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対決!!天本博士対クラウン

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第四百七十一話


                  第四百七十一話  四匹の尾行は
 ライゾウはだ。今日子先生を尾行しながらだ。その中でだ。
 ふとだ。こう仲間達に言った。
「あのさ。今日子先生ってさ」
「はい、あの方が何か」
「何か気付かれたことがあるのですか?」
「何か凄い目立つよな」
 こうだ。彼は考える顔でタミーノとフィガロに答えたのである。
「だから凄い尾行しやすいんだよな」
「そうだよね。それで僕達だけれど」
 今度はタロが言う。見ればだ。
 彼等はその姿を消している。それで影を何とか誤魔化しながら尾行している。そしてだ。
 その中でだ。タロはこんなことも言った。
「姿を消しているのが正解みたいだね」
「だよな。追跡するんならな」
 まさにだ。それならばだと言うライゾウだった。
「姿は消すに限るよな」
「そうだね。けれど影がね」
「それは仕方ないな。っていうかおいら達影を消す魔法は知らないからな」
 四匹共だ。そういう魔法は知らないのだ。
 それでだ。ライゾウはこうも言った。
「だから今はこうして隠れて行くしかないよな」
「そうだね。影は見せない様にしてね」
 ライゾウもタロに頷く。そしてだ。
 タミーノとフィガロもだ。ライゾウとタロに言う。その言うこととは。
「今日子先生は確かにおっとりしておられますがやはり日本、いえ世界でも有数の魔女です」
「ですから。我々に少しでも落ち度があればです」
 その時がどうなるかというのだ。
「すぐに見つかってしまいます」
「このことは注意しておかねばなりません」
「そうだね。くれぐれもね」
 タロがタミーノとフィガロのその言葉に頷く。このことは言われずともわかることだった。金色や銀色の法衣は魔女として最高位を指し示すものだからだ。32
 だからこそだ。彼も頷いたのである。
「気をつけないとね」
「だよな。けれど影もな」
 ライゾウはその影について言った。
「こうして。姿が見えないとな」
「かえって気になるよね」
「姿があると何でもないんだよ」
 その場合はだとだ。ライゾウはタロに話す。相変わらず器用に物陰に隠れてそのうえで今日子先生を尾行しながらだ。そのうえでの言葉だった。
「けれどいざないとな」
「これがかなりね」
「気になるものなんだな」
 彼等がこう言うとだ。タミーノとフィガロはこう話したのである。
「見えなくなればそれでかえって見えるものがあります」
「後はそれをどう隠すかなのです」
 こうタロとライゾウに話したのである。
 四匹は姿を消していた。このことは確かに尾行にかなり便利だった。だがそれはそれで隠さねばならないものがった。姿を消しても全てが消える訳ではなかった。


第四百七十一話   完


                   2012・3・5 
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