八条学園騒動記
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第百二十六話 捕獲作戦その一
捕獲作戦
謎は解き事件の元も解決した。後は犯人を捕まえるだけだった。
鏡を封印した次の日。二年S1組の面々はかつてカムイのデートの時に基地にしたあの喫茶店の二階に集まりそこでこれからのことの打ち合わせに入ったのだった。やはりあのテンボとジャッキーは呼ばれてはいない。
「まああの二人はいいとして」
「ええ」
皆もそれはわかっていたのでこの話はこれまでだった。
「さて、その白ドードーだけれど」
「見つけること自体は楽だよね」
セドリックは素っ気無く述べた。
「見つけることはね」
「ええ、そうよ」
議長役を務めているアンが彼の言葉に答えた。
「あんなに目立つ外見だから」
「そうだよね。やっぱり」
「だから見つけること自体は簡単よ」
やはりそれはかなり容易であった。
「ドードーでしかも真っ白なんだから」
「ドードーは目立つ」
ギルバートも腕を組みつつ述べた。
「それを考えれば見つけるのは簡単だな」
「ただね」
だがここでアンは言うのだった。
「それでどうにかなるかしら」
「どうにかって?」
「何かあるのかよ」
「見つけることはできても」
アンは皆の問いにそれはよしとした。
「けれどあれよ。捕まえるのはどうかしら」
「?ドードーでしょ?」
アンジェレッタは声に疑問符をつけて彼女に問うた。
「そんなの楽勝じゃない。ドードーって人間怖がらないし」
「普通のドードーはね」
アンは話を限定させてきた。
「確かに。楽よね」
「普通のドードーって」
「鏡から出て来たドードーよ」
アンは今度はその顔を顰めさせて話した。
「しかもその鏡は魔界の扉だったし」
「つまり普通のドードーじゃないってことね」
「魔物の類と考えていいでしょうね」
少し深刻な顔になって述べた言葉だった。
「相手はね」
「魔物ね」
「何か話がまたオカルトになってきたな」
皆話をしながらそうなってきたことを感じ取っていた。
「さて。それだとどうなるんだ?」
「またセーラの出番?」
皆セーラに顔を向ける。彼女はいつもと同じようにその後ろにラメダス、ベッキーを控えさせそのうえでにこりと微笑んで席に座っていた。
「ここはやっぱり」
「またあんたかしら」
「用意はできています」
そのセーラがにこりと笑って皆の言葉に応えた。
「私でしたら何時でも」
「若しもの時は頼むわ」
アンは真面目な顔でセーラに頼んだ。
「本当に魔物とかだったらね」
「わかりました」
「とにかく。見つけることは簡単よ」
アンはこのことを強調した。
「ドードーだからね」
「ドードーは飛ばないしね」
ルビーはドードーの特性について言及した。
「っていうか飛べないけれど」
「そうそう」
「っていうかあの体型で飛んだら凄いぞ」
皆も言う。ドードーは極端に肥満した体型でありその為飛ぶことができないのだ。それが地球において絶滅した要因にもなっている。
「魔物だったらわからないけれどまあ大丈夫でしょ」
「あとわかったことだけれど」
アンジェレッタも言ってきた。
「あの落書きあるじゃない」
「ああ」
「その事件の発端ね」
教室にあったあの落書きである。そもそものはじまりだ。
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