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バカとリリカルと召喚獣

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とりあえず自己紹介だね(By明久)

 バカテスト 国語

 問 以下の意味を持つことわざを答えなさい。

『(1)得意なことでも失敗していしまうこと』

『(2)悪いことがあった上に更に悪いことが起きる喩え』


 姫路瑞希の答え

『(1)弘法も筆の誤り』

『(2)泣きっ面に蜂』


 フェイト・T・ハラオウンの答え

『(1)河童の川流れ』

『(1)踏んだり蹴ったり』


 教師のコメント

 正解です。他にも(1)なら『猿も木から落ちる』、(2)なら『弱り目に祟り目』などがありますね。


 土屋康太の答え

『(1)弘法の川流れ』


 教師のコメント

 シュールな光景ですね。


 吉井明久の答え

『(2)泣きっ面蹴ったり』


 教師のコメント

 君は鬼ですか。


 高町なのはの答え

『(2)泣きっ面にスターライトブレイカー』


 教師のコメント

 あなたは悪魔ですか。



~~~~~~~~~~~~



「なんだろう、このボロボロの教室……」

 『2-F』と書いてあるクラスを示すプレート(それも良く見れば『F』の下から『E』が見えるの)を見て、私は呆然と呟いきました。ここが旧校舎なのは知ってるけど、これはいくらなんでもボロ過ぎな気がします。というか、教室より廃屋と言った方がぴったり来る気がします。

「これが格差社会なんだね……」

 私は目の前の現実に、ただそう呟くしかありませんでした。

「まぁ、駄々こねても始まらないし……」

 私はそう決心して教室の戸に手を掛け開きます。

「すいません、遅れました」

「早く座れ、このうじ虫野郎」

 え……?

 私は思わず鞄を落としてしまいます。そりゃそうでしょう。いきなりそんなこと言われれば、誰だって傷つくし、ショックを受けます。

「な……お、女……?」

 私にうじ虫と言った人は、私を見てなにか驚いています。というか、よく見れば教壇に立っているのは制服を着ています。ということはこの人、男子……?いや、よく見ればこの人、明久君の友達の確か……坂本雄二君だったかな?

 そんなことを考えながら、私の中にふつふつと何かが沸いてきます。確かに、遅刻してきた私にも原因あるかもしれませn。でも、いきなりうじ虫は酷いと思います。それに、私は女の子だよ?

「ねえ……君、坂本君だっけ?」

「あ、あぁそうだが……」

「おかしいな……どうしちゃったのかな……?そりゃあ、遅刻した私にだって非はあるよ?でも、いきなり女の子に『うじ虫野郎』だなんて……それに、私は女の子だよ……?女の子に『野郎』なんて使うの……?私は少しだけど誠意を込めていったんだよ……?それなのに、『うじ虫野郎』だなんて……。それじゃあ、誠意込める意味、無いじゃない……」

「あ、いや……それはその……別におま……君……あなたを悪く言おうとしたわけじゃ……」

「少し……OHANASHIしよっか……?」

 そう言って私は坂本君の肩にポンッと手を置く。そう、別にこれはお仕置きじゃない。OHANASHIだもん。だから笑顔でなくっちゃ。あれ……?どうして坂本君、顔がムンクみたいになってるの……まぁ、いっか……。

「お前……まさか、高町なのはか!?ちょ……まてっ!悪気は無かったんだ!は、話し合おう!!」

「だから言ったじゃない……OHANASHIしよって……?」

 全く。坂本君は何を言ってるんだろう?さっきからそう言ってるのに……

「いや分かったから!!謝れってんなら謝るから!!だからやめ……って、おま!!その杖しまえ!!というかこの小説じゃお前は普通の人の設定だろ!!?なんでそんなものあるんだ!!?ちょ、やめ……あ、あああぁぁぁぁあああああああああああっっっ!!!!!」




~~~~~~~~~~~~




「すいませ~ん、遅れちゃいました~」

 そんな風におどけた様に僕、吉井明久は教室に入った。それにしても、流石は最低クラスの教室。教室と言うより廃屋と言ったほうがしっくり来る。

「おぉ、明久ではないか」

 そこに僕に話しかけて『だからちょ……ま……!!』くる声が一つ。声『防御打ち抜いて、魔力ダメージでノックダウン。逝けるね、レイジングハート?』のした方を向くと、そこには僕の親『Yes!Here we go!!』友である木下秀吉の姿があった。う~ん相変『おぉい! 頼むからちょっと待ってくれ! というかなんだこれ!? バインド!?』わらず可愛い……って落ち着け、吉『全力ゥ! 全ッ開!!』井明久!アイツは男だぞ!そ『ま、待ってくれ! ホントに悪かったから……!!』れにしても、今日も元『スターライオトォ!!! ブレイカァーーーーーーー!!!!』気に性別の垣根『だぁあああああああっっ!!』を曖昧にする秀吉『ブレイクゥッシューーーートッ!!!!!』もFクラスか……ひょっとして『チュドォォォオオオオオオオンッッ!!』、他にも知り合いがいるかもしれないな。それにしてもうるさいな。

 ドサッ!

「あれ、雄二? それになのはも」

 後ろを振り向くと、そこには去年からの悪友と、昔からの付き合いである幼馴染がいた。それより……

「雄二、どうしたの? そんなにこんがりと焼けて。日焼けサロンにでも行ったの?」

「どこをどうすりゃこんなにこんがりと焼けるんだ、ボケッ!!」

 こんがりと焼けた悪友は、そう言ったのだった。





      ☆





「はい、それではみなさん。自己紹介から始めたいと思います」

 あの後教室にやって来た先生、福原先生によってFクラスの少しばかり遅いHRはスタートしました。

「まずは廊下側の人からお願いします」

 そんな福原先生の言葉を合図に、一人の生徒が立ち上がります。あれ、あの子は?

「木下秀吉じゃ。演芸部に所属しておる」

 やっぱり、秀吉ちゃんだ。それにしても、去年から思っていたことだけど秀吉ちゃんってなんで男子の制服を着てるんだろ?生徒手帳には『女子が男子の制服を着ていい』なんて校則は書かれてないはずなのに。……ん?なんだか視線を感じるの。

「え~~土屋君。高町さんのスカートの中を覗いてないで自己紹介をお願いします」

「えっ!?」

 私が下を向くと、そこには色白の男子、土屋康太君ことムッツリーニ君がいました。

「え~っと、ムッツリーニ君?」

「……覗きなんてしてない」

 まだ何も言ってないよ?

「覗いてたでしょ?」

「……覗いてない」

「……今日の私の下着の色は?」

「赤のワンポイントリボンのついたライトピンク」

 ………………………語るに落ちるってこのことを言うのかな?

「……!! ……今のは適当」

 そう言ってプイッとそっぽを向くムッツリーニ君。

「本当に適当?」

「……適当」

「本当に覗いてないの?」

「……俺ほどの紳士はこの世にいない」

 どんな紳士なの、と思ったけど。それなら……

「そうなんだ、じゃあ、Hなことには興味ないんだ?」

「……当然」

「女の子の下着にも?」

「……興味ない」

 そっか……。それじゃあ、

「あーーーっ! フェイトちゃんのパンツがーーーっ!」

「……(クワッ!!)」

 次の瞬間、ムッツリーニ君は窓から身を乗り出してあちらこちらを見る。ううん、ムッツリーニ君だけじゃなく……

『なに! テスタロッサさんのパンツだと!?』

『なんだ!? パンツがどうなったんだ!?』

『お前等どけっ! テスタロッサさんのパンツは俺のものだ!』

 次々に窓から身を乗り出すFクラス男子のみんな。というか……

『え! 何々!? パンツがどうしたの!?』

 ……アキ君……

 私は、幼馴染の行動に、呆れるしかありませんでした。

 ちなみに、ムッツリーニ君はあの後で私とOHANASHIしたときなんとなくパンツを見つけてどうするつもりだったのか聞いてみると、『本人に返してあげるつもりだった』そうです。……嘘つき。





      ☆






 紆余曲折はあったものの、何とか自己紹介は再開した。(ムッツリーニはあの後黒焦げになって戻ってきた)

 さて、何はともあれ自己紹介はそのなのはの番。

「始めまして、高町なのはです。テニス部に所属してます。一年間宜しくお願いします」

 そう言ってペコリと頭を下げる。こうしてると可愛いんだよね。

『おい、高町って……』

『ああ、テニス部のエースオブエース……』

 あちこちでもそんななのはの事でひそひそと話しをしてる。

 さて、次は僕か。これから一年間共に戦っていく仲間達だしっかり覚えてもらおう。そのためにはインパクトだよね。

「え~っと、吉井明久です。気軽に『ダーリン』って読んでくださいね?」

『『『『『ダアァーーーーーリイィーーーーーーンッッ!!』』』』』

 次の瞬間、教室に響くむさい男達の大合唱。これはこの上なく不愉快だ。

「すいません忘れてください。とにかく一年間よろしくお願いします」

 そう言ってさっさと席に戻る。ちなみに席は窓側の一番後ろだ。

 それにしても、女子がいないなぁ……

 なんて思ったとき、教室のドアがガラリと開かれた。そして、

「あの、遅れて、すみま、せん……」

 彼女、姫路瑞希は教室に入ってきた。 
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