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混沌の魔術師と天空の巫女

作者:白鋼
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第2章 妖精の尻尾
  友は屍を越えて

外にて・・・

「終わった様だな。」

「うん、何とかね。」

エルザとルーシィは現れたトカゲの姿をした人工生命体を倒す事に成功した。



だが、その時・・・!

ズズズズズズズッ!!

「な、何っ!?」

突如、地面が揺れる。そして・・・

「ハイハイハーイ!隠匿魔法解除!魔水晶(ラクリマ)コア起動準備!各関節アンロック!
 神経伝達魔水晶(ラクリマ)感度良好!サラマンダー以外の不純物、とっとと出て行く!!」

それは俺達の事だった。

「何アレ!?」

「ドラゴン!?」

ミントとハッピーは驚いてそう言った。
それはねずみ色で腹に玉の様な物を装着したドラゴンの姿だった。
ただ、どっちかというと、ワイバーンに近い姿をしていますし、
眼と頭がありません。あるのは透明な丸いものにダフネさんの姿があった。

「ハイハイハーイ♪それではサラマンダーの魔力、吸収開始~♪」

あのドラゴンの腹にある玉が赤く光った。

「ドラゴノイド、起動ぉぉっ!!!」

突然、頭の部分らしきものが現れ、ドラゴノイドの頭が完成された。

「ドラゴノイド・・・?」

「サラマンダーの魔力を吸収って、ナツ!?」

ギャオオオオオオオオオオオッ!!!!!!

「うるっさあぁぁ!!!!」

「ぐっ!」

「ハイハイハイ!すべりだすは順調ね。
 見て見てぇ~♪これ私が開発した人工ドラゴン、その名もドラゴノイド!
 サラマンダーの魔力を得て、今ここに堂々のお披露目ってわけ!!」

「ナツの魔力を・・・!?」

「ルーシィさん!」

「エルザさん!」

俺達はエルザさん達の元へ行き、声を掛ける。

「お前達!」

「無事だったのね!」

「大変だよー!」

「一体、何がどうなっている?」

事情がわからないエルザさん。

「ナツは?」

ナツさんの事を聞く、ルーシィさん。

「捕まちゃったんだよ!」

「グレイがダフネって奴と手を組んで、ナツを罠にかけたんだ!!」

ミントがナツの事を話し、ハッピーが説明をした。

「「グレイが!?」」

驚く2人。無理もない、仲間が裏切ったのですから・・・。

「操られている訳でもなく、自分の意思だと言ってました。」

「私達にも良くわからないのです・・・。」

俺がグレイさんの事を説明し、
ウェンディは俺達にはわからないとエルザさん達に言う。

「グレイ!」

ルーシィさんの言葉に、俺達はルーシィさんの向いた方を見ると、
そこにはドラゴノイドの鼻の上に立っていたグレイさんがいた。

「グレイ!貴様が本当に妖精の尻尾(フェアリーテイル)を裏切ったと言うなら、訳があるはずだ!」

「ねぇよ・・・そんなもん」

「何・・・。」

「グレイ・・・。」

「・・・・・・。」

グレイさん・・・一体どうしたって言うんですか・・・。

「ハーイハイハーイ!こうして私の研究の成果が実を結んで、
 ドラゴノイドが完成したってわけ。お前達はそれを祝福すればいいんじゃなーい。」

「この声がダフネとかという奴か?」

「はい。」

エルザさんの言葉に俺はそう言う。

「速やかにナツを返せ!!」

「それはできない相談ねぇ~。
 このドラゴノイドがナツ・ドラグニルの魔力を吸い取って動いているのを知ってんでしょ?」

確かに、サラマンダーの魔力を吸収って言ってたし・・・。

「その魔力が吸い尽すまで、ナツ・ドラグニルは返して上げな~い。」

何て人だ・・・!

「魔導士にとって、魔力とは命に等しいモノ。」

そう、つまり死ぬまでと言った様なものだ!!

「ナツを返しなさいよ!!」

怒鳴るルーシィさん。

「ねぇ、どうしよ・・・このままじゃあ・・・。」

このままにする訳にはいきません!何か考えないと・・・!!

「取りあえず、あのドラゴノイドを何とかしないと・・・。」

今はチャージをしているのか、動きが止まっている。

「邪魔するつもりならやってみろよ。
 もっとも、お前等ごときの力じゃ、チャージ完了まで持たないだろうがな。」

「・・・グレイ!」

グレイさんを見て、怒りの表情のエルザさん。

「そう言えば、ドラゴンマニアがこうして、
 人工的にドラゴンを作り出そうとしている
 危ない魔導士がいるって聞いた事があるけど・・・。」

「そんな噂、俺も前に聞いた事があるぞ!」

「その失礼な噂はこう変わるわね。
 天才科学者ダフネが人工的にドラゴンを作り出す事に成功したって訳ね。」

言葉は使い様ですか?人の魔力を利用しておいて!!

「ふふふっ、このドラゴノイドを完成させるまでの道のりは、本当に長かったわ。
 その第一歩は、人工ドラゴンの卵の孵化に成功した事から始まったわ。」

ダフネさんはドラゴノイドの話をする。

「私の住んでいた町は、データを取るにはもってこいだったんだけど、
 私を含む町の住人はみんなヒドゥンが使えちゃうのよね。
 で、そんな実験データの取れない町なんて私には用なし。
 罰として彼らのヒドゥンを解けないようにしてやったわ。
 そしてヒドゥンで消えた住民たちを感知できない
 不完全なドラゴノイドにも罰を与えたわ。そして私は街を去った。
 その街はやがて、音無の町となった。」

音無の町、グレイさんが言っていた言葉・・・!

「その後も研究を続けた私はついに気づいた、
 ドラゴノイドを動かすにはドラゴンスレイヤーの魔力が必要だってね。」

だからおびき寄せる為にドラゴンを見たと嘘を言ったのか!?

「ハイハイハイ!ナツ・ドラグニル!サラマンダーよぉ!
 命を閉じて働くがいいわ!この私と私の野望のために、燃え尽きろぉぉぉぉ!!!」

ギャオオオオオオオッ!!!!!

ドラゴノイドはその場で1回、足踏みをする。

「ぐっ!」

「あああああっ!!」

「何すんのよぉ!!」

「危ないじゃない!!」

「物凄く、迷惑な感じが・・・!」

「あい!」

何とかかわした俺達。

「貴様、こんなものを造り上げて一体どうしようと言うのだ!」

「ハイハイハイ、私の野望、それは究極のドラゴノイドを完成させる事よ。
 これもまだ試作段階にすぎないわ。まずは現段階での性能をテストテスト~!」

ドラゴノイドが再び足踏みをする。

「かわすぞ!!」

俺達は何とかかわす。

「ハイハイハーイ!脚部の動作がぎこちないわね
 ハイハイハイ!徒歩での移動は無理っと!」

「迷惑・・・ものすごく迷惑!」

「本当だよ!!」

「オイラ知ってるよ!こういうのマッドサイエンティストって言うんだ!!」

「何とかして止めねば・・・しかし・・・。」

「中にナツさんがいたんじゃ迂闊に手出しできません・・・。」

「そう?別にいいんじゃない。」

「シャルル、お前冷たい奴だな・・・。」

シャルルの言葉に突っ込む俺。

「(グレイ・・・これがお前の望んだ事か・・・?)」

エルザさんはグレイさんを見ていた。


きゅうううううううっ!!!


「んっ?」

音の方を向くと、魔道四輪が来た。

「グレイ、テメェ!」 

「とんでもねぇ事しでかしてくれたなぁ!」

「漢として、貴様をギルドに連れ戻す!!」

マカオさんがSEプラグを装着し、運転しており、
ワカバさんが窓から上半身を出しており、エルフマンさんが魔道四輪の上に居った。

「ふぅっ!」

「っ!ぐあっ!!」

グレイさんは油断してしまったのか、エルフマンさんの攻撃を受けた。

「悪く思うなよ、マスターの命令だ。」

「マスターが?」

「ああ。どっからか、ダフネの情報を掴んで来たんだ。」

「あのデカブツの処分については、グレイの話を聞いてから決定するんだとよ。」

マカオさんが説明をして、ワカバさんがその後どうするかという説明をした。

「エルザ!」

ルーシィが悲鳴のような声でエルザさんを呼んだ。
さらに、俺達の目に映ったのは・・・

「こいつ・・・まさかっ!」

目に映ったのは、翼を広げ光を出し、風を起こし、
翼をはばたく事もせずに・・・飛んだのだった!!

「飛ぶなんてずるいぞ!!」

「そうだそうだ!!」

「あんた達が言う・・・?」

ハッピーとミントの言葉にツッコミを入れるルーシィさん。
ドラゴノイドは羽ばたくこともなくゆったりとある方角へ進んだそれは・・・

「大変、あの方角・・・マグノリアに向かってますよ!?」

「何っ!?」

ドラゴノイドの行く方向を見ると、確かにマグノリアに向かっていた!!

「おのれ・・・!!」

エルザさんはギラリとドラゴノイドを睨む。

「このドラゴノイドは、もはや誰にも止める事はできないわ。」

「それはどうかな!」

「ハイ?」

ドラゴノイドの目の前には俺がいた。
(エーラ)を発動させ、ドラゴノイドより速く移動し、そのドラゴノイドの目の前にいた。

「喰らえ!闇竜の鉄拳!!」

ドラゴノイドの鼻先をめがけて、俺は攻撃をする。しかし・・・

ドスン!!

「っ!?こいつ・・・!!」

目の前にはエルザさんとルーシィさんが戦ったトカゲの奴だった。
しかも、盾を装着して。そのままトカゲ野郎は飛ばされた。

「そいつの名前はリザードマン。」

ダフネさんが突然、そう言う。

「さっき、あんたが言っていた、同じ属性のものが出る人工生命体か!!」

「ハイハイ、そのとおりよ~。
 ちなみに、それはエルザ・スカーレットが使用した魔法の1つ。」

エルザさんの魔法、換装の1つをコピーしたのか!

「ふざけやがって!」

「ハイハイハイ、ついでにあなたも後でいただきましょうか。
 ドラゴノイドを動かす為にぃぃぃ!!!!」

「そうはさせん!!」

エルザさんが蝙蝠の様な翼を付けた黒い鎧を身につけて、現れた。

「エルザさん!」

「私もやる!」

「他のみんなは?」

「ルーシィとウェンディ達はギルドに戻って、皆に事の事を伝達を頼んだ。」

てこは、ハッピーとシャルル、ミントも行ったのか・・・。

「エルフマン達はグレイを乗せて、ギルドに戻った。」

魔道四輪でギルドに戻って行ったのか・・・。

「む!」

「!」

リザードマンが、俺達を襲ってきた。
しかも、エルザさんが来ている鎧についている翼と剣を出現させて。

「またお前か!!」

「あいつは、同じ属性の魔法をコピーする人工生命体です!」

「同じ属性の人工生命体だと!?」

「はい!」

エルザさんは空高く飛んだ。

「例え同じ属性でも、お前とは、背負っているモノが、違う!!」

エルザさんの攻撃により、リザードマンは倒され、消えた。

「ハ~イハイ、やるじゃな~い。でもこれならどうかしら?」

「「!?」」

ドラゴノイドの背中には、5体のリザードマンが武器を構えていた。
そこには、先程、俺の攻撃を防いで飛ばされたかと思ったリザードマンもいた。

「これまでの戦いでしっかりとデータを取らせてもらったわ。
 リザードマン、バージョン2.5の強さを思い知るがいい!!」

「・・・っ。」

「くっ!」

これは厄介だ・・・!

「コージ!こいつ等は私がやる!お前はこのドラゴノイドを止めろ!!」

「エルザさん・・・わかりました!」

取りあえず、このドラゴノイドを止めよう!そしてナツさんを助けよう!!

「いくぜ!!」

「ハイハイハイ!リザードマンはまだまだいるわよ!!
 ど~んとやっちゃいなさ~い!!」

緑色の魔法陣が出現し、その陣からリザードマンが大量に現れた。
しかも、俺の(エーラ)似た形の奴らが大量に!!!

「まだいたのか!?」

「くそ!!俺の魔法までコピーしたのか!?闇竜の咆哮!!!」

俺は口から黒い渦の闇のブレスを放った。数体ほど倒せたが、残り数体は飛んでかわした。

「このぉっ!!!」

俺はかわされたリザードマン1体を殴る。その1体を倒す事はできた。

「でも、まだまだおるなぁ・・・。」

本当は他の技も出したいけど、データを取られる訳にはいきません。

バスーン!!

「うわっ!?」

ドラゴノイドの鼻と口から白い煙が・・・何だ?

「っ!!」

リザードマンが俺に襲いかかって来た。俺はそれをかわす。

「まだいるのか!しつこいぞ!!闇竜の咆哮!!!」

俺はもう1度、闇竜の咆哮を放った。なんとかリザードマンを倒す事ができた。

「よし!」

「コージ!!」

エルザさんの声がしたので、俺は振り向いた。
エルザさんの方も終わったみたいだ。何やら、恰好がさらしを巻いて、
刀を2本持っている様な格好をしていた。

「やるぞ!」

「はい!!」

「あ~ら残念・・・時間切れ・・・!」

「っ!?ぐおっ!!」

「エルザさん!!」

俺は落ちそうになるエルザさんを持ち上げて飛んでいた。

「しまった!!」

闘いに気にし過ぎてしまった!下はマグノリアの町だった!!

「やべっ!早く何とかしないと!!」

しかし、ドラゴノイドはマグノリアの町に着地してしまった。

「ふはははははっ!!!残念だったわね!!!!」

「ブラストヒィンガー!!」

「スティンガーシュート!!」

「「!!」」

「マジックカード“爆炎”!!」

「ウォータースライサー!!」

砂の槍(サンドスピアー)!!」

なんと、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の皆さんがドラゴノイドを攻撃をしていた。
俺は一時、下に降りた。

「エルザ!!」

「お兄ちゃん!!」

ルーシィさんとウェンディがやって来た。

「ウェンディ!」

「ルーシィ!これは一体・・・!」

「マスターの命令で、ドラゴノイドを止めろって!」

「えっ!?」

マスターが!?

「ドラゴノイドの破壊が最優先・・・
 それがマスターの決定打とでも言うのか・・・。ナツの事は?」

「頑丈だから大丈夫だって・・・。」

「そうか・・・。」

確かに、シャルルや他の皆さんから聞いた所、
ナツさんって頑丈だとは聞いていますが・・・。

「ナツ!マスターの命に従い、我々は全力でドラゴノイドを止める!
 その前に、お前の意識を確かめたい。声を聞かせろ!!」

「・・・へへっ、ああ、聞かせてやんよ。」

「ナツ・・・?」

「ナツさん・・・?」

「いいか、耳の穴かっぽじって、よく聞きやがれ・・・
 コイツを・・・俺ごとぶっ壊せぇ!!!!」

とんでもない事を、ナツさんは言ってしまったのだった・・・。 
 

 
後書き
どうも、白鋼です。今回の話はいかがでしょうか?
次回もお楽しみに~!! 
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