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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第二十一話 仮面乙女その二

 その門を見ながらだ。幸村が駆けつけてきた仲間達に話した。
「そこのミルクディッパーでお茶を飲んで出て来たらじゃ」
「こんなのがあったのよ」
 十兵衛もそうだと話す。
「あからさまにおかしいじゃろ、これは」
「別世界の門よね」
「はい、あからさま過ぎます」
 光もこう応える。
「これは」
「さて、どういった世界がじゃ」
 幸村はその門を腕を組みつつ見てだ。
 そうしてだ。眉を顰めさせて言うのだった。
「この門の向こうの世界がのう」
「それを今から調べてくるから」
「少し待っていてくれるかしら」
 霧島と三輪があらためて仲間達に顔を向けて話す。
「じゃあ今からね」
「行って来るわ」
「わかったわ」
 最初に応えたのは千姫だった。
「じゃあお願いするわね」
「姫様、それは」
 半蔵がだ。怪訝な顔でその千姫に言ってきた。
「霧島さん達にとって負担になるのでは」
「そのことね」
「はい、それはどうかと思うのですが」
「いえ、ここはね」
 それでもだとだ。千姫は強い顔になり半蔵のその問いに答える。
「美穂達の考えを入れるわ」
「そうされるのですか」
「そうじゃないと納得しないから」
 彼女達の性格をわかってのことだった。
「だからね。今はね」
「そうですか。では」
「ええ、半蔵もそれでいいかしら」
「姫様がそこまでお考えなら」
 いいとだ。半蔵は千姫に対して頷いた。そのうえでだ。
 半蔵もだ。霧島達に顔を向けてだ。こう答えたのである。
「私の考えは同じです」
「有り難う。それじゃあね」
 千姫は半蔵のその心遣いに笑顔になった。そうしてだ。
 二人は霧島達を見送ることにした。他の戦士達も同じだ。ただ兼続はだ。少し面白くなさそうにだ。顔を顰めさせて言うのであった。
「仕方ありませんわね。今回だけですよ」
「わかってるわ。まずは偵察に行ってね」
「帰って来ますので」
 霧島に光が応えてだ。そのうえでだ。
 三人は赤いその門を開きだ。白い光の中に入る。その三人を見送ってだ。
 翔子がだ。こう言った。
「健闘を祈ります」
「翔子も心配してるのね」
「期待しているの」
 こう愛子に答える翔子だった。表情はないがだ。それでもだ。
 言葉はだ。切実なものだった。その切実な言葉で言うのだった。
「あの人達が戻って来るのよ」
「そうなのね。それじゃあ」
「朗報を待つから」
 こう話してだ。翔子は。
 本当に微かだが微笑んだ。その微笑みを見てだ。
 その微笑みを見てだ。優子は唖然となり言った。
「翔子が笑うなんて。変わったわね」
「そういう優子もじゃないの?」
「えっ、私もって」
「そう。何か猫被らなくなって素直になったわよ」
「別にそんなつもりはないけれど」
「人は気付かないうちに変わるらしいわよ」
 右目をウィンクさせてだ。笑顔で優子に話す翔子だった。
「誰だってね」
「だから私もなの」
「僕素直な翔子好きだよ」
 そしてだ。優子にこんなことも言ったのだった。
「前のちょっと素直でない翔子も好きだけれどね」
「ちょっと、あんたそういう趣味があったの?」
「僕も結構事情が複雑だから」
「またそっちの世界の話題なのね」
「あはは、ワンパターンかな」
「段々そうなってきたわよ」
 口を尖らせ腕を組んで抗議する翔子だった。
「特に今回私が知ってる人とまた会いそうだし」
「事務所の関係?」
「先輩にね」
 自分から言う翔子だった。
 
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