真・恋姫†無双 これはひとりの仙人無双
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彼等は転生に至る
さてさて、神界に来てから今日でちょうど20年だ。
飛びすぎ?気にするな。簡単に前回の話(主人公設定)でまとめてある。
とまあ、20年経ったので今日転生するということなのだが、これまでに稽古をつけてくれた人たちが勢ぞろいしていたりする。
ランサーな人たちもいるしアーチャーな人や女装家もいる。黒の剣士と閃光のふたりもいるし・・・・・・。
他にもたくさんの人が来てくれている。
あと5分後にあの例の神が来て、転生を行うらしい。
「妖夢さん華扇さん、これまでありがとうございました」
彼は真面目な顔をして、これまでほぼ毎日稽古をつけたり、看病をしてくれたりした一緒に過ごした二人への御礼を口にする。
今生の別れ。二度と会うことは無いだろうと思った彼が口にしたそんな言葉に二人の師範は軽く微笑む。
彼は二人にとっていい弟子であり、友人であった。
そして、自分たちでも気がつかないうちに、真っ直ぐに突き進み、諦めなかった彼を意識するようになってしまっていた。
最後まで突っ走る彼の姿に惹かれたのか、それとも舞うように戦うその姿に惹かれたのか、可能性を上げていけばいくらでもあるだろうが、今はそんなこと関係ない。
勝手に一人で行ってしまおうとしている彼に追加連絡をしなければならない。
有角片腕の仙人と、二刀の少女は口を揃えていった
「「何勝手に一人で行こうとしてるの(んですか)」」
「はい?」
「私たちも一緒に行くことになっているんですよ。容姿はそのままですから、分かると思います。ただ、転生する地域や身分は違うかもしれませんからすぐに会えるとは思っていませんが、華扇は転生ではなく崑崙山にそのまま行くそうなので、崑崙山で落ち合いましょう」
「下手して妖夢は農民で紅龍は皇帝の息子だったとか言ったりしたら大変ね」
・・・・・・・・・。
紅龍の頭は今まさにフル稼働していた。
まさかメインで教えてくれていた師匠二人が自分の転生についてくるとは・・・・・・・・。ということと、華扇のいった言葉を深く受け止めていたのだ。
三国志において皇帝の息子ということは漢の最後の皇帝というのもありえる。
皇帝といっても完全にBADENDルートだ。それだけは何が何でも拒否したい。
といってもいまさら考えたところで遅いのだが、ただなんとなくそんなことを考えていた。
「聴いてます?美龍」
「あ、ああ聴いてた」
にしても、崑崙山と言われたところで、どこにあるかも知らない上に、何時になったらそこにいけるという確信もないのにそんな簡単な取り決めでいいのだろうか?
と考えていたが、この二人の師匠を前にそんなことを言っても無駄だと諦めた。
ただでさえ片方は空中を平気で飛び回る剣士に、もう片方は龍までをも従えた仙人なのだ。
何らかの方法によって集まる気なのだろう。
「わかった、集合場所は崑崙山。一つ聴いておくが転生と言っても妖夢の容姿が変わらないのなら俺の容姿も変わらないんだろう?」
「勿論、今回の転生は最高神の力で直接行われることだから容姿を変えることはできるけど、変更を願い出てないから変わらないわ」
そうか、ならいい・・・・・・。
と小さな声で紅龍は呟いた。どことなく女性にも見えるような中世的な顔立ちはコンプレックスでもあったが、自分にとってそれが自分である証明でもあった。
それを失ったときに自分が自分でいられなくなる気もしたから思わず聴いてしまったのだろう。
「ついに来ましたよ、最高神が」
妖夢の言葉ふっと顔を上げると、いつのまにか最高神が現われていた。
その両サイドには20年前に見た八雲紫と、その師である武神の姿もあった。
「久しぶりじゃの、元気しておったかの?」
「おかげさまで、な。これなら充分三国志でも生き残れそうだ」
その美龍の言葉に三人が軽く笑い、それにつられて見送りにきていたメンバーも笑い出していた。
「笑うようなところあったか?」
そんな笑い出した周囲の人たちに向けてふくれっつらを向けていた紅龍であった。
「では転生といこうかの?」
「ああ、頼むな」
「任せろ、爺が変なことしようとしたら助けてやるから」
「疑ってかかって当然だもの」
「ちょ、ワシの扱いが・・・・・・」
凹む爺に場が少し和みながらも、周囲に陣形のようなものが刻まれていく。
ゆっくりと八雲紫と武神はその陣形の外へと出て行き、妖夢と華扇は紅龍のそばへと近づく。
「じゃあ楽しんでくるのじゃぞ」
「「「行って来ます」」」
思わず腕で顔をかばうほどの光が溢れ出し、三人の体を包み込む。
光はだんだんと黄色から青色へ変わっていき・・・・・・・・・・・、
弾けた。
三人の姿は既に無く・・・・・・
「しかと歩めよ、若人よ」
神の言葉が風の中を漂った。
こうして、三人は。といっても実質的に普段から登場するのは二人になるのであろうが・・・・・。
転生し、恋姫たちの三国へと旅立ったのである。
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