| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十七話 はじめてのサーフィンその二


「まあそうでしょうね」
「それもあって身体を動かしているし」
「私もだけれど。けれど何か私は」
 ここでちらりと自分の両肩を見る。
「何か水泳って筋肉質になっちゃうのよね。特に肩が」
「それはあるわよね」
「けれど七海も」
 今度は二人が七海に対して言うのであった。
「スタイルいいじゃない」
「ねえ」
「そう?」
 だが七海は二人の言葉にあまり自信のない顔を見せるのであった。
「私は自分ではそうは思っていないけれど」
「全体のスタイルがいいのよ」
「引き締まっていてね」
 二人はそう彼女に告げた。
「だから自信持ちなさいって」
「大丈夫よ」
「そうかしら。だといいけれど」
 それでも自信に乏しそうな七海の顔であった。
「とにかくね」
「ええ」
「練習?」
 二人は彼女の次の言葉をある程度読んでいた。
「場所はプール?」
「それとも海?」
「プールよ」
 七海はそう二人に対して答えるのであった。
「そのイベントが行われる場所でね。どうかしら」
「わかったわ。じゃあそこで」
「いいと思うわ」
「そう言ってくれて何よりよ」
 二人の言葉に今度は微笑むのであった。
「じゃあ早速ね。明日から」
「部活の掛け持ちでいいのよね」
「ええ」
 特に反対することもなくパレアナに答えた。
「無理はしないでね」
「わかったわ。けれどそれじゃあ」
 ここでパレアナは考える顔になった。左手の指を曲げて自分の口にあてて考えるポーズになっていた。意外と似合っている姿勢であった。
「朝練習しない?」
「朝?」
「ええ。バスケ部練習試合近くて」
 まずはそこであった。
「それでね。夕方時間取れるかどうかわからなくて」
「朝もそうじゃないの?」
 コゼットは朝にも突っ込んだ。
「それじゃあ。朝も大変でしょ」
「朝っていっても色々よ」
 だがパレアナはコゼットにこう反論するのであった。
「色々って?」
「朝早く起きて波乗りの練習するとか」
 こう言うのであった。
「それを考えているんだけれど」
「それ、多分無理よ」
 だが七海がここで彼女に言うのであった。
「無理なの」
「朝プール空いていないのよ」
 それが問題なのであった。七海自身困った顔をしている。
「だから水泳部も朝は」
「ランニングとか陸上競技なの?」
「そういうこと。悪いけれどね」
「困ったわね」
 パレアナはそれを聞いて今度は腕を組んで困った顔になった。これでは夕方しか練習時間がない、そうなってしまうからだ。そこを気にしているのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧