対決!!天本博士対クラウン
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百八十二話
第二百八十二話 総動員によって
博士はすぐに決めた。ドームの破壊をだ。
「本拠地を破壊すればじゃ」
「相手は根無し草になりますね」
「うむ、それだけ戦力が落ちる」
彼はまた言った。
「満足すべきじゃな」
「しかし何ですね」
小田切君は博士に対してさらに言った。
「博士もたまにはいいことするんですね」
「いいことか、これは」
「はい、いいことです」
小田切君はあっさりと言う。本当に素っ気無いままだ。
「巨人にとっての不利益な行いは人間にとっていいことです」
「わしはただ巨人が嫌いなだけなんじゃがな」
「それがいいんです。巨人は万年最下位でいるべきです」
「それはその通りじゃ。巨人は負けるべきじゃ」
「ではどうぞ」
「うむ、わしはやるからには徹底的にやる」
こうしたところは何をするにも同じであった。やはり博士は博士だ。
「それだからじゃ」
「ええ、頑張って下さい」
「まずはカイザージョーを送る」
最初はそれだった。
「そしてエンペライザーもじゃ」
「それもですか」
「ガメオも送る」
「えっ、総動員なんですか」
「さて、ここまで送れば問題ないな」
「ついでに親会社も破壊するんですか?」
「おお、それはいいのう」
小田切君の言葉に乗った。何でもないといった風にだ。
「ではそうしよう。これであのチームも終わりじゃ」
「何か凄い展開になりましたね」
「巨人の破滅はよいことじゃ」
問題はどうしていいかであった。
「わしの気分が晴れるからのう」
「全てはそこにありますか」
「うむ、では送ろう」
博士はまた言った。
「そしてじゃ。あのドームも親会社も破壊し尽くしてくれるわ」
「東京まで結構ありますけれど」
「ああ、そんなものはすぐじゃ」
距離は問題ないというのである。
「どのマシンもマッハ20で行けるからのう」
「ああ、それだったら本当にもう一瞬ですね」
「左様、では行くがいい」
「ええ、どうぞ」
博士の手にはもうコントローラーがあった。それを動かしてであった。
今ドームと親会社に向かって破壊のマシン達が向かった。翌日の一面記事がこうして見事なまでに決定されたのであった。まさに博士は時の人ではある。
第二百八十二話 完
2010・4・19
ページ上へ戻る