仮面ライダー エターナルインフィニティ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第四十四話 デンライナーでの騒動その十五
「それだけに必死よね」
「そっくりさんか。俺だって欲しいんだよ」
「そのうち出ればいいけれどね」
「今はいないからな」
それでだというのだ。
「何かと辛いんだよ」
「だから必死なのね」
「青髪女、手前はそっくりさん何人いやがるんだ」
「今の時点で三人だけれど」
「私も三人よ」
「あたしは二人か」
「僕は双子を入れると四人だよ」
マミと杏子、キュウべえも答えてきた。
「まあそんな辺りだけれど」
「三人はやっぱり多めだと思うけれど」
「二人でも結構頼りになるぜ」
「四人いたらもう何も心配いらないよ」
「ちっ、本当に誰かいねえのかよ」
モモタロスも切実な顔で言う。
「俺のそっくりさんってよ」
「まあモモタロス、そんなこと言っても仕方ないから」
良太郎がいいタイミングで出て来てモモタロスを慰めてきた。
「今はね」
「ああ、とにかくだよな」
「そうだよ。いよいよ敵の本拠地に乗り込むからね」
だからだというのだ。
「気合入れていこうね」
「わかってるぜ。俺は何時でもクライマックスだからな」
「うん、今度の戦いも頼むよ」
良太郎は流石にモモタロスに優しい。口調も穏やかだ。
「この世界で一番激しい戦いになるだろうけれどね」
「それは間違いないな。長耳の奴等だってな」
エルフのことである。
「騙されてるっていってもな」
「首都で負ける訳にはいかないからね」
「自分達の本拠地だからな」
モモタロスは腕を組んで納得した声で応える。
「やっぱり当然だな」
「そうだよ。今度はクライマックスフォームだけでなく」
「デンライナーフォームも出すか」
「うん、何でも出してね」
「あのスサノオの野郎ぶっ潰すか」
「時間的には全くかかりませんが距離はありますので」
ここでまただ。車掌が一同に言ってきた。
「到着までの間はゆっくりとおくつろぎ下さい」
「じゃあ。コーヒーでも飲もうかな」
ギーシェはいささか気楽な感じで述べた。
「ナオミさんがちゃんと煎れてくれるし」
「はい、コーヒー如何ですか?」
ナオミもにこりと笑って応えてくる。
「何時でもいいですよ」
「じゃあ人間用のを一杯」
「野上のお姉さんもコーヒー煎れてくれるっていうけれど」
モンモランシーはギーシェの前の席から述べた。
「それも一度飲んでみたいわね」
「うん、何時でもいいよ」
良太郎が言ってきた、
「姉さんのコーヒー本当に美味しいからね」
「それにだよ」
ギーシェはここで目を輝かせてだ。良太郎に尋ねたのだった。
「君のお姉さんは凄い美人らしいね」
「えっ、誰から聞いたのその話」
「いやいや、皆言ってるよ」
仲間になったそれぞれの面々がだというのだ。
「それはね」
「そんなに有名なんだ、姉さんって」
「確かにあの人は凄い美人だな」
そのことはだ。慶彦も認めてきた。
「まさにかぐや姫だね」
「かぐや姫?」
「うむ、我が国の童話だ。とにかく単刀直入に言えばだ」
慶彦はギーシェがかぐや姫を知らないと見て話題を簡潔にさせた。
「別の世界から来たお姫様だね」
「その人みたいだっていうんだね」
「不思議なまでの美人だよ」
慶彦も若菜を褒めることにはやぶさかではない。それでこう言うのだった。
「いや、本当にね」
「じゃあ是非会いたいね」
ギーシェは慶彦の言葉を聞いて余計に目を輝かせる。だが。
その横からモンモランシーがむっとした顔で言ってきてだ。それで言うのだった。
「ギーシェ、わかってると思うけれど」
「あっ、それはね」
「ええ。浮気は許さないわよ」
「わかってるよ。というか何か仮面ライダーの世界の女の子達は」
「何処か違うっていうのね」
「うん、ハナさんといいコハナさんといい」
まずはこの二人だった。
「何かが決定的に違うからね」
「ひょっとして仮面ライダーに変身したらかなりの強さになるんじゃないの?」
モンモランシーもそう見るのだった。何しろハナもコハナも素手でかなりの戦闘力を持っているのだ。その強さは彼女もその目で見て知っている。
それでこう言うがだ。それでだった。
「ギーシェじゃ手に負えないかもね」
「うん、僕もそう思うよ」
「他の世界の娘達もね」
そちらもだった。仲間となった彼女達もまた。
「どの娘も個性派ばかりでね」
「僕達の世界も人のこと言えないけれどね」
「あんまり個性的で声かけられないのね」
「普通じゃないから、皆」
しかも明らかにだというのだ。
「少なくとも仮面ライダーの世界の人には声をかけないよ」
「賢明な判断ね。とにかくね」
「うん、いよいよだよ」
二人で言ってだ。そうしてだった。
エルフ族の首都に入る最後の戦いに思いを馳せる。この世界での最後の戦いが遂にはじまろうとしていた。
第四十四話 完
2012・5・27
ページ上へ戻る