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真・恋姫†無双    これはひとりの仙人無双

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仙人と一般人

「仙人として力を上げるためには欲を捨てる必要がありますが、最初からそれをあなたには望んでいません。ただ、定期的に昔のことを思い出しなさい。まずはそこからです」
どうも、皆様おなじみ?の八意紅龍だ。
昨晩夕食の時間にようやく姿を現した茨木華扇さんに仙人になるため?の修行をつけてもらっている。
気や霊力を使えなくてはなれないらしいのだが、とりあえず俺は無意識下で使っているらしい。
そもそも、その二つに加えて俺が倒した狼の神力をも受け継いでいるから、人間としては合計の量がありえないほどのものらしい。
「思い出すっているのは、思い出みたいな感じであんなこともあったなぁ・・・・、ていう感じでいいのか?」
「ええ、まず最初はそんな感じから始めるべきだと。だけどその内これまでやったことをもっとしっかりと思い出せるようにならなくちゃダメよ。いい?」
「了解」
とりあえず昔のことを思い出せるようにする、か・・・・・・・。
「それができるようになれば術とかも教え出すからそれまではこれまでの訓練に取り組みなさい。考えながらでもよけたりとかなら出来るんでしょう?」
やれやれ、これまで以上にハードな訓練になりそうだ。
さっきから妖夢は殺気全開だし・・・・・・・・・。考え事をしながらじゃなくて物事を思い出すのは結構集中してしまうからな。
「じゃ、妖夢にあとは任せるわね。私は野草とかとってくるから」
「ええ、さっさと出て行ってください。私は早く訓練を始めたいので」
怖・・・・・・・・・・。
「なんですか美龍さん。その目は」
「いえ、なんでもないです」
覚?妖怪『覚』か?妖夢って本家の世界でも半人半霊じゃなかったっけ?人の心を読んでいいいのは古明地さとりだけだ。
と、現実逃避してみるものの、妖夢の視線がきつくなっていくだけなので、そろそろやめないとまずいだろう。
いくら考え事をしながらでも躱すことができるといっても、訓練として刀を振っていてくれるから躱すことができるのであって、怒らせて殺すために振られると、おそらく待っているのは死のみだ。
「では始めますよ。考え事なんかさせる余裕は与えませんから」
・・・・・・・・・・・。
もはや考え事をしている余裕どころか自分の生死を心配しなくてはいけなかったらしい。







「チッ」
鋭く突き出された刀が紅龍の頬を掠り、わずかながらそこから血が飛び散る。
いつもと違って余裕が完全にないのか、彼も刀を抜いており、首だけではなくて体全開を使って回避、そして防御を行なっていた。
「はぁぁぁぁぁぁっ!!」
妖夢の左手の刀が大上段から振り下ろされ、紅龍を二つに両断せんと刃の残像すら残さずに迫った。だが、紅龍としても死ぬわけにはいかないので、自らの持つ刀を頭上に構えて鍔迫り合いとなる。
「殺す気だろ」
「さぁ?なんのことですかっ、はっ」
妖夢の右手の刀が振られて、それに気づいた紅龍が妖夢の腹に右足で蹴りを叩き込んだために体の軽い彼女は大きく吹き飛ばされていた。
どんなに優れた武人であろうとも、本来であれば空中で方向転換はできない。
そのため、奥にある木にぶつかると思われたが、彼女は違った。自らの霊力で空中に浮き、体勢を立て直していた。
「女性の腹を蹴り飛ばすとは何事ですか?」
妖夢は憎々しげに紅龍を睨むが、彼はどこ吹く風といったところだった。
というよりも、彼としても言いたいことがあったので特に反論を言わなかったというのが正しいだろう。
「じゃあ殺す気の一撃を平気で叩き込むのはどうなんだ?」
「訓練ですよ。転生後は戦場ですから殺す気の一撃以外はありえませんから」
「なら実戦だったら別に男も女も関係ないだろう?」
「「・・・・・・・・・・・・・・」」
静寂が二人の間に訪れ、お互いに再び構えを取る。
絶対に勝ってやる。目には勝利を求める光が灯り、鍛錬だったはずの二人の間に本気の戦いが勃発しかけていた。 
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