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八条学園騒動記

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第九十七話 智には智でその七


「理事長はね。忙しいから」
「忙しいから陰の首領じゃないの」
「聞くけれど理事長の姿見たことあるかしら」
「いえ」
 実はないのだった。首を横に振って答える。
「ないわ。だっていつも地球にいるかどっかの国を訪問でしょ」
「そうよ。この学校の理事長なのは確かだけれどね」
「それでも名前だけ?」
「多分にね。地球で理事長の仕事はされているみたいだけれど」
「それでもこの学校に来る余裕はないと」
「そういうこと。わかったわね」
「わかったわ。理由としては充分ね」
 ここまで聞いて納得した顔でプリシラの言葉に頷くジュディだった。
「じゃあ理事長は裏の首領じゃないと」
「裏の首領って本当に凄いね」
 ローリーはこのことをまた言う。
「これで実在したら凄いけれど」
「しかし理事長じゃない」
 タムタムもこれは確かなものと断定した。
「いるとしたら誰だ」
「そういうのも調べていかないといけないしね」
 ジュディも言う。
「あれこれ動く前に考えるのも大事だと思うわ」
「その通りよ」
 プリシラはジュディの今の言葉に頷いてみせる。
「まずは考える。いいわね」
「動くよりも先になのね」
「逆は駄目よ」
 こうも言う。
「失敗するもとよ。いいわね」
「いいっていうかそれってまんまあれじゃない」
 ジュディの頭の中である二人のことが浮かんだ。その二人とは。
「テンボとジャッキー。考えるより先に絶対動くから」
「それが問題なんだよね、あの二人」
「動いてからも考えないしな」
 ローリーとタムタムも二人に関しては容赦のない言葉を出している。悪気はないがそれでもだった。それだけ二人の行動がとんでもないというのだ。
「言ってもわからないけれど」
「フランツはリードし易いんだがな」
「あのフランツがリードし易い!?」
 これに関してはタムタム以外の三人は甚だ疑問だった。プリシラは表情は変えてはいないがやはり同じことを考えているようだ。
「本当に!?」
「そうだが」
 タムタムはその三人に対して述べる。
「あいつの心はわかる。俺達はバッテリーだしな」
「これは相性なんだろうね」
「そうだろうな」
 ローリーに対して答える。
「まあそれは置いておいてだ。話を戻すと」
「黒幕よね、影の首領」
 ジュディが言う。
「いるとしたら。誰なのかしら」
「まずは考えましょう」
 プリシラは分析を続けるべきだと主張した。
「ここはね。それで」
「ええ、それで」
 ジュディが応える。
「考えられるのは他に考えられるその候補者は」
「校長先生か教頭先生!?」
 ジュディはその二人について考えを向けた。
「そうなると」
「その二人なのかしら」
「いや、待ってよ」
 だがここでローリーは言うのだった。
「何っ、ローリー」
「校長先生に教頭先生だよね」
「ええ」
 その二人だ。 
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