面ライダーってのは勝たないと意味がないんだよ」
「あんたね。いい加減にしなさいよ」 
 ルイズは本気だった。モモタロスの今の言葉に対しても。
「そんな傷受けてふらふらになって。勝てる筈ないでしょ」
「そう言うんだな」
「何度でも言うわよ。どうやって勝つつもりなのよ」
「これから楽勝で勝ってくるんだよ」
 前を向いたままでの言葉だった。
「それで後でプリン食うんだよ」
「・・・・・・本気で言ってるのよね」
「ここで本気で言わない奴がいるかよ」
 モモタロスだけではなかった。それは。
 ウラタロス達もだ。こう背中からルイズ達に言うのだった。
「まあ見ててって。この戦いも格好よく釣るよ」
「泣くのは勝ってからやで」
「お菓子用意しておいてね。答えは聞かないよ」
「さて。満を持して勝利を手に入れようか」
「無謀にも程があるわね」
 その傷を考えばだった。ルイズから見ると。
 しかしだった。ルイズはそれと共にこう言うのだった。
「じゃあね。私も無謀になるわよ」
「ああ、そう言うんだな」
「才人もでしょ」
 ルイズは自分の横にいる才人にも問うた。
 
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