仮面ライダー　エターナルインフィニティ

「そういうのはやっぱりね」
「いや、そういう状況ならな」
「狙うの？」
「ああ、やってみる」
　桜井はキュルケに確かな言葉を返した。
「必要ならな」
「いいの？危ないなんてものじゃないわよ」
「それも承知のうえだ」
「戦いには命を賭けるのね」
「安心しろ。仮面ライダーは何度でも甦る」
「しかしだね」
　桜井の今の言葉にはだ。コルベールは難しい顔で返した。
「死ぬ時、そして生き返る時はかなりの痛みを伴うが」
「それはかなりのものだって聞いてるわ」
　キュルケもだ。このことを言う。
「それでもいいの？」
「構わない。生き返るのならな」
　これが桜井の返答だった。
「全くな」
「それであくまでなのね」
「スサノオと戦うというんだね。君達は」
「そうだ。それが仮面ライダーだからな」
「ゼロノスはかつては変身する度に忘れられていっていたそうね」
「昔はな」
「誰からも忘れられていく」
　このことにキュルケはこのうえない痛みを感じた。自分のことはでないにしてもだ。想像するだけでそれはかなりの苦しい痛みだと悟ることができた。
　だが桜井はそのことに耐えて戦ってきた。このこと対してだ。
　キュルケは彼の強さ、そして辛さを読み取りだ。こう言うのだった。
「野上も。一見すると弱いけれど」
「あんな強い奴はそうはいない」
「そうね。芯は強いわね」
「そしていい奴だ」
「ええ。私も若しも」
「若しも？」
「ダーリンに会わなかったらね」
　コルベールを見てからだ。そのうえでの言葉だった。
「貴方に惚れてたわね」
「しかし俺は」
「わかってるわ。あの人がよね」
「ああ。もう決めた人がいるからな」
　こう言うのだった。その相手を思い浮かべながらだ。
　そのうえで言うのだった。そんな桜井の横顔を見てだ。
　キュルケはまた微笑みだ。こう言った。
「その人は幸せね。貴方みたいな人に想われるなんて」
「その人が俺なんかが好きになっていいのかってな」
「そういう相手なのね」
「俺にとってはな」
「成程ね。そういう人なのね」
　キュルケはそんな桜井の言葉を聞いて微笑んだ。そしてだ。
　その桜井のところにだ。今度はだ。
　青く長い髪に髪と同じ明るくよく動く目をした活発な顔立ちの少女が来た。小柄でキュルケと比べるとかなり小さい。その少女が桜井の隣に来た。
　そのうえでだ。こう言ってきたのだった。
「仮面ライダーだよね」
「そうだ。君は」
「イルククゥだよ」
「確か竜だったな」
「あれっ、知ってたの」
「タバサから聞いている。あの娘の使い魔か」
「そして友達でもあるんだよ」
　そうでもあるとだ。イルククゥは明るく話す。
「タバサはイルククゥの一番大切なパートナーだよ」
「そうだったな」
「桜井だったっけ」
「そうだ。俺のことは覚えてくれるか」
「覚えたよ。それじゃあね」
「これからだな」
「うん、宜しくね」　
　桜井に明るい笑顔を向けてだ。イルククゥは微笑んで話す。
「これから友達だよね」
「そうなるな。こちらの世界のやることは」
「イルククゥ戦うからね」
　実に明るくだ。イルククゥは言ってくる。
「桜井も頑張ってね」
「君は竜になれたな」
「そっちが本来の姿になるのかな」
「そうか。空で戦えるか」
「うん。他にも竜はいるよ」
「しかし人間になれる竜はそうはいない」
　このこともだ。言う桜井だった。このこともタバサから聞いているのだ。