仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第四十五話 仮面ライダーの心その二
「それはね」
「いや、ベアトリス君はその間違いに気付いたね」
その彼女にだ。コルベールが優しく声をかけてきた。
「そうだね」
「ですが私はティファニアさんに」
「人は誰でも間違うものなんだよ」
このことには自分自身も入っている。コルベールもまた背負っているものがあるのだ。そしてそれを見ているアニエス、人形使いではなく銃士の彼女もまた。
「問題はその間違いに気付いた時にね」
「その時に、ですか」
「そう。それを正せばいいんだよ」
「私はそれができていますか?」
「今ティファニアのことをどう思っているかな」
コルベールがベアトリスに問うたのはこのことだった。
「そのことはどうなのかな」
「大切なお友達です」
そのティファニアを見ながらの言葉だ。
「誰よりも大切な」
「そうだね。そのことを受け入れられているのなら」
「いいんですか」
「偏見のない人間なんていないよ」
エルフとてだ。心が人間であるから。
「問題はそれをどう克服していくかなんだ」
「そのことが大事なんですか」
「君はそれができた」
ティファニアに赦され受け入れられたその時にだ。ベアトリスもできたというのだ。
「だからいいんだ」
「そうなのですね」
「そうだよ。私は野上君達を見て本当に素晴しいと思うことは」
実際に良太郎達を穏やかな目で見てだ。コルベールは述べた。
「心を見ていることだよ。人間のね」
「まあ皆色々ありまして」
良太郎はここでは少し照れ臭そうに笑って述べた。
「僕達も完璧じゃないですし。やっぱり」
「偏見はあるというのだね
「そのことは否定できません」
そうだというのだ。
「そんな立派な人間じゃないですから」
「立派ではないとしてもだ」
そう仮定してもだとだ。コルベールはその良太郎に話していく。
「君にはその偏見を乗り越えようとするものがある」
「そしてですね」
「そう。仮面ライダーの人達にはそれがあると思う」
これがコルベールの良太郎への言葉だった。
「そういうことなんだよ」
「そしてそれがですか」
「そう。君達仮面ライダーが立派だということだよ」
こう言ってだ。さらにだった。コルベールは良太郎だけでなく他の面々にも話した。
「我々だけじゃない。この世界でのエルフ達との間の偏見を少しでも消し去ろう」
「完全にじゃないのね」
「偏見は完全には消えにくいものだよ」
コルベールはキュルケにもこう話した。
「だから。完全には消えない、けれど」
「少しでもってことね」
「そうだよ。偏見を弱くしていくことはできるからね」
「結局はだ」
「そうだな」
ビダーシャルとアリィーが話す。
「我々エルフも人もな」
「本当に同じなのだな」
「人間ということか」
「醜い一面も含めてな」
「私も。今まで人だけが醜いって思ってたわ」
それはルクシャナもだった。暗い顔で話す。彼女にしては珍しく。
「けれどね。エスマーイルがティファニアに言ったこと、したことは」
「あの時な、俺は心残りがあるんだよ」
才人が忌々しげに言ってきた。
「あの野郎をぶん殴るってことだよ」
「そう思っても無理じゃないよね」
「ティファニアは人間なんだよ」
忌々しげに言う才人だった。ここでも。
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