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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第四十三話 エルフ軍強襲その十三

「こいつは手前等を利用しようとしてるんだよ」
「そうだろうな」
 テュリュークもだ。モモタロスの言葉を肯定してきた。
「それは私にもわかる」
「じゃあ何でスサノオと組むんだよ」
「人間を倒す為だ」
 まさにその為だとだ。テュリュークはクライマックスフォームから言うモモタロスに告げた。
「その為だ」
「で、俺はそのエルフに協力しているんだよ」
 スサノオのこの世界の姿である青年カイは実に楽しげに笑って電王に言う。
「そういうことなんだよ」
「カイ、またそうして」
「ああ、面白くしてるんだよ」
 笑いながら言うのだった。
「退屈を紛らわせる為にもな」
「だからこの世界でも」
「見るからな」
「じゃあ僕達とも」
「戦って。楽しませてもらうか」
「やれやれ。何度負けても懲りないね」
 今度はウラタロスがカイに対して言う。
「本当にどうしたものだか」
「まあええ。ここで終わらせたら話は終わりや」
 キンタロスはまだるっこしい話をしようとしなかった。そのうえでだ。
 一歩前に出ようとする。だがここでだ。
 電王のところにコルベールが来てだ。こう言うのだった。
「待ってくれないか」
「あれっ、何でなの?」
「確かにここで決着をつけるに越したことはない」
 そればベストの選択だというのだ。しかしだった。
 コルベールは難しい顔でリュウタロスに返したのだ。その返した言葉は。
「しかしそれはできそうにもない」
「ああ、わかったんだ」
「君は自分達の周りに結界を張っているね」
「むっ?」
 ジークがだ。クライマックスフォームを動かしてだった。
 ふと剣を前に出した。しかしだった。
 そこには結界があった。それで剣での攻撃を防ぎ金属音がした。ジークはその鋭い音を聞いて言った。
「成程。この結界はすぐには破れないな」
「そしてな。もうな」
 カイはここでも実に楽しそうに言ってきた。
「転移の魔術は使ったからな」
「私が使った」
 テュリュークがまた言う。
「全軍。生き残っているエルフ族は故国まで撤退する」
「作戦失敗を認めるっていうのね」
「そうだ。できればトリスティンの王都を陥落させるつもりだったが」
 それができない。テュリュークはこのことも無念そうに言った。
「それはできそうにもないからな」
「まあ予想はしていたさ」
 カイはそれも読んでいたというのだった。
 そしてその読みの根拠をだ。電王を見ながら言ったのである。
「御前等が来てるのはわかってたからな」
「この世界では何を見たいんだ、カイ」
 良太郎がこう問うとだ。カイは笑って言葉を返した。
「何だと思う?」
「僕が思っていることは間違いないと思うよ」
 これが良太郎の返答だった。
「そうだね」
「だろうな。まあそういうことだ」
「あのね、あんた利用されてるのよ」
 ルイズは今度は咎める顔でテュリュークに忠告した。
「このスサノオに」
「利用されていても私は御前達人間を倒す」
 あくまでだ。テュリュークは強硬派の立場からルイズに反論する。
「そうしてやる。絶対な」
「まあ。エルフ族はこういう考えだからな」
 カイはそのテュリュークの横で極めて楽しそうなままだった。
 そしてその楽しそうな顔でだ。彼は言うのだった。
「俺は仕掛けるんだよ」
「理性よりも感情なんだな」
 才人はそんなテュリュークの考えを聞いて忌々しげに言い捨てた。
 
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