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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第二十一話 仮面乙女その四

「南蛮の人かしら」
「そうじゃないの?あの格好」
「神の色も少し違うし」
「雰囲気も」
 時代が違うからそう思われることだった。
「じゃあ殿様に言われて来たのかしら」
「ノブナガ様に」
「ノブナガ?」
 その名前を聞いてだ。光がふと声をあげた。
 そしてだ。二人に言うのだった。
「ノブナガっていいますと」
「織田信長?」
「あの信長かしら」
 霧島に三輪もだ。その名前に反応を見せた。
 そうしてだ。そのうえで光と話す。その中でふとだ。
 城の向こうに見える城を見上げた。それは山に幾重にも城壁や石垣を囲んでだ。その上には天守閣がある。その天守閣は青い瓦に赤や金があるだ。そうしたものだった。
 その何処か南蛮の趣がある一風変わった天守閣を見てだ。ここでも光が言った。
「あれは安土城ですね」
「安土城、あの織田信長の築いた」
「あのお城よね」
「はい、歴史の本とかに出て来るのそのままです」
 まさにその安土城だというのだ。
「それです」
「ではやっぱりここは」
「戦国時代、いえ安土時代の日本なのかしら」
「間違いないと思います」
 また二人に話す光だった。
「ここは。ただ」
「女の人しかいないっていうのはね」
「やっぱりおかしいわね」
「おい、何だよあんた達」
 ここでだ。足下からだった。声がしてきた。
 三人がそちらに顔を向けるとだ。兜を被った白犬がいた。
 その白犬がだ。三人に対して言って来ていたのだ。
「まさかと思うが別の世界から来たのかよ」
「喋る犬ね」
 その犬を見てもだ。霧島も他の二人も特に驚かない。これまでそれどころではない存在と数多く出会ってきたからだ。それはもう今更のことだった。
 その犬の三日月がある兜を見てだ。三輪が言った。
「あんた少なくともまともな犬じゃないわね」
「そんなの見ればわかるだろ」
「ええ、よくね」
 まさにそうだとだ。三輪は犬に返す。
「で、あんたが喋ることも気になるけれど」
「この世界のことだよな」
「この世界はどういう世界なの?」
 怪訝な顔でだ。実輪は犬に問うた。
「ちょっと聞かせてくれるかしら。知ってることについて」
「ああ、いいぜ」
 それでいいとだ。犬も応えてだ。そのうえでだ。
 三人にだ。こう言ったのである。
「来な。いいな」
「ええ、それじゃあ」
「お願いします」
 三人は犬に案内されてそのうえでだ。町の中の廃屋に入りだ。その中にそれぞれ腰掛けだ。
 そうしてだ。犬の話を聞いただ。
 話を聞いてだ。まずは光が言った。廃屋の中の椅子に腰掛けている。他の二人も適当に見付けた椅子や座布団の上に座っている。そうしているのだ。
 そのうえでだ。まずは犬について言うのだった。
「貴方は未来から来た男の方で」
「ああ、伊達氏の子孫なんだよ」
「それでお名前はですね」
「シロっていうんだよ」
 この名前も名乗るのだった。
「まあこっちの世界じゃこの名前だからな」
「そうなんですか」
「それでな。こっちの世界はどういう仕組みかわからないけれどな」
「はい。女の人しかいませんね」
「どうして子供ができるかは。まあコウノトリでな」
 この辺りの仕組みもかなり妙なことである。
「連れて来るんだよ」
「本当にそうした世界があるなんてね」
 そのことで既にだ。三輪は眉を顰めさせるに充分だった。
 
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